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フィリピンの勇気づけ文化に支えられて

「書きたい!」という気持ちは湧くものの・・・忙しさにかまけてつい「お久しぶり」になりがちなnote。

前回記事を書いたのはまだ寒い冬の日だったのに、いつの間にか暖かくなり、もうゴールデンウィーク!
私は3月末から4月中頃にかけて、楽しい予定で西へ東へ飛び回っていたので、この連休は「自分を休める」ことにフォーカスしたいなぁと思っております。
楽しい予定でいっぱいの方も、ゆっくり休むぞーという方も、思い思いの充実した期間にしましょう…!


さて、今回は3月まで半年間続いた、英検1級合格までの道のりの話。
すでに少し前の話ではありますが、記憶が薄れてしまう前に残しておきたいと思います。

とはいえ、タイトルの通り、この記事は英検の勉強法については書きません。
スキマ時間があれば単語帳を開く、教本やドリル、過去問に本番までコツコツ取り組む、2日に1回のランニングのお供は英語圏のニュースかTED Talkにする・・・短い時間で良いので、毎日なるだけ英語に触れることが個人的に大切かなぁとは思いますが、私がやったこと以上に効率の良い勉強法やコツが他にたくさんあると思っていて・・・。

もちろん、長年Bucket Listに書き綴っていた目標だったこともあり、結果それ自体もとても嬉しいものでした。
ただ、そこにチャレンジするプロセスの中で、久しぶりに海外、特にこれまでも転機をたくさんもらった大好きな国・フィリピンと再び関わりを持てたことで、私にとって得るものが大きな時間だったなぁと思っています。

昨夏から2次試験の練習を一緒に進めてくれた、フィリピン人講師の先生への感謝を込めて、今回改めて感じたフィリピンの勇気づけ文化について書きます。
「勇気づけ」の本来の意味とはちょっぴりズレちゃうかもしれませんが、他に「これ!」という表現が私の中に見当たらず・・・。

▼ちなみに、「勇気づけ」については過去に以下で書きました(↓)


余談ですが、アイキャッチも久しぶりにかつて自分で撮った写真📸
初めてセブで生活し始めた頃に訪れた、カオハガン島から見る綺麗な海です!


どんなときも「ある」を見る

よく「コップに水が半分入っている状態」を「半分しか入っていない」と見るか「半分入っているか」という話があると思います。
先生はどんなときも「ある」を見て(つまり、「半分も」と考える方です)声をかけてくれました。

英検1級の2次試験では、提示された5つのトピックから1つ選び、2分間でスピーチを行います。
スピーチの冒頭は賛否のどちらかを述べ、お決まりの表現で本論に繋げる形で練習をしていて、その部分だけは慣れてくれば問題なく出てくるようになりました。

ただ、その後の言葉や表現がなかなか続きません・・・。
1〜2文ほどはなんとか出てきても、その後が「うーん」とか"how can I say…"で迷っている間に時間切れ。
夏から練習し始めて、秋が過ぎ、冬が来て、やがて試験日が迫っても、なかなか上達せず、気持ちは焦るばかり。

「えーーーん。これしか喋れなくて時間切れになるなんて・・・」
「もう3〜4ヶ月もレッスンを受けているのに、まだこれしかできないのか・・・」
(注:典型的な”しか”思考です)

そんな風に、ろくに話せないまま時間切れになり…を繰り返して落ち込む私に、先生がかけてくれる言葉はいつだって "You are doing great!!" でした。

本当に正直な話、途中までは「これしかできていないのに、"doing great"なんて言われても・・・(ため息)」と半信半疑のような、戸惑いのような気持ちでいっぱい。
でも、ちゃんと「使っているボキャブラリーが変わった」「(TED Talkで使われていた表現を使ったら) その表現、いいね!」などなど、私自身が見落としてしまいそうな小さな変化も丁寧に拾いながら、Greatだと思う理由を話してくれるので、気がつけば「そ、そうか・・・doing greatなのか」と少しずつ思えるようになっていました。


このエピソードだけを見ると、「そりゃ英語の先生なんだから、プロとしてそうでしょ!」となりますが、この過程で過去を振り返ってみると、フィリピンで出会った先生・同僚・友人にたくさん助けられたなぁと、じんわり思い出しました。

たとえば、海外就職を目指していた就職活動で何社受けても不採用だったとき。
いくら前向きに頑張ろうとしていても、海外インターンの終わりが迫る中で先が決まらないとなると、日に日に不安と焦りが増します。
「私には何もできることはないんじゃないだろうか…」と、授業の冒頭のsmall talkでぽろぽろと泣き出すこともよくありましたが(苦笑)、当時英語の授業を担当してくれていた先生は、私の長所やできていることを英語のレッスンだけでなく、日々のインターン生活も含めてたくさん挙げながら「だから、大丈夫だよ!」と背中を押し続けてくれました。

