カナダ高校留学 APとは?APの授業を取るべきか?
How's it going? カナダの高校を卒業してもう2年も経ちました、ぺいとんです。ツイッターで以前に少し触れましたが、今回はカナダ高校留学で関わることがあるかもしれない、AP という科目について語ります。カナダの高校留学→カナダ・アメリカ大学進学を目指す人は絶対に読むべきです。
(APの科目はアメリカの高校にもありますが、今回はカナダの高校の視点から紹介させていただきますのでご了承ください!)
APクラスとはなにか?
AP とは Advanced Placement の省略であり、SATなどの試験も主催する米 College Board 社の提供するAP Exam という科目試験を受けるための準備クラスの名称です。
大学準備コースみたいな存在ですが、オドロキなのが、
大学の単位が取得できること!
アメリカ・カナダの多くの大学はAP試験の結果を大学の単位 (transfer credit) として認めています。なので大学で取らないといけない単位数と学費を減らせることも!
Wikipedia で見てもわかるように、理系教科のみならず、社会系、言語系、美術やコンピューターサイエンス系の分野でもAPの科目が存在します。(すべての高校ですべての科目が受けられるとは限りません!笑)
AP Japanese Language and Culture もあるそうです!これは母語話者でも受験資格はありますが、大学がそれを単位として認めるかはわかりません笑(日本語の母語話者は日本語の授業は受けられないことがほとんどなので)
※APの試験は高校のAPクラスを取らなくても、独学で勉強して受けることもできます。
APの利点
・5月に行われるAP試験で4か5を取ると、大学の単位になる!
→大学の必要単位数を減らせたり、学費も減る場合もある!
→APが主流となっているアメリカだと1学期、もしくは1年まるまる飛び級しちゃう人も。
・成績上位生・同じ興味を持った人といっしょに授業が取れる。
→クラスメートはみんな大学進学希望者で勉強熱心。日本でいう特進クラスのようなものなので、モチベーションがどんどんあがる。
→僕の AP Calculus のクラスはみんな理系もしくはビジネス志望だった!
・大学とは違って少人数クラスで受けられる
→高校は1クラス20~25人ほど。先生に質問を聞きやすい。大学は100人を超える講義も多いので教授との距離は遠い。
・高校のほうがペースはややゆったり
→大学の授業は週2,3回の講義時間の1分目から最後までみっちりs教授がレクチャー。かなりハイペースで大変。中間・期末試験の成績比率が高いのがプレッシャー。
→高校だと5か月間は毎日授業があり、授業時間中に課題や自習をする時間も設けてくれる。そこで先生に質問を聞ける!中間・期末の代わりに小テストをやる。
・グラフ電卓を使っていい!(AP Calculus, Statistics)
→大学だと Stats では関数電卓しか使えない。Calculus は電卓一切禁止。AP試験では TI-84 などのグラフ電卓の機能を使ってもOK!
(ちなみにグラフ電卓ってこれ。画面がある。ガラケーみたい笑)
APを取るべき人
・大学レベルの勉強を高校のうちにしたい!
・大学の勉強を少しでも楽にしたい!
・その教科の勉強が好き!
・大学で取る単位数を減らして、学費を節約したい!
→AP試験は$127。それに対し、大学は1科目 $2500以上もする...(留学生)
APの注意点
・それぞれの学校で実施されているAPの科目にはバラつきが多い。
→勉強したい分野と進学先が決まっているならこれを基準に留学先の高校を選ぶのもアリ!
・AP による transfer credit はアメリカ・カナダでしか効果はない。
→日本の大学の単位にはならないが、APのクラス・試験を受ければ大学レベルの勉強もできるという証明になるのところはプラス。
・2学期制の学校では、
1学期にAP科目を受けると受講終了と試験までブランクがある。(僕の学校の AP Statistics はこれに該当)
2学期だと学期の途中にAP試験があるため、通常より早いペースで授業が進む。(僕の学校の AP Calculus はこの例)
ぺいとんが取ったAP科目
AP Statistics 統計学 (G11、1学期に受講)
→AP試験を受けて、4を獲得。
→大学では必須科目だった STATS 151 の単位に!
AP Psychology 心理学 (G12、1学期に受講)
→授業はグループワークが多くて楽しかったものの、ちゃんと内容を習った実感はなかったのでAP試験は受けず。
AP Calculus AB 微分積分AB (G12、2学期に受講)
→AP試験は受けず(理由は後ほど)
なお、AP Calculus には範囲が広くなる AP Calculus BCもあるものの、私の学校ではABのみ提供されていました。
フォロワーからの質問
(画像をクリックすると私の質問箱を見ることができます!)
