メッシを見た

ついに、生でメッシを見た。

新国立のマイアミ対神戸。後半15分にメッシが出てきた瞬間、会場の底から唸るような歓声が上がった。隣の友達は発狂してた。俺ももつ煮込みを持つ手が震えた。

やっぱりメッシは上手かった。テレビで見ていたあのドリブルだった。シュートも打った。阻まれたけど感動した。自分の目の前でメッシがシュート打ってるなんて、信じられん。

あっという間に試合は終わった。興奮冷めやらぬまま会場を後にして、普段は飲まないビールを飲みながら、友達といかにメッシが凄いかを語りあった。気がついたら飯田橋にいた。勢いでよくわからない海鮮丼を食べた。忘れられない一日になった。

それから少し経って、別の友達にテイラー・スウィフトについて熱く語られた。Swiftyの彼女は東京ドームのライブを観に行ったらしい。放心状態だとか、凄すぎるとか、しばらく会えないのが寂しいとか言っていた。

俺を置き去りに熱く語る彼女のLINEを見ながら、俺はエンターテイメントが持つエネルギーに改めて感心した。人間はこれなしでは生きられない。

映画「いまを生きる」のキーティング先生はまさにそのことを言っていた。俺はそのセリフが大好きで、ずっと忘れないでいようと思っている。

We don't read and write poetry because it's cute. We read and write poetry because we are members of the human race. And the human race is filled with passion. And medicine, law, business, engineering, these are noble pursuits and necessary to sustain life. But poetry, beauty, romance, love, these are what we stay alive for.

「我々が詩を読み書くのはそれが心地よいからではない。それは我々が人間であるという証なのだ。人間は情熱に満ち溢れている。確かに、医学、法律、経営、工学は尊い仕事だし、生きていくために必要なことだ。だが詩、美しさ、ロマンス、愛は我々が生きる理由なのさ」

スポーツ、音楽、ダンス、文学……エンターテイメントにはそれぞれにしかない栄養分がある。せっかく生まれたからには、全部平らげて栄養過多で大往生したい。


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番外編

最近、学童でボランティアをしている。

事業も成功してないのにそんなことしている場合なのかとも思ったが、そんなことを言っていたらいつまで経ってもできない気がしたので、とりあえずやっている。

そこでこの前、小3の女の子と一緒に絵を描いた。俺のミッションは、段ボールに水色の絵の具で空を描くことだった。その子のミッションは、俺を監督することだった。

黙々と描いていたら、突然その子が「この前大谷選手のグローブが届きました」といってきた。話を聞いたら、早速それでキャッチボールをしてきたらしい。俺が小学生のとき、キャッチボールを女の子がしているのは見たことがない。そう考えるとすごいことだし、大谷さんは間違いなく野球人口の増加に貢献していると思う。

絵を描き終わったあと、別のふてぶてしい男子とバスケをした。「儲かってんの?」と聞かれたので、「まあまあ」と嘘をついた。そしたら、「それ、嬉しいの?」と聞かれ、言葉に詰まった。子供はたまに核心をついてくる。確かに、儲かるだけだったら嬉しくない。誰かの役に立って、結果的に儲かるんじゃないと意味がない。

困ったから、その子には「お前もやってみれば?」と言っておいた。俺も起業家人口の増加に貢献したっていうことで、とりあえず満足です。

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