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シフォンケーキはいかがですか?(写生会)

小学校の年間行事のひとつであった写生会。小学生の頃は学校行事といえばほとんどのものにワクワクしたものだったけど、この写生会だけは”またこの時期がきてしまった、、、。”というような私としては珍しく消極的、回避的、そして否定的精神状態に陥ってしまうのでした。その原因は”写生会会場”にありまして、、、。何が問題だったかというと毎年グランドの外に出ることは許されず、学校の横の草むらにキャンバス、絵具道具などを持参して座り込み、グランド横の牧草地に放牧された牛を描くというのが毎年の恒例だったからです。(まさに小学校の真横が牧草地で、いつも牛さん達がグランドの横でのんびり牧草を食べておりました。)酪農家の子供たちにしてみればなあんの変化も、新鮮さもないホルスタインの牛達を一日中見ながら写生するなんて、子供心にも”なんか他に描く物ないんかね”と思ったものである。仕方ないから、つとめていろんなポーズの牛を描いた。寝ている牛、草を食べている牛、ボーッとしている牛、仲間と戯れている牛、背中を草むらにすりすりしている牛、等々。そして、気がつくと白と黒の絵具だけがやたらと減っているのでありました。結局それは6年間変わることはなく、しかし、おかげで私の牛を描くスキルだけは毎年上達していったのでした。

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