A:
興味がある・もしくは大学で勉強するならAPの授業は取るべきです!
ただ、試験は取るか、Transfer credit として単位を受け取るかは自由です。試験の結果はどうあれいい、予習になりますよ!
ただし、ここで注目したいのは
「大学で同じ単位を取った人と比べてどう変わるか」です。
ひとつの意見として挙げたいのは:
大学で上級クラスの既修条件になるような科目はAPの単位がもらえても、大学で再度取るのも賢い選択です。
例)数学専攻している人が1年生の Calculus を受け直す、など
統計学に関しては1年次の統計学のみ必須だったので、AP の transfer credit を受け取りました。これで $2000以上節約できました!笑
ちなみに寮の友だちで Stats を取る人は多かったので課題を見たりしましたが、かなり難しそうでした...(内容を忘れているし、さきほど伝えたAPの利点もふまえて)
私は AP Calculus AB を高校で取りましたが、大学の1学期目に取った Calculus I の単位がもらえるのにAPの試験は取りませんでした。
理由としては、大学で再度受講して:
・大学数学の授業・試験の難易度を確かめるために、既習の範囲をもう一度やりたかった。
・自分に合った大学数学の勉強法を身に付ける。
・学ぶ範囲は既にやっているので好成績を取りやすい(GPAブースト?)
・2学期目に必須の Calculus II に備えるために大学で1学期目の Calculus I を取るべきだと思った
その結果、
・寮の友だちに Calculus で手伝ってとよく頼られた!
・クラスの平均評価が C のなか、Aを取得!
・1学期、計15単位のGPAを 3.5 で終えて、
・2年生も $4000 の奨学金をもらえた
という嬉しい結果になりました。
(Note の読者だけのために特別に Transcript をお見せしますね笑)
なお、2学期の Calculus II ですが...コロナの影響でオンライン授業に転換した際に 評価基準が CR/NC(取得・落第)に変わったため、成績はつきませんでした。ただ、Calculus I を受けなおして、大学においての数学の勉強法が身に付いたのでよかったです!
結論を言うと、
「取りなおすのもよし、Transfer Credit をもらって回避するのもよし」
絶対言えるのは、高校のうちに大学で取る範囲を予習できるなら、APの授業で大学の予習はするべきです!
他の意見を聞きたい人は "Should I take AP?" って検索してみてください。
行きたい学校にAP授業はあるかを調べたい!
これ、実は誰でも自分で調べることができるんです。カナダのほとんどの学校では Course Catalog などの履修科目一覧表を公表しているので、検索してみるべきです!
サレー学区の留学生向けパンフレットには各学校の紹介文に提供しているAP科目が記載されています。ただし、詳しい情報は各学校の Course Catalog を確認するべきです。
例えば、Fraser Heights ではこの2つのAP科目があります:
学校によってはAP科目において推薦や選考があるのですね!しかもここの学校は数学に Honours(特進コース?)みたいなのが別で設けられているらしいです。
私の学校では既修条件さえあれば受講できました。もちろん定員オーバーだと抽選で落ちる可能性もありますけど笑
それはともかく、履修概要に書いてある通り、AP試験で好成績を残すと大学1年目の単位をもらえると記載されています。
日本への帰国生は取るべき?
日本の大学では AP の transfer credit はないです。なので難易度の高いクラスを取るよりかは受験対策に尽くしたほうがいいと思いますが、興味のある分野なら取ってみる価値はあるはずです!もちろん、APの科目は卒業にも、出願にも必須ではないです。
なお、早期卒業する場合は取れないこともありますので、そこは学校のガイダンスカウンセラーやエージェントとチェックするべきです。僕も早期卒業を考えていましたが、AP Calculus など、いろいろ興味のある授業がまだあったのでG12の2学期目もそのまま残りました。(後悔ゼロです笑)
まとめ
APとはアメリカ・カナダの大学の単位を高校のうちに取れちゃう、ステキな制度。学校選びの際は自分の勉強したい分野を頭に、提供しているAPコースで選んでいいかも!必要単位数が減り、学費も少し削ることもできる場合もある。もはや AP は Advanced ではなく、Advantage!笑
カナダ・アメリカ大学に進学する人はぜひ活用してみてください!
参考になりましたでしょうか?
AP科目、カナダ高校・大学留学についてはぜひ、ツイッター @peitoncanada にてご相談ください!(フォローもよろしくです!)
また、留学で広がる可能性とリアルを語るポッドキャスト
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まだAPのことを話してはいませんが、オススメのエピソードはこちらです!
質問もツイッターで募集しています!ぜひフォローしてください!
(初めての note 記事でしたが、最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました)
ぺいとん
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