読んだ内容を効率よく記憶する方法

前回の記事では、私が試行錯誤の末に確立して今も実践を続けている「一部精読法」という読書法について書きました。

この一部精読法の効能ですが、正直自分でも大変驚いています。
この読書法を開始してから数週間くらいで、何となく自分が変わり始めているのを感じ、3ヶ月後くらいには明らかに自分の脳神経回路網に何らかの良い変化が起きたのではないかということを実感しました。

一部精読法の記事にも書きましたが、具体的には完璧主義傾向のかなり強い性格がほどよく調整され、実生活における様々な場面において神経質になりすぎず、一方で押さえるべき所はしっかり押さえ、判断の適格性が増し、物事が上手く回り始めました。

他者からの客観的な評価においてもその変化は顕著に現れており、一部精読法を始めてから仕事においてリーダーポジションを任されることが多くなり、実際に昇進、昇給も果たすことができています。

このように今まで試してきたどんな自己啓発法よりも頭3つ分くらい飛びぬけた成果を残すことができているため、速読に関する悩みや不満を感じている人には是非試してみてほしい方法です。
ただし、一部精読法はあくまで完璧主義傾向の性格改善や効率の良い情報収集に役立つ方法であり、情報を意識的に記憶しなければならない場合は、また別の方法を実践する必要があります。
今回は、本や様々な資料で読んだ内容を効率よく記憶する方法について、私が考案して実践している内容を紹介したいと思います。

記憶の種類

記憶法について具体的に書く前に、ここでは私が独自に定義した記憶の種類について述べたいと思います。
それはたった2つの分類であり、「強い記憶」と「弱い記憶」です。

「強い記憶」とはどのようなものかと言うと、ズバリ試験に合格するために必要な類の記憶です。
その特徴を簡単に言うと、ある程度鮮明に内容を覚えている必要がある記憶ということになりますが、これは更に記憶心理学的には「再認」と「再生」の2つに分類されるようです。

「再認」は、例えば選択肢4つの中から正しいものを選ばせる試験問題などのように、書かれている文章が正しいか間違っているかを判断できる程度の記憶があればよいものになります。
一方「再生」は記述式・論述式試験で問われる「○○文字以内で説明しなさい」といった問題の様に、正確に内容を覚えていて頭の中から知識を引き出す力が求められるものになります。

次に「弱い記憶」ですが、これは試験などの特殊な状況で求められる「強い記憶」ほど鮮明ではないものの、仕事などの日常生活の場面で特に必要とされる記憶であると、私は定義しています。

例えば仕事の会議において、議論に必要な内容は都度資料を参照すればよいので、特に明確に内容を覚えておく必要はありません。
しかし、そもそも資料のどの辺りに必要な内容が書かれていたかすら完全に忘れてしまっていては、議論が立ち行かなくなります。
つまり、どこを見れば詳細な内容が書いてあるか、程度の記憶は最低限必要になります。

また、世の中に存在する勉強しなければいけない全ての概念は、ある事柄を理解するためにはその前提となる別の知識が必要となります。
その前提知識は必要であれば都度参考文献を参照すればよいものの、そもそも一度勉強したこと自体が完全に頭から吹っ飛んでしまっては、永遠に新しい概念を学習し知識を積み上げていくことはできません。
つまり、勉強という行為を続けていくために、以前学習した内容を最低限かすかな記憶として脳に蓄積していく必要があり、そのような曖昧であるが必要不可欠な記憶をズバリ「弱い記憶」と私は定義しています。

ここで「強い記憶」と「弱い記憶」、日常生活で圧倒的に必要性が高いのはどちらかというと、改めて言うまでもなく「弱い記憶」の方だと思います。
IT技術が発達し、膨大な情報をPCやネット上に蓄積して必要な時は簡単に検索して引き出すことができる現代社会においては、頭の中に知識を正確に記憶しておく「強い記憶」よりも、「確かあそこに書いてあったよな」、「そう言えば○○という言葉の概念があったよな」という、記憶事項そのものではなくそれにアクセスするためのリンク的要素のものを「弱い記憶」として頭に留めておくことが、より重要であります。

しかし、次の節で詳細を語っていきたいと思いますが、世の中に出回っている記憶法の多くは試験で必要とされる「強い記憶」をいかに強固に形成するかにフォーカスされており、多くの人々のニーズとアンマッチが甚だしいことから、全く実用的ではないものなってしまっているのではないかと思います。

なぜ一般的な記憶法は使えないのか?