同僚のちょっとしたエピソードから考えさせられることもしばしば。
「私だったらすぐには気持ちの切り替えができないかも…」と思うような出来事についても、「まぁ、おかげで〇〇だったから」とか「結果的にこうなっちゃったけど、これもいいよね」などなど、物事の良い側面にさっと目を向けられる力にハッとさせられることがよくありました。


こんな風に、たとえ失敗したり、凹んだり、落ち込んだりしても、その出来事をさらっと前向きに転換したり、その出来事の良い側面に目を向けたりしながら日々を生きる同僚や友人に多く囲まれていたおかげで、私自身も常に前向きにチャレンジして、失敗して、また立ち向かって・・・と、楽しみながら歩けていたんだなぁと、そのありがたさをしみじみと思い返しつつ、「やっぱりこの”ある”を見るマインド、すごく大事だよね!」と腑に落ちた半年間でした。

ちなみに・・・
ちょうどつい先日、セブで一緒に過ごした友人と4年ぶりに再会したときも、「フィリピンのこのマインド、いいよね…!」とか「このマインドに助けられることがたくさんあったよね…!」という話で盛り上がり・・・「やっぱりそうだよね…!」と個人的に嬉しくなりました。


”You(I) can do it!"の精神を大切に

「ある」を見るとかなり近い話ではありますが、「信じる」ことの大切さを改めて感じた半年だったなぁと感じます。

フィリピンにいた頃、大事な場面やちょっぴり苦手なものにトライしようとするとき、"I believe in you!" や ”You can do it!" という言葉をたくさんかけてもらいました。
個人的な感覚かもしれませんが、特に自分のことをよく知ってくれている人がこの言葉をかけてくれると、「よし、きっと大丈夫だ!」と不思議と思えてしまいます。

英検までの期間、”You are doing great!" と同じぐらい先生がかけてくれた言葉もまさにこの言葉でした。
英語に限らずですが、「できていないなぁ」とか「上達(成長)しないなぁ」のように停滞感を感じていたり、上手くできるイメージが描けずにいたりする期間が続くと、私は「自分を信じられない」という状態に陥りがちです。
そんなときでも、この"You can do it!" とか ”I believe in you!"のように、自分の可能性にフォーカスできるような一言をかけ続けてもらえたことで、「もういいかな…」となりそうなときでも、諦めずにコツコツ向き合えた気がしています。


「信じる」ことの大切さを感じる度に思い出すのが、フィリピンにいた頃にとても仲良くしていた同僚のエピソード。

あるとき、ちょっとした雑談から彼女の夢の話を聞くことに。
その夢は、当時彼女が会社から任されていた仕事とは一見まったく関係のない領域の仕事をすることでした。
それに対して「今の経験は〇〇という点できっと活きると信じているから、いつか必ず私は夢を叶えられると思う」と彼女は言い切ったんです。

このとき私は、自分の無限大の可能性を信じて今を生きる彼女の姿や力強さが素直にカッコいいと思いました。
そして、そんな風に自分の可能性を信じているからか、同じぐらい他者である私のことも信じて応援してくれて、彼女がかけてくれる言葉は素直に受け入れて、力にできている自分がいたなぁと感じます。


自分の中で「自信がある」という感覚が持てれば、それはベストなのかもしれませんが、場合によってはなかなか自信が持てないこともあるかもしれません。
そんなときは、自分のことを信じてくれる人を信じて、自分を"I can do it!"で奮い立たせながら、歩き続けることも大切なんだなぁと改めて思っています。

常に"enjoy"する気持ちを忘れない

私はプレッシャーのかかる状態や緊張状態がとても苦手です。
大事な局面では、不安や緊張で腹痛を起こすこともしばしば。
でも、先生は常に "enjoy" の精神を忘れない人でした。

レッスン冒頭のsmall talkでは、その週にあった出来事や近況を話す時間があります。
ときどき、先生自身の話をしてくれることもあり、先生自身がいろいろチャレンジしていて、そのチャレンジを楽しむ姿に勇気をもらっていました。

私自身にプレッシャーがかかる日々の出来事の話や英検の前日でも、先生がかけてくれる言葉は ”Enjoy!" でした。
そして、その根底には先ほどの「自分を信じる」ことがあるんじゃないかなぁと思っています。

