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StayHome チャレンジ04:Peak2Peakのバーチャル登山 残雪の双六岳

Peak2peak写真山岳ガイド事務所では現在、新型コロナウィルスの影響でガイド山行を全て取り止めていますが、例年なら登っている山で撮影した写真を交えながら、ルートと撮影ポイントの紹介、登山と撮影のアドバイスを書いていきたいと思います。皆様にも机上の登山を楽しんでいただければと思います。
第4回目は、残雪期の双六岳です。

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<6月10日、それは双六小屋が開く日>
このコースの適期は、6月10日以降、6月末まで。毎年6月10日に小屋開けする双六小屋を利用しての一泊二日です。入山は新穂高温泉登山口。平湯あたりに前泊するのがいいでしょう。わさび平→小池新道→鏡平→双六小屋というコースです。

この時期、雪も安定し雪崩の心配もなくなり、夏道も適当に雪に埋まっている事が多く、ルートファインディングさへしっかりやれば、残雪の北アルプスを堪能できます。ただし、大雨の直後は、要注意。雪混じりの土石流が林道を直撃することもあります。

例年なら、北アルプスの山小屋の多くは、GWに小屋開けするところと、7月10日ごろに小屋開けするところに別れますが、鹿島槍ヶ岳の冷池山荘と並んで6月中旬に小屋を開けるのが、双六小屋です。毎年6月10日と決まっており、この日を目指して毎年登ってくる登山者もいます。(今年は7月15日からの営業開始となっています)
この時期、双六小屋まで、年によって雪の多さはまちまちです。とくに小池新道がある秩父沢周辺は、雪の多い少ないで、コース取りも違えば、歩き易さも違います。双六小屋スタッフが目印や看板を立てていますが、ルートファインディングが必要な箇所です。残雪がほどほど多い方が、藪が埋まって歩き易いのですが、場所によっては雪の絶壁になっている箇所もあり、で、一筋縄では行きません。

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わさび平から小池新道の秩父沢まででとくに注意しなければならないのは、雪渓・デブリの横断です。雪は圧縮されて非常に硬くなっており、スプーンカットを上手に拾って歩きますが、滑れば捻挫の危険があります。また沢筋ではスノーブリッジになっており、崩落に注意しなければなりません。このあたりは脱着が簡単なチェーンアイゼンが役に立ちます。

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(上:硬く締まった雪。落石に注意しながら、慎重に)

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(上:林道もデブリで寸断されている。スノーブリッジの崩落に注意)

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(上:小池新道入り口付近)

夏ならしっかりとした橋が架けられている秩父沢と渡渉点も、この時期は当然橋もなく、雪渓というかデブリの末端より上部で高巻きをしなければなりません。高巻きしたら、夏道沿いのルート入り口にある目印を見落とさないようにしなければなりません。

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秩父沢から先は雪に埋まっている事が多く、鏡平方面へのルート取りはまっすぐショートカットしたくなりますが、熊の踊り場手前の沢筋が、残雪と藪のミックスされた急斜面なので、シシウドヶ原まで登ってそこからトラバースする夏道と同じルート取りの方が歩きやすいでしょう。

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(上:秩父沢の高巻きから先のルートを探す。よく見ると赤い目印が発見できる)

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(上:秩父沢を見上げる)

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(上:鏡平から。この写真は5月下旬に撮影したもの。まだずいぶん雪が多い)

<穂高の展望台>
鏡平はまだ雪で埋れていて、有名な鏡池も姿を見せていません。鏡池、鏡平山荘をショートカットして、熊の踊り場からまっすぐに登っていくと、鏡平山荘裏手の斜面に出ます。そこから弓折岳への尾根を上がっていくと、看板が立っています。

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(上:鏡平から弓折中段へ登っていく)

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(上:弓折岳中段からは夏道を行かず、正面のハイマツが密集した尾根を直登する)

看板から右側を見ると、夏道のルートは急な雪面のトラバースになっています。積雪状況にもよりますが、弓折分岐まで何箇所か不安定な雪壁があるので、ここは指示通りに直登します。

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ハイマツを藪漕ぎしながら30分ほど登っていくと、弓折岳山頂付近に出ます。山頂から双六小屋への稜線は、穂高の展望台です。夏道はすっかり雪で埋まっているので、谷側に近づきすぎないようにしながら、雪の稜線を進みます。

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(上:奥に笠ヶ岳。画面左の弓折岳から手前に続く稜線が双六小屋へのルート)

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(上:弓折岳周辺は槍穂の展望台。槍ヶ岳から南岳への稜線)

双六小屋までは、雪上歩行に慣れた方ならとくに危険な箇所はありません。ただ、天候次第ではホワイトアウトナビゲーションが必要になります。稜線を樅沢岳手前までいくとルートは双六谷へ斜面をトラバースしながら降りていきます。双六小屋手前の広い谷間に降り立つと、小屋まであと少しです。

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