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Vol.123:「御嶽神教~うるま琉球沖縄神道記~」を紐解く

沖宮の再興の初代宮司である「比嘉真忠」さんが書いた「御嶽神教」を紐解いてみた。今現在は三代目の宮司さんの時代になっている。

昭和29年頃、沖宮復興の御神託を受けて、天久町先樋川に引きつけられて、天龍大御神と天久臣乙女王御神の降臨となったのがスタートらしい。巻頭には白黒の写真が多数掲載されており、往時の沖宮や御嶽が写されている。貴重な歴史資料といえるだろう。

比嘉真忠宮司が御宣託により開闢した御嶽神々達を整理してみた。

◾️天主大御神(てんしゅおおおんかみ)、天御中主神
◾️寿幸宇天良長老堂(じゅこううてんらちょうろうどう)、地頭火の神
◾️神代の神々(天照大御神)
・天受久女龍宮王御神(てんじゅくめりゅうぐうおうおんかみ)、御先女天神代
・天智門女龍宮王御神(あまちじょうめりゅうぐうおうおんかみ)、中女天神代
・天受賀女龍宮王御神(てんじゅかめりゅうぐうおうおんかみ)、今女天神代
◾️神世一代の神々
・天龍大御神(てんりゅうおおおんかみ)、父御神
・天久臣乙女王御神(あめくしん乙女おうおんかみ) 、母御神
◾️神世二代の神々
・天風龍大神(あまふうりゅうおおかみ) 、子の神、表筒男
・表臣幸乙女王御神(うわしんこうおとめおうおんかみ)
・天火龍大神(あまひりゅうおおかみ)、丑の神、中筒男
・中臣幸乙女王御神(なかしんこうおとめおうおんかみ)
・天水龍大神(あますいりゅうおおかみ)、寅の神、底筒男
・底臣幸乙女王御神(そこしんこうおとめおうおんかみ)
◾️神世三代の神々
・弁天負しろの大神(べんてんよしろのおおかみ)、卯の神
・弁天負泰彦大神(べんてんよりひこおおかみ)、午の神
・弁天負百津姫神(べんてんよもつひめかみ)、辰のろ神、木龍宇具志久乙姫王
・弁天負久知姫神(べんてんよくちひめかみ)、巳のうみない神
・仁天屋しろの大神(じんてんやしろのおおかみ)、未の神
・仁天屋船或久姫神(じんてんやぶねひくひめかみ)、申のうみない神
・仁天屋船久久姫神(じんてんやぶねくくひめかみ)、酉のうみない神
・来天皇久能知大神(らいてんすめくのちおおかみ)、戌の神
・来天皇明久或姫神(らいてんすめあけくひひめかみ)、亥のうみない神
◾️天祖子、御先、子の御世
・天み東大主(あまみとううふしゅ)、大国様
・天芳子乙女王御神(てんほうしおとめおうおんかみ)、大国大明神、天津神
・奥武布袋大主(おうふうたいうふしゅ)、布袋様
・天仁子乙女王御神(てんじんしおとめおうおんかみ)、布袋様の妻、天川神
・天底毘沙門大主(あまそこびしゃじょうおふしゅ)、毘沙門様
・天来子乙女女王御神(てんらいしおとめおうおんかみ)、毘沙門の妻、天底神

ここまでが主要な神々であるが、トータルで108箇所は最低限あるようだ。

88箇所参りというのも設定されている。また、東廻い、今帰仁廻い、もあるし、もっと細かいものを入れると、幾つあるのか、ネット上ではなかなか把握が難しいのだ。追々、沖宮に通って、解明してみたい欲求はある。

これだけの数の神を、男神、女神、12支、などのヒエラルキーに乗っ取り、琉球神道の世界観を構築した比嘉真忠さんの功績は巨人といっていいだろう。

空海が作り上げた四国88ヶ所のお遍路さんに匹敵するボリュームである。

これだけの数の御嶽を廻っている人の数はどれくらいだろうか。いくつかの箇所では、雑草も伸びているような箇所もあり、ノロやユタなどの高齢化もあり、この沖宮関連の御嶽以外の物含めると、徐々に忘れ去られて行く懸念もある。

続く。


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