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ボテロふくよかな魔法

ボテロ展を渋谷の文化村でやっていて 終了間近に駆け込んで見てきました。展覧会ではとにかくなんでも丸く描いてしまう画風と、やっぱり南米の明るいお日様の影響か 圧倒的に鮮やかな色に酔いしれました。

フェルナンド・ボテロ・アングーロ (Fernando Botero Angulo, 1932年4月生まれだそうなので 90歳を超えた現役の画家。コロンビア出身の画家彫刻家。彫刻家というのは存じ上げなかったのですが、展覧会場を出たところに とってもボテロさんの絵のような彫刻が何気なく置かれていて近づいてタイトルを見ると『ボテロ!』意外にいろんなところに展示されているのかも?調べると 東京の田町とか大阪の御堂筋にも置かれているようです。



フェルナンド・ボテロ・アングーロさん 90歳


会場ではビデオです彼の作家人生のエピソードのビデオを流していました。それを見ると、ボテロがなんでも丸く描くようになったのは「マンドリン」だそうで、ある時マンドリンを描いていて共鳴箱に開いている穴をわざととても小さく描いてみたらその形に衝撃を感じたそうです。比率を変えてみることで思いがけず新しい世界が広がったとのこと。
そういわれても、我々凡人には「そうなんだ…」と思う程度。展覧会にはマンドリンではなくギターを描いていて、妙に穴が小さいという絵もありましたがやっぱり異様にギターの胴体の穴が小さいです。

いろいろな絵、でもどれもみんなおデブちゃんに描かれている。最初のタイトルに示したのはベラスケスの「ラス・メニーナス(女官たち)」に描かれているマルガリータ王女やレオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」もボテロさんにかかるとこの通り。でも、これだけ徹底的に太った能面のような顔を示されるとその先にある人生のドラマのようなものが想像できてしまうので不思議です。

ボテロさんのような、具象的なんだけれども抽象的な絵を見るのもとっても楽しいなと思いました。



何となく 人間もギターもどことなくパーツの尺度が変わってしまっているように思えます。何となく平面的で、日本の浮世絵を思い起こしてしまいました。


花を描いた連作です。圧倒的でした

2006年に描かれた連作です。細かい花がきちんと書かれていて圧倒的な存在感でした。



たくさんの子どもに囲まれたご婦人。でも何となく生活がにじみ出てくるような感じがして気になった一枚です。明るい色彩で描かれてはいるのですが 表情のない、ロボットのような顔から底知れぬ暗さをも感じてしまいました。



目を閉じてご婦人とダンスをする男性この二人はどういう人たちだろう


さて、いかがでしょうか?残念ながら東京の展覧会は終わってしまいましたが以下のHPでも多少絵は紹介されています。ちょっと覗いてみてはいかがでしょうか?



公式HP

https://www.ntv.co.jp/botero2022/


By こばつね


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