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【感想】美少女万華鏡異聞 雪おんな

ブランド : ωstar    発売日 : 2024-04-26
原画 : 八宝備仁 / ミコジン(SD)
シナリオ : 吉祥寺ドロレス

⚠️ここからネタバレあり⚠️






◾️ネタバレ感想

美少女万華鏡、新時代!
新たなシリーズの幕開けに祝杯を。

★はじめに

美少女万華鏡、新時代!!
「新生する魂」というイントロダクションが意味深な新シリーズの第一弾、遂に降臨です。
期待されたシリーズだけあり、公式の謳い文句にも力が入るってものですね。

自分は本作の発売を知ってから『美少女万華鏡』シリーズの5作を追っかけたので、まだまだ新参者。
それでも作品を語れば小一時間では足りないほど好きなシリーズとなりました。

ここで魅力を語るのは今更って感じですね。
それでもおさらい兼ねてお伝えするなら、八宝備仁さんの超美麗イラストと扇情的で魅惑のヒロイン、凝った世界観と背景美術、上質なシナリオと親和性の高い音楽、そして超絶美しく艶かしい極上のえっちシーンでしょう。

このシリーズに限ってはロープラ作品って言い方すら時代遅れかもしれません。
それくらいクオリティが尖っていました。
因みに新シリーズ名『美少女万華鏡異聞』のタイトルにある”異聞”とはオカルトと同義です。

プレイした率直な印象は、原点回帰と時代対応。

さて、この感想記事はプレイして思った事諸々を語らせていただきます。
どうぞお付き合いください。



★新たな美少女万華鏡シリーズの印象

本作の印象は先にも述べた通り、原点回帰と時代対応。
具体的に言えばシリーズ初期のように、人ならざるヒロインとの愛に溢れる日常と、数奇な運命をエロティックに描いた事。
そして、オカルティックな閉塞感よりも心地良いキャラゲーの明るいノリにシフトしていた事でしょうか。

凝った世界観やシナリオはやや控えめで、最もフォーカスされていたのは、主人公の雪之進とヒロインの姫の愛欲と肉欲。
あくまで愛し合う二人の物語をエロティックかつ、ユーモラスに描く事に軸足が置かれていました。
これは前シリーズ1作目『呪われし伝説の少女』と、3作目『神が造りたもうた少女たち』を足して2で割って、更にユーモアを盛った感じと言えるかもしれないですね。

シナリオも二人の馴れ初めから、愛に溢れる日常をストレートに伝えてくれました。
また、起承転結の”転”で起きる驚きの展開や、思いもよらぬどんでん返しはありません。
そのため物語の展開は非常に分かりやすく、考察の要素も特にないので、数奇な運命となる後半の展開も穏やか。

過去作が閉塞感漂うシナリオゲーの側面が強かっただけに、美少女万華鏡シリーズ独特の魅惑的で怪しい空気感が薄れてしまったのは少し残念ですが、ストレスフリーでヒロインの可愛いを享受できると言えるわけで。
つまり、元々の強みを理解した上で、更に強みを伸ばしにきたって事なので歓迎すべきでしょう。

二人の愛の発露はシリーズで一番濃厚かつ官能的ゆえ、えっちシーンこそが明確に本作最大の強みとなっていました。

てか、ずっとイチャイチャえちえちしてます!!

よくよく考えると、二人が出会い、愛し合い、本来禁忌とされながらも添い遂げるまでを運命論で語るのは美少女万華鏡らしいですし、怪異である冬の一族が時代対応で人間と関わっていくという新たな考え方を描いたのは、本作から始まる新シリーズ異聞の方向性と時代対応の暗喩にも感じます。
うーん、考えすぎですかね?

とはいえ、新シリーズ『美少女万華鏡異聞』はまだ1作目なので、今後オカルティックさの濃度が高くなるのかもしれませんね。
匂わせもありますし。

新生する魂が織りなす極上の快楽というワードの「新生する魂」ってところ、気になりません?

