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ブルース名盤紹介9 I Was Walking Through The Woods/Buddy Guy

今日紹介するのは、
バディ・ガイです。

彼は
エリック・クラプトンや
ジミ・ヘンドリックス、
ジェフ・ベック等、
ロックギタリスト達に
多大な影響を与えました。

本作品の録音は、
1960年から64年。

シングルでちょこちょこと
発表されてきた曲達が、
1970年になってようやく
LP化されたものです。

いずれにしても
これまで紹介したアルバムより、
大分現在よりの作品ですね。

ビッグビル・ブルーンジーや
リロイ・カーが
1930年代はじめには
録音を残しているので、
それから30年後の音楽、
という事になります。

今が2021年ですので、
30年前は1991年。

さらに30年前が、
1961年。

そうやって考えると、
ビートルズも
このバディガイも、
さらにはビッグビルも、
そう遠い昔ではなくて、
身近に感じませんか?

それはさておき、
これまで紹介してきた作品との違いは、
まずは1トラックあたりの
時間的長さではないでしょうか。

2曲目の”Stone Crazy”は
なんと7分11秒。
バリトンサックスや、
テナーサックスなどの
ホーン隊を加えた、
大所帯のバンドで、

カン高いバディの声が、
ヒステリックなシャウトを聴かせます。

そこに、パキパキと、
ギターがせわしなく、
暴れまわります。

まだ、ギターの音を歪ませるのが
一般的になる前の時代ですが、

バディの「勢い」を
ギターが受け止めきれず、
悲鳴をあげたり、
小刻みに震える感じが
たまらないですね。

まさにその
勢い余ってしまった緊張感が、
バディ・ガイの音楽の魅力です。

“First Time I Met Blues”
ホーン隊が
じわじわ追っかけてくる中、
叫びながら逃げ惑う
バディのギターとボーカル。
ここもすごい緊張感です。

バディ・ガイの音楽を聴くと、
時々、この手の
「切羽詰まった追いかけっこ」的
緊張感を感じる事があります。

余談ですが、後年に
ジェフ・ベックと共演した
”Mustang Sally”でも、
鬼のベックがじわじわ迫る中、
逃げ惑うバディのシャウトが聴けます。

(Dumn Right, I’ve Got The Blues収録)

さて、
このアルバムのジャケットでバディは、
ギブソンのSGというギターを
抱えています。(↓)

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それに対し、
裏ジャケットでは
フェンダーのストラトキャスター
(通称ストラト↓)。

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ストラトは、
フロント(ネック側、音は柔らかめ)
センター
リア(右手側、音は固め)
この3つピックアップがあり、
それを切り替えて
音を変える事ができます。

バディガイは、ストラトを弾くとき、
その切り替え部分の
ちょうど中間に、ツマミを合わせて
音をミックスする、
「ハーフトーン」で演奏します。

ストラトの音は、金属的で
「コイン、コイン」という
余韻が、空き缶を叩いたように響く
感じの音。

SGは
音の端っこがパキーンと鋭く、
余韻に木っぽい響きで、
全体にジャキーンという音。

アルバム中、曲ごとに
どっちを使っているか、
考えながら聴くのも楽しいです。

まあ、ギルドなど、
他のメーカーのギターも
使用しているそうなので、
SGとストラト以外もあるかもしれませんし、
実際SGを使っているかも、
定かではありませんが。

私としては、
上で紹介した2曲はSG、

次に紹介する曲
”No Lie”は
ストラトではないかと思います。
(1分経過辺りのギターソロに注目)

これは、
ジャズ界の帝王マイルス・デイヴィスの
超有名盤”Kind Of Blue”の
”All Blues”を取り入れてますね。

ちなみにバディは、
同じくジャズの超人気曲
”Moanin’”もカバーしているようです。

その辺のつながりを
発見すると、音楽がいかにして
発展していくかが見えて
とても楽しいです。

今日は以上です。
ありがとうございました。




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