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organic farm88(バイオダイナミック)

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オーガニック、バイオダイナミック農業
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バイオダイナミック農業講座を読み解く 読書会の感想 2023年5月

「つまり植物中の 混沌状態 となったものに対して補充してやるために必要とされるだけの(家畜の)排泄物を与えるのです。」 (バイオダイナミック)農業講座のP82 2行目    この「混沌状態」とは植物が分解した腐植のことだとほのかに考えていましたが、そうではなく「種子」について言っているんだろうなぁと、ようやく気がつくようになりました。    なぜ動物の排泄物を与えるのか? 何を補充しているのか?    おそらく動物の糞には、植物の腐植や人糞には含まれてない光(宇宙由来)が含ま

シュタイナーの人間理解からバイオダイナミック農業へ             〜有機農業とは自然なのか、反自然なのか〜

シュタイナーの人間理解からバイオダイナミック農業へ 自分は高校から21歳くらいまで、悶々としていた時期がありました。 置かれている状況に不満があるのだけれど、じゃあ何がしたいのかと言われると正直よくわからない。とりあえず、音楽にそんなやるせない思いをぶつけていたように思えます。 そんなトンネルを進んでいたような時代、シュタイナーの人間観察で見ていくとその悶々としていた理由がわかりました。 定番になっている11月の竹下哲生のバイオダイナミック農業講座が終わったと思いきや、11

豊かな「土」を科学する

僕は神戸の北に位置する農園で働いていたことがあります。 関西の土は粘土質が強く、乾けばガチガチのひび割れた土になり、その堅さから野菜の苗を植える時にはアイスピックを使って土を砕き、その穴に苗を植えていきました。逆に雨が降るとドロドロの粘土になり、歩くのが困難な程です。 お米やダイズは良く育つのですが(丹波の黒豆、山田錦など有名です。)、野菜となると適切に育っていると言いがたいものが収穫出来ました。 さて、農業の本を読んでいると、さかんに「土づくり」なるものがでてくるけれど

可能性 しかない、ローカル・ガストロノミー

農家の多い地方で、どうやって野菜を販売していくか。現在organic farm88は人口の多い都市部へ野菜を出荷しているのですが、農繁期は毎日せっせと野菜をパッキングしては発送。パッキングしては発送・・・・  たくさん出荷すれば、もちろん売上は上がるのですが、自分は何がやりたいのでろうか?とむなしい気持ちが日に日に増してきました。 その中で、自分とフィーリングの合う取引先を探してきましたが、気がつけば年数だけが過ぎてしまい、一向にむなしさは解消されずにいます。 そこで、も

牛糞や鶏糞を使わない理由って何かあるんですか?

organic farm88では、牛糞や鶏糞などの動物糞の厩肥(きゅうひ)を使っていません。使用する堆肥や肥料はは、地元のムギやダイズ、米ぬか。farmの周辺に生えている竹や雑木などを独自に発酵させたものです。 牛糞や鶏糞などの動物糞を全てを否定しているわけではなく、日本で良質な家畜糞を手に入れようと思うと難しいというのが一つの理由です。 家畜の飼育環境が劣悪過ぎる。北海道での研修中に、牛肉用の牛さんを見に行かせてもらって、その暗い畜舎に閉じ込められて自由に動き回れず、動

「農業とは、土に生命を与えることです。」

竹下哲生のバイオダイナミック農業講座 ~静寂ゆえにダイナミックな発酵の世界~ 農業と発酵は全く関係ないようですが、むしろ有機農業とは発酵なくして成し遂げられない農業だと思っていました。   というのも、有機農業では化学肥料を使わずに堆肥やボカシ肥料を使いますが、それらは発酵によって生み出されているからです。   僕が農園で使用する堆肥やボカシ肥料は自分で発酵させて作っているのですが、失敗したこともあります。その時の(文字通り)苦い経験から腐敗してしまった堆肥は絶対に、畑に入