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連続note小説「藤塚耳のコーライティング」

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noteで連載した小説「藤塚耳のコーライティング」のマガジンです。
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連載note小説「藤塚耳のコーライティング」第6回(最終回)

連載note小説「藤塚耳のコーライティング」第6回(最終回)

「耳祭り」まで、あと4日

ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぅ
 ぽぽぽぽぽぽぽぽぽ!

スマートフォンのカメラの性能が非常に向上しているため、事実はあきらかだった。深夜、新大久保のラブホテル街から駅前へむかう、藤塚耳と、となりに男が一人。ナマコが布団のなかで妄想したあらゆるケースの中で、それは最悪のものだった。藤塚耳に恋人がいた、男がいた、とナマコはうめいた。予想通り、音楽関係者じゃないか。どうせ、こいつとユ

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連載note小説「藤塚耳のコーライティング」第5回

連載note小説「藤塚耳のコーライティング」第5回

「耳祭り」まで、あと6日

「耳ちゃん、残念だなァ。耳ちゃんは素敵なのに、どうして僕の好みの曲をやってくれないのかなァ。絶対そのほうが路上からのサクセスストーリー、天使の歌声きっと届くと思いマス」
 そこまでフリック入力した手が震えて、ナマコはスマートフォンを地下鉄のホームに落っことした。着膨れした朝の通勤ラッシュで、棘皮動物たるかれの体壁はすっかり擦過傷だらけだ。まいにちナマコに通勤させるなんて

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連載note小説「藤塚耳のコーライティング」第4回

連載note小説「藤塚耳のコーライティング」第4回



「ま、またまた」
 耳は警戒心を悟られないようにふるまいながら、路上にあつまる、ほかのファンの対応を優先した。なるべく自然に行動しながら、危険なファンを避け、なおかつそれがファンのあいだで「塩対応」と呼ばれるそっけないものにうつらないよう、客観的な視線を意識する。それでもその太ったSSWおじさんは、煮コゴリのように固まった表情のまま、二、三歩だけ耳のほうに近づき、また「ま、またまた」とちいさ

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連載note小説「藤塚耳のコーライティング」第3回

連載note小説「藤塚耳のコーライティング」第3回

第2回はこちら

「耳祭り」まで、あと16日

きびしい寒波がおそう冬の夕暮れ、渋滞する明治通りとの交差点を越え、JR新宿駅の甲州街道口改札出口にむけて、なだらかに坂道となる国道20号・甲州街道の、都内にしてはずいぶんと幅のある歩道を、一匹の、人間の成人の背丈ほどもある、しめったナマコが、ゆっくりと、黒い液体をちょっとずつもらしながら、その体躯の全体を、ぬるぬるとうごかして移動していた。体壁を伸縮

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連載note小説「藤塚耳のコーライティング」第2回

連載note小説「藤塚耳のコーライティング」第2回

第1回はこちら

「耳祭り」まで、あと18日

「おはよう、耳さん。今日のファッションも、素敵ですネ」
 耳がアップしたインスタグラムの自撮り写真に、また同じ人物からコメントがついた。耳は普段ならそれを小石のようにスルーして「ありがとうございます♪」と機械的にコメントを返すのだが、今朝はそうはいかなかった。コメントの最後の「この前のショッピングの時に買った服かナ(汗)?」という一文があまりにも気が

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連載note小説「藤塚耳のコーライティング」第1回

連載note小説「藤塚耳のコーライティング」第1回

「藤塚耳のコーライティング」
ペンギンス

「耳祭り」まで、あと19日

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