とっぺ

自然と野生を愛するライター&フォトグラファーな「記人pen人」。スポーツ、旅行・アウト…

とっぺ

自然と野生を愛するライター&フォトグラファーな「記人pen人」。スポーツ、旅行・アウトドア、ナショジオ、J・ロリンズがお気に入り。「おとうちゃん」が言えない子どもから「とっぺ」と呼ばれています。気ままに投稿します。皆さんの興味・関心をくすぐることができたらうれしいです。

最近の記事

【旅日記】全国あちこち港めぐり1

《プロローグ》 港には物語がある。 あるとき、魚網を無造作に積み上げた鉄筋民家の前で薄茶色のネコと出会った。ぼくと視線が合った彼は、ついて来いよというように「ミャア」と鳴き、先に立って歩き始めた。 言われた通りについていくと潮の香りが強くなり、やがて小さな漁港へ出た。「ミャ」。ぼくを自分の縄張りへ連れてきたことに満足したのか、彼は一段高い堤防を乗り越え、消波ブロックの隙間に姿を消した。 思想に右左、裁判に白黒、戦に勝敗があるように、海派か山派かで勢力が二分するように思う

【旅日記】全国あちこち港めぐり1

    【旅】ミャンマーそろり旅5(最終回)/僧院の小坊主たち

    ヤンゴン郊外の高級住宅開発地の真ん中に、時代に取り残されるようにして、「キャンゲン・マンクス・エデュケーション・センター」が色あせて建っていた。経済的理由などで、公的な学校で教育を受けられない子どもたちを受け入れている。 近隣から通ってくる子どももいるが、ミャンマー各地の村々からはるばるやってくる子も多く、大半は少年見習僧として共同生活を営み、エンジ色の法衣姿、くりくりの頭をしている。 センターの一日は早朝の托鉢から始まる。 指導者に促されて、町中を練り歩く。 仏教に対す

    【旅】ミャンマーそろり旅5(最終回)/僧院の小坊主たち

    【旅】ミャンマーそろり旅4/戦いが終わる町

    アジアを歩くと、ときに秩序の無さが快適だったりする。 ヤンゴンもそんな町だった。 車が猛然と走る幹線道路には信号などなく、 人々は車の流れの何手も先を読んで、アクロバティックに横断する。 高層のビルやアパートがひしめく中心地に入ると、 今度は車のクラクションの応酬が始まる。 しかしそれも殺気立ったものではなく、日常のあいさつのような響きだ。 部屋の窓からは円いアンテナが規則正しく空を見上げている。 このような町には熱帯ジャングルにも似た冒険が詰まっているから、 歩くのを

    【旅】ミャンマーそろり旅4/戦いが終わる町

    【旅】ミャンマーそろり旅3/ヤンゴン環状線

    ヤンゴンとマンダレー間を飛行機で移動した。楽ちんだった。 深夜のタクシーをつかまえた。ボロ車のドアはちゃんと閉まらなかった。 トラックの荷台を改造したバスに飛び乗った。がたぴし揺れた。 小さな村を馬車で駆けた。赤ちゃんとお母さんが一緒だった。 交差点で客引きする自転車サイカーと運賃交渉した。三人乗りも可能だ。 次は何に乗ろうか。 軍事政権の潜水艦はさすがに無理だろうと思い、 ヤンゴン鉄道の環状線に乗ってみることにした。 約3時間かけて、ヤンゴンを南北縦長に1周するという

    【旅】ミャンマーそろり旅3/ヤンゴン環状線

    【旅】ミャンマーそろり旅2/湖に彩られたくらし

    シャン高原に水をたたえるインレー湖では住居や田畑、 仏閣寺院も湖上にある。だから一家に一艘、ボートは必需品。 どの家庭も高床式の居住スペースの下にボートを係留している。 湖畔の町ニァゥンシュエからボートに乗り込み、湖を目指した。 湖に通ずる運河沿いに建ち並ぶ住居の庭先で、 お母さんたちは泡まみれの洗濯物をパシパシとたたき、 子ども集団は運河にダイブしている。 こんなシーンは、ここでしか通用しない。 「ちょっと遊んでくる」 日本の少年はそう言って自転車で出かけるが、 イン

