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#9 "No 『応援』, No life" みんなが応援したくなる存在について

ぼくは今、サワーポメロの香りに包まれながらこのnoteを書いている。

恋する中学生がはじめて書くラブレターのような出だし。
それくらい今ぼくはドキドキしてる。深夜2時。全然眠くない。
今夜は自宅から高速で40分ほどのところにある鹿児島県いちき串木野市というところまで出かけてきた。サカキシンイチロウさんという方の講演を聞きに。タイトルは『サワーポメロを応援したくなる!ーおいしいローカルフーズの話ー』。ちなみに、サワーポメロはいちき串木野名産の柑橘だ。

講演がおもしろかったので、メモを横目に少しまとめてみたいと思う。

司会の方からの紹介を受けて、「たのしい話をしてくれる、と紹介されたけど『誰にとっての』たのしい話にするのかが考えどころですね」と。

そこから会場を見渡し、自分と同じ年くらいの女性に話しかけ、「同い年くらいですか?若く見えますね」と。

次に自分の出身が愛媛県で、愛媛のみかんとポンジュースの話をからめつつ、ポンジュースが品種改良して市販するところまで学校給食で何度も味見したエピソード。それに対して先生が「愛媛はみかん農家さんたちのおかげで成り立ってるから」と協力しようと話したことも。

そこからマラソンの話。マラソンを走る動機で「応援してもらえるとがんばれる」と答えた人がいた。サワーポメロ(とそれを作っている人たち)が目指すのは「買ってもらう」ではなく「応援してもらう」ことだ。好きになってもらって、誰かに伝えたくなってもらって、それを伝えられた人も興味をそそられて買ってみたり、行ってみたりしたくなることだ。

じゃあ人が「応援したくなる」のってどういう時なんだろう。まず、知らない人は応援できないよね。知ってる人は応援できる。次にナンバーワンの人、圧倒的に実力がある人は応援できるよね。

ではサワーポメロはどうだろう?知ってる人は少ない。カゴシマと言えばサワーポメロ!とはならない。そしてもちろんナンバーワンでもない。これじゃ応援はしてもらえない、かな?

そんなことはない。有名じゃなくても、圧倒的な実力がなくても、日本中のみんなが応援したくなる大きな大会が毎年毎年開かれている。
「甲子園」だ。

彼らのように一生懸命、なにかに向かって、努力する。これが『生き残る道』だ。

ここからローカルレストランの話になっていく。静岡にある『さわやか』というハンバーグレストランの話だ。牛肉が大好きな社長さんがお客さんのためにステーキよりもおいしいハンバーグを作りたい、と5億円の無菌工場まで建てて作った『レアで食べられる牛肉100%のハンバーグ』の話。工場からフレッシュな状態で運べる場所にしか店舗展開しないから、基本的に県境を越えることは無い。
全く広告はしないが、スタッフには徹底してそのおいしさを伝えることで『中の人』からのクチコミが広がって、今では地元の人たちに愛されるお店になった。
広告は人の心に響かない。でもそれを応援する人たちの言葉はクチコミとなり強く大きくひろがっていく。

今は新しいものが売れる時代じゃない。みんな冒険はしない。でも、もっとおいしい、もっと安いを探してる。見つけて、気に入れば、リピートする。
どうやって『リピートしてもらう』のか。まずは本当にサワーポメロを楽しんでもらったかをちゃんと確認するところから始めるんだ。
ちゃんとおいしい状態で食べることができたのか。満足してもらえたか。どうしてほしかったか。改善点はなかったか。加工品を作ってもいい。
どうやったらサワーポメロの持ってるおいしさをたくさんの人に楽しんでもらえるかを考えるんだ。

とにかくお客さんに『話をきくこと』。そしてもらったリクエストにひとつひとつ丁寧に一生懸命向き合って答えを出していくこと。そうすれば、みんながサワーポメロ(とそれを作っている人たち)のファンになり、どんどん応援しはじめる。

この話を聞いてて、ほんとうにドキドキした。自分たちがやりたいことはこれなんだと思った。応援すること、そして、応援してもらうこと。

ぼくらのお店の存在価値は「関わる人たちを応援すること」。
関わってくれた人たちがぼくらの居酒屋で時間をすごして、元気になったか、たのしくなったか。ちゃんと確認して、そのことに向き合っていく。その結果としてみんなにファンになってもらい、応援してもらえるお店が作られていく。それってすごく幸せなカタチなんじゃないかな。

みんなたのしくなーれ。みんな元気になーれ。ぼくらはそんな居酒屋、つくります。

とまあ、そんなことを考えて、マジックを手にとり、いただいたサワーポメロに「ガンバレ!」と描いてみた。明日、いや、今日はサワーポメロ祭りの本番だ。僕らは僕らのやり方で、サワーポメロ(とそれを作っている人たち)を応援しよう。

(つづきます)

子育てしてる大人たちが心からリフレッシュできる飲食店を作っていきたいと思っています。応援してくれたらとってもうれしいです。