見出し画像

生娘のシャブ漬け戦略 被害者の会

あぁ…あたしったら
また牛丼に手を出そうとしている…






こんな違法な速さ・違法な安さ・違法な美味さのご飯、
もうやめないといけないのに…やめなきゃ…

あぁっ…!でもやめられなぁいっ!





ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっ!!!!!!!!!!(白目










…当方残念ながらガンギマリ生娘ではなく、27歳独身男性の牛丼ファンです。


牛丼屋のメシの写真を無加工で上げるだけのInstagramのアカウントと、
𠮷野家のゴールドプリカを持っています。

インスタに牛丼屋メシの写真を上げまくってきた都合、牛丼の写真が手元にたくさんあります。ここまで4枚の写真は全て𠮷野家のメシですが、全て別店舗のものです。




「生娘」?

さて、そもそもこの問題、なぜ「生娘」というワードが飛び出したかといえば、件の早稲田の講義中に「𠮷野家が若年層の女性顧客獲得に苦戦している」というテーマが発端だったワケで、
ウラを返せばやはり𠮷野家の主たる支持層はサラリーマンや、あるいは我々のようなカネのない独身男性なわけです。

今回の騒動が起きてから、わたくし寧ろ𠮷野家により行くようになってしまいました。こうも𠮷野家𠮷野家と報道されると心の中の貧乏大学生の血が騒ぎ出し、気付けばつい入店するかつてのシャブ中はわたくしだけではないはず。

ましてやここまで虐められると、𠮷野家の灯を消すな!と言わんばかりに勇ましく入店するおじさまも多いことと思います。

𠮷野家の伝統的支持層ってのはそういう層です。生娘のちょうど逆。俺たちはたった1人の会社役員の舌禍には絶対に負けない。絶対に。見くびるなよ。




「MOTHER2」でゲーム開始時に設定できる「すきなたべもの」ももちろん、ぎゅうどん。
ぎゅうどんのことしか かんがえられない。




結局ヒキが強かったからじゃない?


ま、そらダメなんですよ。あんなこと言うたら。


でもさあ、この事件がなんでハネたかって言うたら、そら面白かったからでしょと思ってしまう。


まず𠮷野家に生娘は居てないし*、𠮷野家側も生娘をハナから視野に入れてない雰囲気が満載である。𠮷野家が「生娘」という単語を発すること自体、もうヒキがある。(問題の取締役まさにその人が皮肉にも、女性も入りやすい店舗づくりを推進してきたわけだが…、そんなことは知らない人が大半であろう。やはり世間一般の𠮷野家のイメージは依然…。)


そこへ来て生娘をシャブ漬けにすると来た。面白すぎる。
いや面白いと言ってはいけないのだろうが、このニュースが拡散されたプロセス特に初期段階においては、拡散理由は「言ってはダメなこと過ぎて面白いから」と断じて良いだろう。*

反対に、今この段階になってTwitterとかで調べると、本気で怒ってる人が多い。思ったより多い。




まあ、ではこの発言の是非は、と問われましたら、わたくしだって非と答えますわよ。



答えるけどさ、このニュースはたまたま面白かっただけで、こんなに面白くなかったらそもそも貴方が目にすることはなかったニュースですよと言いたくなってしまう。早稲田の有料の講義がクローズな場かはともかく、電波に乗せたとかネットに書いたとかではない。普段なら注目されすらしない発言が、おもろいからハネた。感覚的には分かりそうな気がするけどなあ…。

ただ結果的に我々はむしろ、より𠮷野家に行くようになっているわけで、我々が𠮷野家の炎上&シャブ快楽喚起マーケティングの術中にハマっているという可能性は排除できない。*




𠮷野家が「おとなもこどもも、おねーさんも」な店になる日は来るのだろうか。



戦略の中身 -大手各社の美しい棲み分け-


まずは本件に際し見掛けたこちらのツイートをご覧いただきたい。


そう、牛丼一杯に関しては!こんな感じのイメージですよね。
(厳密には松屋のは牛めしですが)

現在、大手牛丼チェーンは
・𠮷野家(𠮷野家HD)
・松屋(松屋フーズHD)
・すき家(ゼンショーHD)
・なか卯(ゼンショーHD)

全社好きで、どこかに特別肩入れをするつもりもないのでここは淡々と行きたい。


すき家は店作りも味付けもトッピングも、実にファミリー向け。
自分はターゲット層から全く外れていると思われますが、友達と行くことが多いですね。

3人以上の友達と行く時にも使いやすい


松屋は安い。安過ぎて都心部ではやっていけず「プレミアム牛めし」なる別メニューになるほど。

「みんなの食卓でありたい」の「みんな」が、
生半可なファミレスの「ファミリー」と全く重みが違うことがわかる。
誰も拒絶しない、本当の意味での「みんな」を見せてくれる。

飲み終わりや徹夜明けに食らいつくおろしポン酢牛めしの美味さを知っているか

ただ定食になると話は別で、大学時代はその美味くてハラの膨れる定食をド深夜に食べに行っていた。

期間限定・うまトマチーズハンバーグ定食


なか卯は和食路線で、牛丼も「和風牛丼」とやや趣向の違う商品であるし、ダシの効いてた親子丼やうどんなんかもあって明らかに独自路線。美味くて大好きなのだが店舗数がやや少ない。

これはかつて日本で最もコスパの良い食べ物であった。(ぺち調べ)

大学時代は徹夜明けの朝5時チンで近所のなか卯に入店し、
この朝定食・まぜごはん牛小鉢定食をいただき、
店を出た正面の東山の稜線からのぼる朝日を浴び、
夕方まで寝ていた。

この定食、現在はなくなってしまった。悲しい。少々値上げしても構わない。絶対に復活させてほしい。




それに比べて𠮷野家の強みは!そう!