前節でその理由は、必要性の高い「弱い記憶」ではなく試験などの特殊ケースで要求される「強い記憶」にフォーカスしているからと総論を述べましたが、現在世の中に出回っている記憶法を一つ一つピックアップしながら、各論的にいかにそれらが役に立たない代物であるか説明したいと思います。

まず記憶術として一般的なのは、イメージを使って記憶する方法です。
人間は場所の記憶を強固に覚えているという脳の特性から、記憶事項を場所と紐づけてイメージして覚えたり、歴史年号や英単語から語呂合わせを作って、その語呂の場面のイメージと共に記憶するといった方法が、様々な記憶術のノウハウとして紹介されています。

まずこれらの方法ですが、確かに簡単に実践できれば非常に強力な方法です。
しかし、現実にはイメージの土台となる場所を事前に自分の記憶の中に用意したり、記憶したい事項からわざわざ追加で語呂を作りだしたりと、かなり面倒な作業を強いられることになります。
今まで様々な記事で書いてきたように、私は極度の面倒くさがりであり、このような優等生のみ実践可能な難しい記憶術は、実行しようとしただけで全身に蕁麻疹が出て、強烈な拒絶反応を起こします(笑)。
しかし、このような方法が広く世に普及していない現状を考えると、決して私だけが特殊なのではなく、世の多くの人が感じていることと私の感覚に大きな乖離は無いと考えても、おそらく問題ないでしょう。

次に世の中に出回っている記憶法としては、エビングハウス忘却曲線の特徴を利用し、適度に復習しながら記憶していくという方法があります。
人間は情報を見た直後から急速に忘却していきますが、例えば1日後、1週間後、1ヶ月後のタイミングで復習することで、記憶に留める割合を高めることができるという理屈です。

これは一見科学的で理に適った方法として注目を集めるようですが、実際にこのようなタイミング管理の難しい復習法を、果たして独学においてどこまで効果的に実践できるのか?というと甚だ疑問です。
イメージ記憶術と同様に、このようなきめ細かい面倒な管理で勉強を続けることができる人は、世の中に果たしてどれほど存在するでしょうか?
また、これも「強い記憶」が必要な試験勉強に特化した方法であり、「弱い記憶」で十分な勉強をする上で最適な方法論であるとは到底思えません。

次に述べるのは、前述の時間を置いて反復する方法とは少し違い、短い期間で間髪を入れず何度も繰り返し読んで記憶を強化する方法です。
これは例えば山口真由氏の7回読み勉強法などが有名であり、次のような書籍が参考になります。

これは単に多くの回数で繰り返し読めばよい方法なので、イメージ記憶術や復習タイミングの管理に比べたら、かなりゴリ押し感があり、手法としては一見簡単に見えます。
しかし、実際にやってみるとわかりますが、7回も繰り返し読むのはかなり膨大な時間がかかってしまい、非常に非効率であり、かつこれも精神的にタフで根気がある勉強好き優等生でなければ続けられません。
また、これもやはり試験勉強などを想定した「強い記憶」にフォーカスした方法であり、圧倒的に必要な場面の多い「弱い記憶」を対象としたものではないことは明らかでしょう。

「弱い記憶」を高速で形成する3つの読み方

前節で述べた通り、一般的に世の中に出回っている記憶術は「強い記憶」の形成にフォーカスしたものであり、また一部の天才しか実践できない特殊な方法であることから、広く世の中に普及していないという私なりの考察を書きました。
では、「弱い記憶」を簡単に効率よく形成する方法は何か?という視点で、ここから私が考案した手法を解説していきたいと思います。

その基本コンセプトは前節の反復学習法や7回読み勉強法からヒントを得ていますが、何も7回も読まなくてもよいから同じ個所を数回繰り返し読みながらテキストを読み進めていけばよいのではないか?という発想から思いついた方法です。