これって万華鏡に関する何か仕掛けがありそうですよね。それはそれで最大限に歓迎すべき事になるので、楽しみは続きそうで何よりです。


★世界観や空気感は陽の波動

本作をプレイするまで完全に戦国時代くらいの日本が舞台だと勘違いしてました。
多分同じこと思ってた人多いんじゃないですかね?
現代を舞台としつつも、意図的に文明から切り離された世界観が不思議な魅力となっていました。
ただ今までのような怪しさや不可思議な感覚は皆無なので、緊張感に縛られないどこまでも平和な世界観にも感じます。

あと、特徴として終始明るい空気感なのも印象的でした。
シリアスさよりもコミカルの割合が大きいのが新シリーズって事なのかはまだ分かりませんが、明らかに陽の波動を感じます。
過去作はどちらかと言えば陰寄りなので、ここは賛否が割れるかもしれませんね。
自分も正直最初は戸惑いましたから。
でもこれはこれでアリだなって思ったので結果新しい美少女万華鏡が見れて良かったと感じています。

コミカルといえば、姫の弟のふぶき君ですよ。
めっちゃもふもふで、ちっこいくせに実は雪男で、しかもキャストが夏和小さんて。

ちょっと可愛過ぎだろ反則だろ勘弁してよもう!!

可愛いって言ったら怒っちゃうところとか、ニタァとしたいやらしい笑顔とか、可愛いすぎる‥‥。

1/1サイズのぬいぐるみ商品化を希望!何卒!!

極め付けは結婚式の変装ですよ。たまらんてもう。
ふぶきとの出会いはある意味で一番の収穫だったのかも知れませんね。



★素直で可愛い主人公

めっちゃ好きです。なんか和むw
過去作の癖のある主人公も魅力的でしたが、本作の主人公はとにかく真面目で素直。
常に自分を律し、愚直なまでに修行に明け暮れますが、垣間見える煩悩は隠しきれない様子なのが人間らしくて良いですね。
しかも若干オタクっ気あるのが親近感でまた良い。

姫に出会ってからは性欲にも素直で、ついついおっぱいを追いかけてしまう小物っぷり。なんか女体に興味を持ち始めたばかりの中学生みたいで微笑ましいのなんのって。
姫のスキンシップにあたふたして、好きって言葉にドキドキして、意識なんかしちゃったりして。

もう、主人公君可愛すぎるw

でも決めるところはバシッと決めるから、ギャップありでカッコイイのがまたニクい。
強さとは守るべきものあってこそという答えに辿り着いた彼の成長はたくましく見えて素敵でした。



★魅惑の白雪姫

素直に可愛かったです。
過去のヒロインのような儚さからくる美しさはありませんが、直球の可愛らしさと妖艶さ、肉感たっぷりの扇情的なボディが魅力のつよつよヒロインでした。透き通る陶磁器の様に白い肌が美しい。
毎度の事ながら美少女万華鏡シリーズのヒロインはビジュアルが鬼強いんですよ。

お淑やかに見えるのに、ひとたび艶かしい官能的な姿を見せれば極上のエロティック。
いきなりトップギアに入る乱れ具合でギャップが凄い。そして声のハマり方も抜群で、声優のみたかりんさんの甘いお声が姫の魅力を優勝させていました。

どう考えたってえっちすぎ美しすぎ‥‥。

一途に主人公を慕う慎ましさや、戦国武将ネタを放り込んでくるちょっとお茶目な性格も萌え要素。
SD絵になった姫に関しては可愛いに全部りで、グッズ作れば売れるだろうなーとか勝手に思ったり。SD絵のアクスタとかあったら買いますのでどうぞよろしくお願いします!

