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ブルース名盤紹介30 The Classic Recordings/FURRY LEWIS

今回紹介するファリー・ルイスは、
メンフィスで活躍したブルースマンです。

生まれた年は1893年(99年説あり)、
場所はミシシッピ州グリーンウッドでした。

7歳の頃テネシー州のメンフィスへ移住。

ちなみにこのメンフィス、
ビールストリートと呼ばれる繁華街があり、
ブルースの父と言われるW.Cハンディも、
このメンフィスで活躍していました。

ファリー・ルイスは、
飲み屋や路上などで演奏をしていましたが、
先述のW.Cハンディから声がかかり、
彼のオーケストラにも参加します。

そして、初録音は1927年4月20日。

ブラインド・レモン・ジェファーソン等、
ブルース最初期のレコーディングは、
この1927年に集中しています。

この日の録音のみ、
マンドリンとギターのメンバーがつき、
ノスタルジックな演奏が聴かれます。

それでは冒頭の
”Everybody's Blues”
を聴いてみましょう。

ブルースという音楽はまだ生まれたばかり。

ここでは、まだしっかり形成されていない、
初々しいブルースを聴くことが出来ます。


6〜11曲目までは、
1927年10月9日の録音。

ファリールイス自身による
ギターの弾き語りで、
ブルースだけでなく、
フォークソングも歌われます。

ブルースの誕生以前、
どんな歌がはやっていたのか、
それが分かって面白いです。

その中から一曲紹介しましょう。

“Billy Lyons And Stack O’Lee”

ビリーライオンとスタッコリーの
決闘を歌ったバラッド。

ちなみにバラッドとは、
事件を広く伝え、そこから教訓を得る、
という物語風の歌の形式です。

ここに出てくる”Stack O’Lee”のモデルは、
リー・シェルトンというポン引です。

そのシェルトンことスタッコリーが、
同じく闇世界の人物で、敵対関係にあった
ビリー・ライオンと決闘し、銃殺するという
事件がありました。

この歌の中では、
その事件について伝えられています。

ザ・クロマニヨンズのマーシーさんこと
真島昌利さんが書き、近藤真彦さんが歌った
「アンダルシアに憧れて」
という曲がありますが、
その中に登場する「スタッガリー」も
同人物だと思われます。

1928年録音の
”Cannon Ball Blues”では
味のあるスライド奏法も
聴くことができます。


いかがでしたでしょうか。

心地よい中音域で、
肩肘張らず歌われる歌声と、
リラックスしたギター演奏。

これがファリールイスの魅力です。

今日は以上です。
ありがとうございます。


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