ここでは、最近興味を持って読んでいる次の書籍を例に、どのように読んでいけば「弱い記憶」を効率よく形成できるか説明していきたいと思います。

まず、読もうとしている文章をどの単位で細かく分割して読んでいけばよいか、戦略を考えます。
これは「一部精読法」の記事でも書いてますが、読もうとする文章の最小単位を「ユニット」と定義し、この単位で文章を読んでいくことになります。
通常は1つの小見出しの範囲を1ユニットとする方法を私はよく採用しますが、各文章の特徴をよく見て、適切な長さとなる1ユニットを考えます。

今回説明の例に使っている「あたらしい脳科学と人工知能の教科書」では、目次に書いてある小見出し1つ分の文章がだいたい1ページ分くらいの長さであり、集中力を切らさずに読めるちょうど良い文量なので、1つの小見出しの範囲を1ユニットとしています。
一部精読法では自分の興味を持ったユニットから順に普通に読んでいき、効率よく情報収集していきますが、「弱い記憶」を形成する目的の勉強では基本的に最初のページから順番に読んでいきます。
ただし、いきなり読みはじめる前に、まずは一部精読法でも紹介した通り全てのページをパラパラめくって見る「写真読み」を実施しておくとよいでしょう。

「写真読み」に続いて、ここから「弱い記憶」を形成する読み方を具体的に述べていきます。
まず「あたらしい脳科学と人工知能の教科書」の「Chapter1 脳科学と人工知能の概要」では「1.1 脳の概要」という見出しがあり短い本文が続いた後、更に深い階層として「1.1.1 脳とは?」、「1.1.2 脳の驚異」と小見出しが続いていきます。
最初に「1.1 脳の概要」の本文を読みますが、1回目は内容を理解しようとせず、ただ文章を視線でなぞる感じで読みます。
これは速読の読み方であり、こちらの記事で詳細を記載しています。

内容を理解しようと意識せず、ただ見るだけなので意味が頭に入ってこなくても構いません。
これは次のステップで内容を詳細に理解するための前準備、ウォーミングアップ的な位置づけになります。

1回目の速読が終わったら、次は2回目の読みで今度は内容を100%理解することを目的として精読を行います。
この時できるだけ内容を頭の中に図でイメージするような心持で読むと記憶に残りやすくなりますが、無理に頑張らず出来る範囲でイメージ化をします。

2回目の精読では100%の理解を目指しますが、難しい内容の概念では100%に到達できないかもしれません。
この場合、読んでいる本のレベルが自分に合っているか確認し、より基礎的なテキストが存在する場合は、いったん読むのをやめて、基礎テキストから勉強してみるのもよいでしょう。
そのような最適な本が存在しない場合は、今到達できる範囲の理解度でいったん満足し、次に進みます。

2回目の精読の後、3回目は再び1回目と同じ速読の読み方、つまり内容を理解しようと意識せずに再度同じユニットを読みます。
ここで、1回目の速読では内容が全く理解できなくても、3回目の速読では直前の2回目の精読で頭に入れた内容が頭から引き出されて脳内で再生され、何となく意味が理解できるという現象が発生します。
完璧に再生されなくても、1回目よりも何となく理解できているという感覚が持てれば十分です。
これで1つのユニットを読み終わったら、続けて次のユニットも1回目の速読、2回目の精読、3回目の再速読という感じで3回ずつ読みながら進めていきます。

以上が「弱い記憶」を作る読み方になりますが、なぜこのような読み方で記憶が強化されるのか、その原理を私なりに考察した内容を述べたいと思います。
まず脳は繰り返し入力される情報を重要と認識するので、反復学習は脳に「記憶しろ」というシグナルを送っていることになり、3回反復して読むことが記憶に良い影響を及ぼすことは言うまでもありません。
ここで重要なキーワードは「反復」となります。

また、2回目の精読は気合を入れて読みますが、その前後の1回目と3回目の速読は内容を理解しようと頑張らないため、脳への負担が少なくなり、つまり読書中の小休止の効果があります。
常にフルパワーで読書をすると脳の疲労により集中力が低下し、これが記憶量の減少にもつながります。
そうかと言って、疲れたらすぐに読書を中断して休んでしまうと、また再開するのにかなりのパワーを使うことになり効率の良い読書を実現することはできません。
読書中のよいリズムを中断することなく、かつ休憩するのと同じ効果があるのが、この3回読みの方法となります。
ここで重要なキーワードは「休憩」です。

