いかに最高のプロダクトを提供し続けるか 〜取り組み②:ドッグフーディング〜

前回は、最高のプロダクトを提供し続けるために、取り組み①として、フィードバックの窓口と開発状況をオープン化することで、ユーザの声をもらい続ける続けるという取り組みを説明した。

今回は2つ目。ユーザの声をいかに実感し、納得を伴って開発を進めるかということに焦点を当てた取り組み。

取り組み②:自ら利用しドッグフーディングを行う

ドッグフーディングの語源は、下記のとおりである。

この 「ドッグフーディング」 という言葉は、想像がつくかもしれませんが、実際のドッグフードがその語源となっています。1980年のALPOドッグフードのコマーシャルで有名なサイエンスフィクション俳優、ローン グリーンが「自分はこのドッグフードをただ宣伝・推薦しているだけではなく、実際に自分が飼っている犬にも食べさせているのだ」と語ったことからこの言葉が生まれました。その後、MicrosoftやHPからGoogleまで、IT企業はいち早くこの手法を実践したのです。

https://blog.gengo.com/ja/gengo-way-dogfooding/ より引用)

このようにドッグフーディングとは、自ら開発したプロダクトを自ら利用することで、改善点が見つけ易くする取り組みである。とりわけ、常にプロダクトが進化し続けることで、最高の体験を生み出すSaaSプロダクトにおいては、この取り組みは有益である。

なぜ、ドッグフーディングが最高の製品を提供し続けるために必要かというと、下記の2つの理由が挙げられる。

1つ目は、プロダクトを実際に使って体験をしてみないと、利用者が感じる課題が見えないこと。百聞は一見にしかず、ということわざにもあるように、当事者にならないと課題を感じられない、理解できないことは多々ある。

2つ目は、当事者として理解できないと、ユーザの声に納得感を持てないこと。SaaS型のプロダクトでは、あったほうが良い機能なんて山ほどあるが、さてどれから手を付けるべきか。やるかやらないか、どの順でやるかを直感的に見極めるためには、自ら利用して感じるしかない。

また、共通認識を持つためにも、できるだけ多くのメンバーでドッグフーディングをすべきだ。社内をいきなり巻き込んでやるもよし、まずはカスタマーサクセスのチーム内で小さく始めて成果を見せて巻き込むもよし。社内のカスタマーサクセスの浸透度により、巻き込み方は異なると思うが、できるだけ多くを巻き込んだほうが、作り手側の共通認識が深まり、納得感が強く開発を進められることだろう。

なお、ドッグフーディングには1点だけ注意点がある。それは、できるだけ初めて利用する人の気持ちになって行うことだ。なぜなら、作り手側はすでに知っていること、無意識に諦めていることなど、作り手だからこそのバイアスがかかっている。そのため、できるだけバイアスを排除して臨むのが好ましいが、なかなか難しい部分もあるので、新たにメンバーに加わった者にはぜひともドッグフーディングをやってもらうようにしよう。

そして、ドッグフーディングで上がった課題は、ユーザからのフィードバックと同様に、検討状況や開発状況を社内でオープンにしておくと良い。

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