ここまでやれるだけのことはやってきた。
だから、あとは「本番」というその時間すらも楽しむこと。

おかげで、2次試験の本番も「面接官とのコミュニケーションを楽しむ」ことにフォーカスでき、比較的リラックスして臨めたなぁと感じます。


試験に限らず、仕事でも、プライベートでも「頑張ったからには結果が欲しい」と、つい肩肘を張り過ぎてしまうところがあります。
でも、「やれることはやった!」と思って、その時間を大切に楽しみに行くマインドで取り組めると、自分の力が発揮しやすいんだなぁとしみじみ。


プロセスも大切にする

これまた「ある」を見るとも近いかもしれませんが、プロセスを自分で認めることの大切さにも気づかされました。

8月からレッスンを始めて、2次試験は3月の頭。
その間、仕事が鬼のように忙しくて苦しい時期もあれば、仕事や英語以外で他に頑張りたいこともある・・・そのときどき、先生はそんな私の状況をsmall talkで細かく聞いてくれていていました。

日々のレッスンでは、英語以外の悩みについても、「こう考えてみたら?」とアドバイスをしてくれたこともしばしば。
考え方や物事への向き合い方自体が私とは全然違うので、アドバイスや捉え方自体も「そんな風に考えるのか!」と刺激的で、良き学びをたくさん得ていました。

そんな風に、試験対策以外にも、いろんな話をしながら進めてきた半年間。
試験の前日、先生が"enjoy"とともにかけてくれた言葉には、思わず涙でした。

「これまでどれだけ忙しくても、疲れていても、週に1回の宿題とレッスンに諦めずに向き合い続けてきたよね…! 本当にありがとう! だから、明日はきっと大丈夫!」

*注:ここでいう"Thank you"とか"appreciate"は、日本語でいう「お疲れ様」的な意味合いなのかもしれません…。


どれだけ忙しくても、何があっても、「(私が)やる!」と決めたことなのだから、宿題は絶対に毎週欠かさず出すことが私にとっては”当たり前”でした。
むしろ、その”当たり前”を最後まで貫き通せなかったことを心苦しく&申し訳なく思っていたこともあり、胸がじんわりと熱くなりました。

それと同時に、「欠かさず出し続ける」ことは叶わずだったけれども、そこに向けて時間を捻出しながら努力し続けてきた自分はたしかにいて、結果はともあれ、その努力は自分が自分で認めてもいいのかもしれないなぁと、気づかせてもらいました。

おわりに

英語で言われたことを日本語に置き換えながら書くのが、意外と難しかった・・・!(上手く伝わってますように…!)

「どんなときも物事を前向きに捉え、力強く歩み続ける」
「目の前の人が持つ力を信じて応援する」

私にとっては、先生との対話を通して、フィリピンにいた頃に常々肌で感じていたことを改めて思い起こさせてもらった半年でした。

今日書いたこと以外にも、ハッとすること、気づかされること…が日々のレッスンの中にはたくさんあって。
これまでフィリピンで学んだこと、改めて思い起こさせてもらったこと…を大切にしながら、これからの日々を過ごしていきたいなぁと思っています。


最後に、話は少しズレますが・・・

「AI時代になぜ英語を学ぶのか? 果たして、そこに意義はあるのだろうか?」

英検に向けて再び英語を学び始めたときに、私の脳裏を掠めた問い。
実際、私自身もChat GPTに和文英訳・英文和訳をお願いしたり、英作文を添削してもらったり…便利に活用してはいます。

ただ、この問いに関する私個人としての答えは「英語を学ぶ意義はある」です。
なぜなら、英語を学び、生身の人と英語でコミュニケーションを取れるからこそ、得られる気づきや学び、触れられる温かさがきっとあるからです。

この見出しの冒頭で「英語で言われたことを日本語に置き換えながら書くのが難しい」と書きました。
上手く説明できないかもしれませんが、言われたことを言われた通りの言葉(言語)で、ニュアンスまで含めてそのまま受け取るときと、翻訳されたもので受け取るときとで、受け取るものも変わる気がするんです。
「ニュアンスまで含めて受け取れるからこそ、感じられるものがある」とも言えるかもしれません。

実用性も当然大切なところではありますが、コミュニケーションのツールとして英語を学び、英語を使って異文化の人と触れ合うことを心から楽しめる人、そしてその触れ合いをきっかけにして、心豊かな人生を送る人が増えたらいいなぁと、私自身は思っています。

そのために私自身には何ができるのだろうか・・・そんなことを考えながら日々を過ごしてみようかな…と思っています。


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