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ブリティッシュパブで一人飲み 隣のテーブルの会話から感じたこと

先日都内で飲み会があり、集合時間まである程度時間が空いていた為、会場近くのブリティッシュパブで一人飲みという名のゼロ次会を敢行した。

このお店には一人で行くことが多い。カフェでコーヒーを飲む気分でジントニックのグラスを持ち上げる。

一人飲みをしていると周りの会話が耳に入りやすく、その内容が愚痴などのネガティブなものである場合、自分のメンタルにあまり良い影響を与えない。その為、音楽を聞きながらお酒を嗜もうと考えた。しかし、この時はスマートフォンの電池残量が少なく、今回はその作戦を断念。仕方ないので、回りの会話もBGM感覚で楽しむことにした。

隣のテーブルには30代くらいの男性3名が座っていた。(A、B、Cさんとする)

AさんBさんが会話の中心であり、ガンガントークを進める姿勢。話の内容も政治や経済情勢を踏まえた感じの内容。ぱっと見では分からなかったが、お二人はテストステロン値が高そうだなというイメージを持った。Cさんはおとなしめで優しそうな感じの人。服装の雰囲気は大学理工学部生のそれ。三人の関係性はわからない。学生時代の友人だろうか。

グループで集まり何か談笑をする際、自分が会話の中になかなか入り込めず浮いてしまった経験は無いだろうか。自分はそのような経験はちょくちょくある。隣のテーブルではまさにCさんがその状況になっている様に伺えた。

一緒にいる人や話題によっては、自分もAさんBさんのような立ち位置になることもあるが、グループで少し浮き気味になってしまった時のあの何とも言えない居心地の悪さだったり、気まずさの印象が心に強く残っている為、勝手にCさんに感情移入してしまった。勿論これは私の主観で感じたことであり、Cさんがその場を心から楽しんでいた可能性が十分にあることは記しておきたい。

※以下、話の内容は一部脚色する。

ふと、Bさんが飲み屋で知り合った女性から今夜予定が空いたと連絡があったことを報告した。

今の状況を見るに女性側にあと2名友人を呼んでもらい、3対3のコンパに持っていくのが自然な流れだろう。

頭の回転が早そうなAさんは、ここで意外な提案をする。

「女性がプラス2名を今から集めるのはハードルが高いだろう。2対2の設定にしてはどうだ。」

本気でそのつもりなら男性陣から一人を外すということになる。もしそうなれば抜けるのはCさんであることは明確だった。

すかさずBさんは「それって俺らの中から一人抜けるってこと?」と質問する。

それに対しAさんは「いやこちらは後からプラス1人増えたという体で会場に行けばよい」と返す。

なるほど、それなら男性陣に犠牲を出さず、単純にコンパの実現性を高めることが出来そうだ。しかし、それが実現すればCさんが浮いてしまい実質2対2のコンパになってしまいそうだ。もし自分がCさんならその構図が容易に想像出来てしまう為、自らコンパに参加しないことを表明してパブを後にするだろう。

私は待ち合わせの時間が迫っていたためパブを出た。その為、その後3人がどうなったかはわからない。コンパは開催されなかったかも知れない。


この一連の会話を聞き、自分の学生時代から社会人になったばかりの頃を思い出した。当時の私は、人と遊ぶ際に楽しさや心地よさ、相手との相性というものを軽視することがあった。カースト上位ランカーにいそうな人や、いわゆる陽キャと呼ばれるような人達と触れ合うことに何かステータスのような物を感じていたのだ。

また極度に人から嫌われることを恐れているところがあった。それも相まって、遊びに誘われればとりあえず行くという姿勢を持っていた。

当然すべての友人関係がそのようなものではなく、本当に居心地の良さを感じる友人との交流も大事にしていた。

相性や心地よさを軽視した集いは、当然のように居心地の悪さや気まずさを感じた。割と誰とでも仲良くなれるという自負はあったため、その感情を認めたくない自分が居て、当時は随分苦悩したことを覚えている。大事にしなければならない人間関係の本質のようなものを、自分の心が心地悪さという形で警告してくれていたと思う。

25、26歳になって、ようやく気乗りしない遊びには「NO」と言えるようになってきた。当時悩むことがなかったら今でも誘いには乗り続けていたかもしれない。

自分にとっての良質な人間関係について良く考え、意識して生活していこうと改めて感じることが出来た。良質な人間関係が幸福な人生に必要であるというのはほぼ間違いないらしい。そうであれば休日基本ボッチな私はこれから改善の余地が十分にあるということだ。幸福の伸び代が残っているという希望がある。

今回自分の成長を気づかせてくださった3名には感謝したい。

また、一人飲み行きたいな。


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