牛丼並1杯の味!


日本が世界に誇るファストフード。完全に完成された1杯。現代日本食の極致。
何も乗せない牛丼並1杯の質で他を圧倒している。



おかしいと思った。なーんだ。違法か。



𠮷野家としてはこの完成品にどう触れさせるかしかないから、他社の戦略と比べて、たしかに語れることが多くなさそうな気はする。


突き詰めたら美味いだけやから。



わたくしが骨の髄までシャブ漬けになっていることが分かったかしら。





画面中央のゆりかごの中の赤ちゃんがぺち。ぎゅうどんで誕生を祝福されている。


禁断症状が出たことがある

今考えたらあれは確実にシャブの禁断症状。

2016年度の1年間、大学を休学して世界中を放浪していた時期がある。
いわゆる西回りでの世界一周というヤツだが、このルートをとるとタイぐらいまでは𠮷野家やそれに準ずるものがあり、牛丼にありつける。

しかし東南アジアを抜け、インドに入り、アフリカに入り、ヨーロッパを横断するころにはもうどうにもならなくなっていた。冗談抜きで牛丼しか食いたくなかった。

和食屋に行ける限り行った。ハンガリー・ブダペストの和食屋が安くて美味かった。でも牛丼ではなかった。

大西洋も渡り、ブラジル・リオデジャネイロに降り立った。

コメが食えない問題はリオはじめ各国の中華料理屋でFried Rice(つまりチャーハン)を食いまくってなんとかなったが、なんとかなればなるほど今度は「日本食ではなく、コメの量でもなく、やはり牛丼が食いたいのだ」と認識し、牛丼欲は純度を上げる一方だった。

辛かった。日本に帰ってまず牛丼を食おうと心に決めた。食ったら泣くやろうなという確信があった。

夜行バスでサンパウロに向かった。サンパウロの東アジア人街で牛丼にできるだけ近いものを食べよう、なければ自分でジャポニカ米と調味料と具材買って作ろうと思っていた。






サンパウロにすき家が10軒あった









なんで????????????????????






なんで??????????????????


日本のすき家と見た目はかなり変わるが、味はほぼカンペキにすき家。値段も日本のすき家+100円ぐらい。隣の日本人のおじさん曰く、コメはパラグアイで育てたジャポニカ米らしい。

泣いた。1週間のサンパウロ滞在の中で何回も行った。


なぜかラーメンも出していた。これも美味かった。



すき家のもう一つの強み

つまり、すき家がめちゃくちゃ強いのが店舗開発力。店を出す力。
コンビニ3社ではファミマに対してよく感じるが、なんかコンビニほしいなーって時にそこにファミマが”在る”、別にファミマに行こうと思ってないのに何故かファミマに行く回数が多いように、すき家もそこに”在る”確率が極めて高いように思う。気のせい?

𠮷野家にシャブ漬けにされた私は、しかしこの時はシャブならなんでもよくなってしまい、そこにあったすき家にカネを落としまくることになる。

普段の私ならそんなことにはならないが、普段からシャブならなんでも良い客も結構いると思う。生娘をシャブ漬けにしてまずシャブの世界に引き摺り込む、ヨゴレ役を買って出ている𠮷野家には、むしろ牛丼業界全体が感謝すべきではないだろうか。


秋葉原の老舗牛丼屋・サンボ。


息も絶え絶えの東京チカラめし。
これはこれで美味い。




気づけば


牛丼が好き過ぎるあまり牛丼屋のプロモーションをしまくってしまった。

大麻が好き過ぎるあまり選挙に出た高樹沙耶の気持ちがよく分かる。*


もし自分が若い頃に女優として売れていて、牛丼3社から出馬してくれと言われたら喜んで出馬すると思う。


まずは医療用牛丼の合法化から訴えていきたい。




今日トレンド入りしていた𠮷野家の新商品・親子丼。
なか卯の親子丼をダシ親子丼と呼ぶなら、𠮷野家はタレ親子丼とでも呼ぶべき別の食べ物。
もちろんどちらも大変美味い。
牛丼業界はこうして今日も鮮やかに棲み分け、私たちの最低限の食事を力強く底上げし、
我々は日々多様なシャブをキメることができるのである。




*…そんな怒らんといて 本気で言うてるわけちゃうから のマーク




みなさまからいただきましたサポートは全額、筆者の切実な生活費となります。