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変化を受け入れ、新たな創造へ。フィンドホーン・コミュニティの今。

フィンドホーン財団のリストラについて
イギリスの新聞Timesの日曜版に掲載された記事があります。


英国の保守派の新聞であるタイムズによる、フィンドホーン・コミュニティへの好意的な記事は、社会もまたフィンドホーンのこれまでの実験に価値を認め、そしてこれからの歩みが世界の危機を生き抜いていく希望にも繋がると伝えてくれていると私は受け取りました✨✨

答えを見つけることを先走るのではなく、何か深いところでうごめいている『未来の種』の響きを感じ、それを形にしていくために、今やれることを希望を持ってやっていく。

その先に見えてくるコミュニティと世界の未来にオープンに関わってゆきたいと思います。

そして、それが『フィンドホーン』が実践してきた、実験なのだと思います。

この、フィンドホーンの実験は続きますし、是非この実験に響く方はそれぞれの場所から共に参加してゆきましょう✨✨

以下、記事の翻訳です。

(タイトル)
モーレイ郡のエコビレッジのパイオニア、フィンドホーンがなくなる?
そこに住む人々の意思があれば、
そうではないだろう。

(サブタイトル)
自由な発想を持つこのコミュニティの教育財団は、50年以上の歴史を経て
閉鎖の危機に直面しているが、そこに棲む人たちは明るい気持ちを保っている。

アッシュ・バルダーソンのキラキラしたスマホケースの裏には、「Expect A Miracle 〜奇跡を期待して〜」と印刷された白いカードが貼られている。

フィンドホーン・エコビレッジのコミュニティ・ガーデンで10年以上フォーカライザーとして働いてきたボルダーソンにとって、その『奇跡』はすぐには訪れない。

先週、フィンドホーン財団は、「財政的にもはや存続不可能」となり、1960年代から始まった実験的な場で提供してきたスピリチュアルなコースや体験週間などの運営を中止すると発表した。資産(土地と思われる)は売却され、60人のスタッフのうち50人が余剰人員となる。

(注: ここは事実と異なる部分。スタッフのリストラと資産の売却についてはどこまで実行されるかは、慎重に進められている。)

野生のフェンネルとジギタリスに縁取られた、アッシュが世話をしている花畑に立つと、彼女は嵐の到来を諦めているようだ。

奇跡というのは、『誰かが宝くじに当たって、財政状況がすべて解決した』というような大きなものである必要はないのです」と彼女は言う。

「奇跡はほんの小さなことなのです。庭師が2人か3人残ることができ、誰かが『庭の手入れをする費用を払う』と言ってくれるかもしれない。

「これは、執着やあるべき姿を手放し、ただ目の前にあるものを受け入れ、そこに喜びを見出す訓練なのです」。

インヴァネスの東31マイル、砂浜に囲まれたモレー海岸にあるフィンドホーン・エコヴィレッジ(住民にはパークと呼ばれている)には、1962年以来、自由な思想家たちが集まっている。

彼らは、ニューエイジ哲学とスピリチュアルな実践に興味を持ち、持続可能な生活と自然との調和に基づいたコミュニティを立ち上げようとする志を同じくする人たちは内なる呼びかけに従い、そもそもそこで新たな在り方を実践し暮らしていた、創設者と呼ばれるアイリーン・キャディとピーター・キャディ、そして彼らの友人であるドロシー・マクリーンと合流した。

砂地のガーデンには重さ40ポンドのキャベツが育つと噂されていた。

その後10年経ち、フィンドホーン財団が設立された。その目的は、風力タービンを動力源とする自給自足型のエコビレッジを建設するという、当時としては急進的なものだった。