    【旅】ミャンマーそろり旅2/湖に彩られたくらし

    【旅】ミャンマーそろり旅1/ウー・ベイン橋は音で誘う

    ミャンマーのお話を始めます。 クジラのあばら骨をつなげたように長く続く橋杭。 頭に荷物を乗せた女性が橋の上をゆっくり歩き、橋の下では家族が語らう。 そんなガイドブックの一枚の写真が、橋へといざなってくれた。 ミャンマー第二の都市マンダレーからバスで南へ40分ほど行くと、 アマラプラという町に着く。集落の不規則な路地の向こうは、 鏡のように滑らかなタウンタマン湖の広がり。 この湖に架かる全長1200mの橋が、ウー・ベイン橋だ。 橋を支えるのは1086本のチークの柱。南隣の

    【旅】ミャンマーそろり旅1/ウー・ベイン橋は音で誘う

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    奈良の鹿2(秋~冬)

    奈良の鹿2(秋~冬)

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    【旅】ちょっとだけベトナム(6)【最終回】

    今回のベトナム旅行にあたり、事前に、 開高健さんの『輝ける闇』を再読した。 開高さんが書いた情景は、ハノイをかすっただけの旅では 感じることはできず、あるいは、もうどこにもないのかもしれない。 かつてぼくはタイ、マレーシア、ビルマを複雑に歩いた時期があった。 記録に残るような深さはないけれど、 しっかりと自分の脚で歩いた旅だった。 そのころを筋肉と神経が思い出し、ベトナムにも漂うアジアの温度に慣れてきたのは、ハノイのバイク来襲道路を何度か横断してからのことだった。 現地

    【旅】ちょっとだけベトナム(6)【最終回】

    【旅】ちょっとだけベトナム(5)

    ベトナム旅でお世話になった、ガイドのトンさんによる ベトナム雑学を、ここに開陳します。 ウラは取っていないので、怪しい情報があってもあしからず。 「ハノイは人口800万人です。バイクは700万台あります、みなさま」 「ベトナムのお給料はだいたい3万円から4万円くらい。 自動車はトヨタで500万円くらい。関税が高いです、みなさま」 「私は日本に行ったことないです。11月に初めて行きます。 政治家の子息たちの新婚買い物ツアーです。 炊飯器は1人3台は買います。お小遣いは1人

    【旅】ちょっとだけベトナム(5)

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    奈良の鹿1

    奈良の鹿1

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    【旅】ちょっとだけベトナム(4)

    ハロン湾のクルーズには、 最短3時間コースから最長1泊2日コースまであるという。 ガイドのトンさんは「わたし個人おすすめさせていただきたいのは、 6時間クルーズでございます、みなさま」と言った。 ぼくたちのクルーズは3時間コースで、 いまさら6時間コースに変更できるわけではない、というのに。 船は正午に出航。すぐに小型船が3隻寄ってきて、 魚介類買わんかね、フルーツはいらんかね、はいお買い上げおおきに、 と商売してさっさと去っていった。 木造船は2階建てで、1階がレス

    【旅】ちょっとだけベトナム(4)

    【旅】ちょっとだけベトナム(3)

    ベトナム2日目はハノイ滞在の定番、 ハロン湾をクルーズしようというメニューが組まれていた。 ハノイからハロン湾のクルーズ船乗り場まで片道4時間かかるという。 これを長いと思うか、退屈と感じるか、 異国の風景を道中観覧できるではないかと喜ぶか。 ぼくは3番目。愛用の一眼レフをスタンバイして、バスに乗り込んだ。 さまざまな場面や人が車窓を流れていったが、 ふむ、と感じたのは、道端露店。 長時間運転のドライバーやライダーを癒す屋台型のマッサージ店、花、果物、散髪。ヘルメットや革

    【旅】ちょっとだけベトナム(3)

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    【視界涼感】水辺のいきもの光景

    【視界涼感】水辺のいきもの光景

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