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何故、インフレになったのか? -Appendix: 計画経済とは何か?-

何故、インフレになったのか? -Appendix: 計画経済とは何か?-

前回、コモディティ価格の件で計画経済の事が軽く出た。計画経済とは何なのだろうか?果たして、勧善懲悪で言うと、悪なのだろうか?筆者なりに解き明かしていきたいと思う。

日本は基本的に民主主義かつ、マーケット経済の国だと思っている。民主主義は政治に関して。マーケット主義は経済について、それぞれは関係はあるが、独立しても存在できると思う。大陸中国が半ばそうであるように、共産主義かつ、マーケット経済もありうると思う。共産主義は半ば経済の事であるが、大陸中国のコンテキストで見ると、半ば政治の事でもあると思う。

マーケット経済の場合は、価格決定のメカニズムや企業間競争を通して、神の見えざる手が働いて、価格などが半ば人為的、半ば自動的に調整され、良い感じに落ち着いていく。これは、ここ50年-100年くらいを通して、半ば正しいことが実験的に分かっている。

では、計画経済とは?なぜ、破綻するのだろうか?典型的なのは旧ソ連でありえただろう、粗鉄の問題である。計画経済は基本的に中央にいる超高級官僚が全てを決定する。例えば、我が国は今年、鉄が1000兆トン必要である。ソ連鉄鋼は今年、10兆トン、鉄を生産しなさい。なるほど。案外良いのでは?理論的だし、中央集権で良いのでは?実は、無理の場合が多々ある。なぜか?ソ連鉄鋼は年間1兆トンしか実はちゃんと鉄を生産できない。しかし、高級官僚の言うことは絶対で逆らえない鉄則なので、それを少なくとも、表面上を守る必要がある。

そして、手を抜くか、全く生産できなくなる。典型的には砂が混じった粗鉄が生産されるだろう。そして、経済はだれて、品質は落ち、誰も買う気もやる気もなくなり、経済は破綻する。

対立項はマーケットとPDCAである。実は会社経済は半ば計画経済で、ある程度、うまく行く方法はある。機会があったら、また紹介しようと思う。

今回はここまで。よろしくお願いします。

著者略歴

金輝俊 / Hwi Jun KIM
独立研究者。専門は戦略/IT/応用数学

ハイテクITベンチャーのProduct Manager / Chief IT Architect、Webベンチャーのグループリーダー、外資系IT企業のProject Manager 兼 Systems Architectなどを経験。会社を離れて数年後、Webベンチャーと外資系IT企業グローバル本社は、それぞれ東証マザーズとNYSEに上場した。

ファッションテックベンチャーに業務委託で週3勤務のお気楽プログラマとして参画したはずが、グロースハック室 室長 兼 システム開発部スペシャリストに。30人4部門を参謀長として指揮統括し、約10億円の株式による増資に成功。シーリズCへと導く。その後、起業。NMD Soft, Principalとして活動を開始。

社会貢献活動として、原爆の実相を伝えるためと、東日本大震災の解析のために、Nagasaki Archive、Hiroshima Archive、Mass Media Coverage Map of The East Japan Earthquakeなどの開発と一部企画に関わった。

主な著作にThe Real M.Phil Thesis: The Mathematical Foundation of Smart Material Systems / Yet Another Mori-TanakaMBA Thesis: The Modern Strategy from Japanがある。

筑波大学 第三学群 工学システム学類 学士(工学) First Class (イングランド基準。70%以上がA評価)

Coventry University大学院 Control Theory and Applications Centre, Master of Philosophy (Upper Master, Research Degree)。飛び級入学。返済義務無し奨学金付き。

主な受賞にアレスエレクトロニカ展Honory mention、経済産業大臣賞、文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品など。

詳細なプロフィールはこちら:https://www.khj1977.net/profile/

以上

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