余談ですが、エピローグのコスプレ元ネタは『原神』ですか?どうやら『美少女万華鏡』は中国で大人気のようで、同じ中国で人気の『原神』ネタを入れてくるあたり、海外戦略の一端を垣間見ることが出来ますよね。



★ハッピーエンドの帰結

本作をプレイした中で一番驚いたのが物語の帰結。
子供の頃から一途に慕っていた姫の恋心が成就するという純愛は運命的で、結婚式の様子は幸せに溢れ、皆に祝福される完全なるハッピーエンド。
今までの美少女万華鏡の閉塞的な空気感からは考えられないほど直球な愛の帰結は、原点回帰のようでも、決してただの踏襲でないのがある意味で新鮮さすら感じます。

でもちゃんとオカルティックな異類婚姻譚を扱う美少女万華鏡らしさもある。
運命論に物語を落とし込んだ采配もロマンチックで、禁忌に触れる危うさよりも神聖な美しさを感じます。
まさに「美少女万華鏡、新時代!」という公式の謳い文句通りでした。



★エンディング曲について

本作最大の見せ場がエロティックに対し、本作最大の変化の象徴と言えるのがこれですよ。
エンディング曲「夜明け前のグラデーション」がまた凄く良い!
まさに作品の方向性を象徴していたように感じました。
エンディングムービーも姫のシルエットが人間社会に降り立ち世界を旅するようなエモで、しかも可愛らしい。

過去作のエンディング曲「生きとし生けるもの」は儚げな美しさを象徴していたので、完全に雰囲気が陽にシフトした感じでしたね。
結論どちらも素晴らしいってことで。

余談ですが、前シリーズ5作目『理と迷宮の少女』のエンディングの入りは屈指の名シーンで大好きです。


★えちシーンについて

本作最大の強みはやはり極上のえちシーン。
八宝備仁さんの超美麗なCGはもはや芸術です。
躍動感ある構図、扇情的な表情差分、息遣いまで伝わってくるような臨場感。

現代美術館の一番良いところに飾ってあっても違和感なし。

さらにアニメーション付きで動くなんてこの上ない贅沢ですし、回想シーン数が豊富なのも嬉しい限り。

過去作に比べても快楽に溺れるエロスは濃厚で、愛の発露はどこまでも美しい。
喩えるならばケモノのように愛を確かめ合うけれど、純愛が溢れているような。
プレイ内容は徹底的にイチャラブ仕様で、アブノーマル要素もおふざけ程度。

そして今回も畳み掛ける淫語のキレッキレ具合は相変わらず。いや、むしろ語彙力がさらにパワーアップしていたようにも感じます。
あまりにもエロスユーモアの溢れた語彙なので、今回もライターの方はノリノリだったでしょう。(知らんけど)

きっと、「お散歩お○○ぽすごいっ❤︎」って言葉が頭に浮かんだ時には、心の中でガッツポーツしたんでしょうね。(適当)

もうこれはお家芸なので、次回作の新たな語彙に期待に胸を膨らませております。
どうぞよろしくお願いいたしますw

あと忘れてはいけないのは、シーン回想最後。
正常位からのアニメーション。
前シリーズ4作目『罪と罰の少女』の夕莉、5作目『理と迷宮の少女』の蓮華の顔面アップシーンの更なる正当進化版。
下スクロールすれば完全なる最強超絶合体シーンまで拝むことが出来たので、明確なパワーアップポイントでした。
濃厚さが際立っているのでぜひ次回も進化実装していただきたいです。
こちらも何卒よろしくお願いいたします!(切実)



◾️最後にまとめ

新たなファン獲得のための意欲的な作品と強く感じました。感覚としては、万人受けしやすい器の広さを手に入れたようにも思えます。

名作シリーズとはいえ、古き良きを踏襲するだけではただの継承でしかないので、常に時代に合わせ変化し、でも大切なところはしっかり残すことが肝要。
ファンとしては新たなチャレンジを歓迎し、美少女万華鏡らしさにも期待を込めて、次回作を楽しみにしたいと思います。
やっぱり美少女万華鏡は好きだなーって思ったところで、今回の感想を締めさせていただきます。

芸術的な美しさをまとう作品を世に送り出してくれたオメガスターの皆様、作品に関わられた全ての方に感謝を。
また、この感想にお付き合いくださったあなたにも最大限の感謝を。
ありがとうございまいた。


最後の最後に。
前シリーズ『美少女万華鏡』のネタバレ感想を5作品置いておきますので良ければどうぞ。

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