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現代に蘇る新解釈貞子 貞子DXを観ました!

いま、映画館がすごいことになっています!
バーフバリ等で知られるインド映画の鬼才ラージャマウリ監督の最新作RRR
君の名は、天気の子に続く新海誠監督のボーイミーツガール伝奇アニメ、すずめの戸締まり
メタな意味でも『受け継いだ者達』が紡ぐ物語であるブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー

この間違いなくどの作品も後世の歴史に残るであろう名作映画がひしめく2022年冬。
そんな中、私は一作の映画のチケットを握りしめ期待に胸躍らせながら銀幕を見上げたのです。
その映画とは、そう

貞子DX

貞子DXは貞子シリーズの最新作。
一作目『リング』は同名のホラー小説を原作とする映画で、映画を観た事がない人でも呪いのビデオを観たらテレビから髪の長い女の幽霊が出てくる有名な光景には見覚えがあるのでは無いでしょうか。

リングシリーズは2作目のらせんまでは映画化されましたが、3作目のループは映画化されていません。
原作ループでは、前作までの出来事はコンピュータ内の仮想現実の出来事であったという衝撃的な真実が明かされ、壮大なSFドラマが繰り広げられます。
流石に実写化が難しかったのか、ホラー作品としてのイメージを守りたかったのか、3作目は映画化されず映画は設定を引き継いだオリジナル作品である貞子シリーズへと移行していきます。

しかしながら貞子というキャラクターはあまりにもアイコニックなキャラクターになりすぎていて、従来通りのホラー映画をやっても面白くない。
貞子シリーズも新しい路線を探って試行錯誤している印象でした。

そこに来て制作された最新作、貞子DX。

DXとは、デジタルトランスフォーメーションの略称で、デジタル技術により人々の生活が変わっていくという意味の言葉であり本作のテーマでもあります。

でもどう見てもサダコデラックスと読んでしまいます。
間違いなく意図したネーミングだと思っています。


たのしい貞子

さて、今回の貞子DXの主役は2人。
1人目は小芝風花演じるIQ200の天才少女、一条文華
含蓄深い知識量と鋭い洞察力、また高い記憶力を持っており、作中幾度もマジでアホみたいなポーズをしながら自身の記憶から手がかりを探り、状況を打開する一手を見つけていきます。

2人目の主人公はTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEのメンバーであり俳優としても活躍する川村壱馬演じる前田王司
胸にリボンがついてるマジでアホみたいな服に身を包み、女性をすぐ下の名前で呼び軟派な態度で接する軽薄なチャラ男。
しかしアホながら純粋で憎めないキャラです。
筆者は川村壱馬が大好きなのでこの映画を観に行きました。

今作はこの2人が呪いのビデオにまつわる事件の謎を解いていく作品となり、ホラー映画というよりオカルト解決バディもの映画といった趣です。

作中でも恐怖と笑いは紙一重……というか多分笑いに比重が置かれている感じがあり。
呪いのビデオを観た文華の妹の前に貞子……ではなく白いワンピースに身を包んだハゲのおっさんの姿に擬態した貞子が現れるといったヤクやりながら脚本書いたようなシーンがあったりします。
また、貞子に呪われた人は貞子に投げ飛ばされ柔道の受け身のような動きで死亡。
貞子に一本取られると死ぬという斬新なシステムを採用しています。

そして何かあるたびに前田王司が大声で叫んだり大きな物音を立てて怯えたりするのでマジでうるせぇ。
いい感じに緊迫感のない映像が続くなか、鉄面皮インテリ女と小心者アホチャラ男の凸凹コンビが呪いのビデオの謎を解き明かしていくのが本作です。

今作は一作目リングの20数年後という設定。
呪いのビデオを見た人は7日後に死亡していたはずなのに、今作では24時間で死亡。
また、リングでは呪いのビデオをダビングし他人に見せる事で死を免れる事ができましたが、今作ではその条件を満たした人間も死亡。
しかし文華達2人は無事。

呪いのビデオを観た後に生き残る方法は何なのか?
20年前の呪いのビデオと今回のビデオは何が変わっているのか?
『何故』呪いのビデオは変化したのか?
それらを解き明かすのが本作のキーとなっています。

そして映画の結末で描かれる予想だにできなかった真実(こんなオチ予想できるか)
私は映画館で「嘘だろ!?!?!?」って声が素で出そうになりました。


原作者監修による新しい貞子ワールド

さて、今作はぜひ映画館で「嘘だろ!?!??!?」となって欲しいので極力ネタバレを避けて記事を書きました。
今作はホラー要素もそこまで強くなく、むしろコメディ寄りのため多くの人に楽しんでもらえる映画かと思います。

王司の家がリサイクルショップだったり、自分の知らないうちに息子が呪いのビデオを観てしまうシーンがあるなど、前作セルフパロディ要素も多くシリーズファンならニヤリと出来ます。
また、映画化されていない『ループ』の要素をかなりフィーチャーしたという印象もあり、貞子は『呪い』なのか?それとも人を媒体とする『ウイルス』なのか?という要素などはまさにループの再解釈と言えるでしょう。

しかし前作との繋がりはほぼ無いため、全く知識がなくても楽しめます。
お前ら名作映画ばっか観るな!!貞子DXを観ろ!!!
ちなみに川村壱馬主演映画としてはHiGH&LOW THE WORSTシリーズがオススメです。
お前ら!!ザワを観ろ!!!!




ちなみに微ネタバレなのですが、ラストで映画館の客席の映像を流すメタ的な演出があるのですが、あれ多分私のいた映画館じゃ無いと思います。
私以外に観客1人もいなかったので

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