更に速読、精読、再速読と読み方を変えて3回読むことは、単調なリズムではなく変化をつけて読書することになります。
脳は単調な作業が苦手であり、疲労と同様にこれも集中力、記憶力の低下要因となりますが、リズムに変化をつけてこれを回避する効果が上記の読み方にはあります。
重要なキーワードは「変化」です。

この読み方において、2回目の精読が脳のパワーをフルに使ったアクセル全開の状態だとすると、1回目と3回目の速読は小休止の状態ですがエンジンを完全に止めてしまったわけではないので、アイドリング状態に相当します。
そこで、この3回読みの方法を私は「アイドリング法」と名付けています。

基本的に「弱い記憶」を形成して効率よく勉強を進めたり他者と内容について議論できる程度になりたい場合は、文章をこの「アイドリング法」で読んでいけばよいですが、これの変化形として「ローテーション法」という方法も場合によっては併用しています。
やり方は「アイドリング法」と同様にユニット単位で速読、精読、再速読の3回読みを行う所までは一緒ですが、最初のページから順番に読んでいく「アイドリング法」とは違い、「ローテーション法」は例えば1章の最初のユニットを読んだら、次は2章の最初のユニット、その次は3章の最初のユニットと読み最後の章まで行ったら、また1章に戻って2つ目のユニットを読むという様にローテーション的に読んでいくことになります。

例えば数学の本などは、最初のページから順番通りに読んで概念を階層構造的に積み上げていかないと先が理解できないので素直に「アイドリング法」で読みますが、英単語の本などはどの単語から学習しても問題無いため、この「ローテーション法」で読んだりしています。
この読み方も、ベースには「アイドリング法」があり、更に順不同で変化をつけながら読んでいくため、「弱い記憶」の形成に効果的な「反復」、「休憩」、「変化」の3条件がそろっています。

ここまで2つの読み方を紹介してきましたが、最後の3つ目は「ジャンプバック法」という読み方で、会社で強制的に受講させられるEラーニング教材のように自主的に勉強したい内容ではないものの、やらなければならないため、どうせやるなら少しでも記憶に残る読み方をしようという場合に使います。

「ジャンプバック法」の具体的な内容ですが、例えば会社のEラーニング教材を例にすると、最初は1ページ目を飛ばして2ページ目から読みます。
その後1ページ目に戻って読み、つづいて3ページ目を飛ばして4ページ目を読み、その後3ページ目に戻って読む、という感じでジャンプして読んでは1つ前のユニットにバックするというように読んでいきます。

この読み方の何がよいかと言うと、強制的に勉強させられる内容を最初のページから順次読んでいくと、どうしても単調になり集中力が低下して内容があまり頭に残らない状態になってしまいます。
しかし、ジャンプ、バック、ジャンプ、バックと変化をつけていく読んでいくことで集中力の低下を防ぐと同時に、一時的に間のページを飛ばして読むことで不明な箇所が出てきて、それが心の中に疑問を呈する形となり、すぐ後でバックしたページに不明点を解消する内容が記載されていることから納得感が増し、記憶への良い効果が得られます。

この方法は記憶を定着させる3要素の内「反復」は該当しませんが、他の2要素を含みます。
最初のページから順番にスムーズに読んでいくよりも、変則的なジャンプ・バックを行う方が「変化」を起こすことができます。
また、ジャンプとバックという少し手間がかかる行為が脳に対する「休憩」の効果を生み出し、単純に最初から順序よく読んでいくよりも記憶の定着量が増えると考えています。

この節の最後に、「一部精読法」と同様に読書記録の重要性について述べたいと思います。
3つの読み方の内、「ローテーション法」と「ジャンプバック法」は順不同で読んでいくため、既に読んだ箇所とまだ未読の箇所を区別するために読書記録は必須となります。
Excelにユニットのタイトルまたはページ番号(ユニットがページ単位の場合)を書き、読み終わったユニットには読了日を記載していくとよいでしょう。

アイドリング法は最初のページから順番に読んでいくため、読書記録は必ずしも必要ではありませんが、電子媒体で読書する場合は読書記録をつけるとよいでしょう。
私は現在趣味で小学校から大学までの数学を学び直していますが、これは電子書籍ではなく内容が分かりやすい紙の本を購入し、トイレに行く時などの隙間時間に少しずつアイドリング法で読み進めています。
中断したい場合はページの角を折っておき、再開する時は角を折ったページからまた読みますが、最初のページから順番に読んでいくため、このような場合は特に読書記録は残しません。