初期に建てられた家の多くは、ウイスキー樽を含むリサイクル材料で建てられ、屋根にはソーラーパネルが取り付けられている。

2006年の調査では、住民のカーボンフットプリントは先進国のどのコミュニティよりも低く、英国平均の約半分であることが示唆された。

より多くの事業が生まれ、自立するにつれ、財団は最終的にパークから分離した。

現在は、自己開発、パーマカルチャー、マインドフルネスのコースの運営に重点を置いており、今後数ヶ月のうちに、まだ公表されていない「資産」とともに閉鎖される予定だ。

今、財団が所有する公園の一部をコミュニティが買い取ることも検討されている。

債務超過の引き金となった要因はいくつかある。まず、Brexitによって、スタッフや住民の多くが外国人であるというビザの問題が生じた。

そして2021年、元従業員による壊滅的な放火が40万ポンドの損害をもたらし、コミュニティホールとメインサンクチュアリーが取り壊された。

パンデミックは、財団の収入を生み出す滞在型プログラムの中止の引き金にもなった。Zoomへの移行は、決して実行可能な選択肢ではなかった。

「私たちがやっていることの多くは体験的なものです。」財団の最高責任者であるテリー・ギルビーは言う。「そして、あなたはここにいる必要があるのです。」

とはいえ、物理的に存在するということは、それなりの問題を引き起こす可能性がある。二酸化炭素排出量への警戒が厳しさを増す中、多くの環境保護主義者は、遠く離れた場所まで飛行機で行くことに躊躇している(パークを訪れる人の72%は海外からだと考えられている。)

ここを訪れる人たちは、老朽化したインフラに阻まれ、改修が必要な建物を目にするかもしれない。

ギルビーは抜本的な近代化が必要であることを認識していて、2024年に財団が新しい運営モデルで再形成されるという構想をもつ。

それまでは、パークが影響を受けないことを期待する。

鬱陶しい8月の午後、ムーンシャイン、ビッグスカイ、サンライズと名付けられた六角形の木造家屋が、スコッツパインの林の目隠しよって道路から遮られている。絞り染めのTシャツに裸足の子供たちが自由に歩き回っている。薪の煙とバラの匂いが風に乗って漂っている。

背の高い木々が生い茂るユニバーサル・ホールでは、その夜、ヨット「ニノグ号」で到着した楽器奏者のヤン・ティアセンが、持続可能なツアーについてのレクチャーを行うため、スタッフが準備をしている。

コミュニティ・ガーデンの向かいにあるフェニックス・コミュニティ・ショップには、好奇心旺盛な観光客が出入りする。スコットランド中部から旅行に来ていたある男性は、食料品の入った袋を持って出てきた後、飼い犬のリードを解いた。

「犬を盗む人の話を聞くから、家では絶対にやらないけど、ここでは完全に安全だと信じている」と彼は言う。

近くに停まっているのは、センターのバンだ。その錆びた合金は、財政的な苦境を暗示している:

フィンドホーン財団の2023年の総収入は155万8470ポンドで、ピーク時の300万ポンドから減少した。

曲がりくねった舗装道路を進むと、フィールド・オブ・ドリームスがある。
陽気な色に塗られた木造の省エネ住宅群だ。そのひとつは、メアリー・イングリスさん(77)のもので、彼女は1969年からはここパークに住み、2001年からこの家に住んでいる。

自営業の個人開発コーチであるイングリスは、この財団に27年間関わってきた。彼女は、隣人たちを「共通の興味と価値観を持つ、長期的かつ創造的な友人たちの集まり」と表現し、キャディ家の一棟のキャラバンとしてパークが設立された当初から、コミュニティが、創造的なビジネス、チャリティ、アウトリーチグループの拠点へと大きな変化を見てきた。彼女の母親は、2007年にこのパークの緑豊かな埋葬地に初めて埋葬された。

「財団がその活動を終えていくことについては、複雑な気持ちです。」とイングリスは言う。「私はこの財団の設立に大きく関わり、多くのプログラムを運営してきた思い出があります。でも、コミュニティは新たな場の設立の準備が整い、さまざまな形でより多くの責任を引き継ぐ準備が整っています」。

もしコミュニティによる買い取りが実現すれば、世界中のエコビレッジに、真の持続可能性は本当に可能なのだという希望に満ちたメッセージを送ることになるだろう。

「キャディ夫妻がこの砂地のキャラバン・パークに現れ、庭造りを始めたのがそもそもの実験でした」とギルビーは言う。

「これまでとは違うやり方を学ぶことができるだろうか?

もちろん。

財団が一つの時代の役目を終えることは自然なことだと思う。生と死。生きて、死す。

時には、新しいものが入ってくる
スペースを作らなければならないこともあるのです。"

よろしければサポートをお願いいたします。ピースメイキングな実験をこれからも持続していくために、皆様のサポートを励みにさせていただきます!