見出し画像

オリポドリゴ~17世紀オランダ風肉のごった煮~

修羅場試作解説、一応その他から説明していきます。
2皿あるのが前回お話ししたモチコチキンならぬサゴチキン。
左下のパスタが「代用ジェノベーゼ」バジルの代わりに「クロモジパウダー」を使っています。つまようじの別名の、あのクロモジ(の葉っぱ)です。高知からお取り寄せしたため、正直バジルより高くついたので代用でもなんでもないのですが、これでジェノベーゼが作れる、と、どこかで聞いたので検証。
参考にしたサイトでは「瑞々しい爽やかな香り」と言われていますが、それは生の葉を使った場合のようです。パウダーだとそこまで香らず、というか、油で溶いただけでは、かすかなえぐみが残ります。塩多め、松の実オン、ニンニクもちょっと入れたら、まあまあなお味に。色は確かに非常にジェノベーゼ。ニンニクを抑え目にしたせいか、普通のよりもかなりあっさりしています。でも、バジルの香りがしないので、なんだか不思議なジェノベーゼ。っていうかジェノベーゼ名乗らせたらあかん気がして来た。あっさりクロモジパスタ、でいい気がします。カッテージチーズが合いそう。

右端の、ちょっとアクシデントで膨らみ切らなかったシフォンケーキはそれ以上でも以下でもないので略(カステラみたいで味はよかった)

で、本日のメインディッシュ:オリポドリゴ。タイトルで説明した通り、17世紀オランダ風色々な肉のごった煮。ざっくり言うと、
・鶏肉
・ラム肉
・牛肉
・牛ひき肉のハンバーグ
・ソーセージ
を、同量ずつ鍋に放り込んで水とハーブで煮込んだものです。
参考にしたレシピは

ただし、一緒に煮込めと言われているエンダイブ、ほのかな苦味が特徴らしいのですが南草津では手に入りません。ネットで見た限りでは代用品として
使えるのはルッコラ、チコリー、クレソン。どれも売ってないって。しょうがなくセロリで代用。スパイスも、メースは手に入らず「皮がなければ中身を倍使えばいい」(※ナツメグの実の外側の皮部分をメースと呼びます)という理論に則って、ナツメグオンリーで。付け合わせにと書かれているアーティチョークハーツ、すみません無理です。何か「じゃあ作るな」と元レシピの作者さんに怒られそうです。先に謝っておきます。

出来上がりはタイトル写真をご覧ください。
煮あがった肉に、煮汁+ぶどうジュース+バターで作ったソースをかけ、更に上から砕いたパンとゆで卵を振りかけていただきます。

味の感想は「うっす!」
そう、ここまでに「塩」という単語が出てこなかったことに気づいたあなたは鋭い。可能性としては、昔の肉はもしかしたら塩蔵、ソーセージは確実に今のものよりしょっぱかったはずなので、その辺で味はついていたのかと思います。不思議なことに、謎ソースは全然ブドウの風味がしません。5種類の肉ダシが出ているかというと「うーん……」という感じです。肉の方は普通に火が通った肉。それぞれ食感が違うので、ちょっとごちそうを食べている気分にはなります。上の「パン粉+卵」に塩味と何か風味付けを足せば美味しくなるかも。
……まあ、未知のレシピのいい点は「こういう味だったんだ」というだけで美味いも不味いも何となく納得できるところです。
今回は「君が大航海時代を再現するのだ」とかわけわからん理由で調理を押しつけられつつもちゃんと仕上げてくれた後輩Nちゃんに感謝(私はサゴやしでんぷんと格闘していた)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?