具体的な効能

以上紹介してきた「弱い記憶」を形成するための効果的な読み方ですが、実際この方法で文章を読むことでどんな目に見える効能があるのか、最近あった事例で簡単に紹介したいと思います。

最近会社で新しいプロジェクトが始まり、最初に関係者がパワーポイントの150スライドくらいに相当する資料を事前に読んで、その内容について後日ディスカッションする機会がありました。
私はこのスライドを最初のページから順に「アイドリング」法で読み込み、ディスカッションに参加しました。

その結果ですが、資料を読み込む時間は人によってまちまちなため、中には十分な時間がとれない人もいたと思いますが、そのディスカッションはほぼ私の独壇場のような雰囲気で、一番多く私が話して意見を言っていました。
当然速読、精読、再速読で3回読み「弱い記憶」を形成しただけなので、内容を隅々まで正確に覚えていたわけではありませんが、「確かあの件は資料の中盤あたりに書いてあったはず」といった「弱い記憶」が大量に脳内に形成されていたこともあり、活発に意見が言えたのだと思います。

「強い記憶」を形成する最も効率のよい方法

以上紹介してきた「アイドリング法」、「ローテーション法」、「ジャンプバック法」の3つの読み方を組み合わせて勉強することで、実生活において以下のような恩恵を受けることができます。

・数学などの難しい概念の専門書も快適に読み進められる
・短期間で仕事関連の資料の内容を記憶し活発に議論できるようになる
・強制的にやらされる勉強も有意義な時間になる。

本来多くの人にとってニーズがあるのは「弱い記憶」を効率よく形成するためのノウハウなのですが、この辺りの分析が的確にできていないためか、世の多くの記憶術、記憶ノウハウ本は試験勉強のための「強い記憶」を形成する難解な方法論を一生懸命述べているだけです。
学生ならいざ知らず、社会人の最も大きなニーズを満たすことのない空虚で苦痛な方法論を大量にまき散らされても、多くの人にとって何の得もありません。

ただし、社会人も資格試験を受ける場合など、稀に「強い記憶」が必要となる場面はあります。
ここでは「強い記憶」を獲得するために、私が考える最もよい方法論について述べたいと思います。

いきなり結論ですが、「強い記憶」を形成するには、求められるアウトプットの形で練習を繰り返すのが一番です。
資格試験勉強であれば、過去問など実際に試験で問われる形式で問題演習をするのが最も効率的です。
少し長めのスピーチをするのであれば、原稿を用意し、実際にそれを見ずに話す練習をすればよいだけです。

これらの求められるアウトプットにおいて、確かにイメージ記憶術や反復学習法、7回読み勉強法などは、元々優秀な頭脳の持ち主やコツコツ実践することに抵抗が無い優等生にとっては、「強い記憶」の形成に役立つでしょう。
しかし、私のようにズボラで常に楽な方法を志向する怠け者には、年に数回しか無い「強い記憶」を求められる場面のためだけに、これらの苦行をする気にはなりません。

試験勉強においては、単に問題演習を行い、間違えた問題は正解するまで繰り返し解くだけで十分です。
また、最初からいきない問題を解くよりも、まずは教科書を「アイドリング法」や「ローテーション法」で全て読み「弱い記憶」を素早く形成してから、問題演習で「強い記憶」を確立して仕上げるのが最適な記憶法と言えるかと思います。

まとめ

最後に簡単なまとめです。

・記憶には「強い記憶」と「弱い記憶」がある。
・社会人にとって必要な割合が圧倒的に多いのは「弱い記憶」。
・世の中に広まっている一般的な記憶法は、「強い記憶」を作るための難解な方法であり、実用性に乏しい。
・「アイドリング法」、「ローテーション法」、「ジャンプバック法」の3つの文章の読み方が、「弱い記憶」の形成に効果大。
・読書記録は、「アイドリング法」は任意で他の2つの読み方は必須。
・資格試験の勉強などは、「アイドリング法」、「ローテーション法」で試験範囲全体の「弱い記憶」を素早く形成した後、問題演習で「強い記憶」を作るのが最も効果的と考える。

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