(戊寅)ラッキーソング・プレイリスト
暦をヒントに、今日1日のラッキーソングを紹介します。
今日は1/15。己寅つちのえとら、の日ですね。
キーワード:
戊(つちのえ):土の陽・戊の字は草冠をつけると茂る、になる。生い茂った樹木を刈り取って、新しい風を吹き込む。
寅(とら):寅という字は、弓矢の矢を両手で持っている形から来てるようです。というわけで、矢のようにまっすぐ進む・誓う・約束
寅というと、千里を走る、とも言われますね。
というわけで今日のテーマ。
「まっすぐ進む、千里を走る、そして、生い茂った草を刈り取って新しい風を。」
そこで思い浮かんだのは、カウントベイシーオーケストラの「ベイシー・ストレート・アヘッド」という曲です。
カウントベイシーは、1930年代から、スイングジャズの代表的なバンドリーダーとして知られるようになりました。
ベイシーのオーケストラには、過去、歌手のビリーホリディや、サックスプレイヤーのレスターヤングなど、ジャズ界のビッグネームたちが在籍。
第二次世界大戦後の不況で、バンドが一時解散するなど、紆余曲折はありましたが、それでも活動は続けていました。
今日紹介する「ベイシーストレートアヘッド」はそんなベイシーが1968年、アレンジャーにサミー・ネスティコ(Sammy Nestico)を迎えて作られたアルバムの中の一曲です。
サミー・ネスティコは、ビッグバンド向けの曲を600曲以上手がけている作曲家でアレンジャー。まさにベイシーにとって新しい風、とも言える存在でした。
全盛期のメンバーはほとんどいなくなった中、ずっとベイシーのバンドでリズムを支えていたギタリストのフレディグリーンという人についても、語らずにおくわけにはいきません。
このフレディグリーン、ギターソロを弾くことなく、ずっとジャズのスウィングするリズムに合わせてジャッジャッジャッ、とひたすらコード弾きに徹した職人のような人なんですね。
1968年といえばジミ・ヘンドリックスなどのギタリスト達が、こぞって派手な演奏を繰り広げていた時代。そんな時代にも、ただ実直にコードだけを、しかも同じリズムで引き続け、そしてその後もずっと死ぬまで続けたのが、フレディ・グリーンです。
このフレディグリーンの存在を、ぜひ今日は覚えてほしい。
管楽器の合奏が鳴り響く時には、フレディの音はかき消されてしまう。それでも、合奏が静かになると、「ジャッジャッジャッ」とリズムを刻むギターの音が聞こえてきます。
まるで、普段は気にもしない心臓が、ふとした瞬間、確かに脈を打ち続けていることに気づくように。フレディのギターはまさにベイシーの音楽における心臓のような存在と言えるでしょう。
さて、カウントベイシー楽団のオーケストラを聴いていると、ざらついているけど、あったかくて肌触りが心地いい感じがします。
ストレートアヘッド、のタイトルから、連想すると、その音楽は楽園に向けて真っ直ぐに敷かれたビロードの絨毯のよう。
僕たちの人生も、きっとどこかに向かって歩いていると思うんです。その先には幸せな楽園を目指して。
そこで、ふと思ったんですが、音楽が流れている瞬間のように、今歩いている道自体が、もうすでに幸せな楽園なんじゃないかと、思うんですね。
楽園に向かって歩いている道、それ自体が楽園。そう考えると、たとえ今がしんどくても、前向きな気分になれそうじゃないですか?
というわけで、今日のラッキーソングはカウントベイシー楽団の「ベイシー、ストレートアヘッド」を含んだプレイリスト。ぜひお聴きください。
SpotifyのMusic+Talkでも、お話ししております。
ラジオ感覚でお聴きいただけたら、とても嬉しいです。
それでは素敵な1日を!
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