メンテナンスについて、驚くこと。

マンション管理に5年携わってみて、毎日の生活を、不便・不具合・不安なく快適に送れるようにするためには、実に細かいところまで手配が必要だということ、それも、一時的なものではなく、先々まで設計・計算されていなければならないことに、気づくようになりました。

ある退去後のお部屋を、チェックして回っていた時のこと。吊戸になっている扉の、床の部分に取り付けられている、金属の床付ガイドと呼ばれる部品が、歪んでいることに気づきました。大きな木製の扉を開け閉める際、特に閉める時に、重い扉の動きの勢いに引っ張られ、負担がかかるようでした。

傷んでいるので、チェックをお願いします、と原状回復工事の業者さんにお願いしたところ。実は、 この部品は、建築時にオーダーメイドで作成したため、切れた時に発注できず、 原状回復業者さんが見よう見まねで自作していたとのこと。 

毎回は対応できないので、今後のためを考え、施工会社に頼んで欲しいと依頼を受け、間に入りお願いすることになりました。こんな細かい部品まで、オーダーメイドの場合があるんだ、と驚きでした。

他にも、施工時に、先々のメンテナンスのことまで、考えられていなかったんだな、と驚いたことがあります。

巡回中、非常階段脇にある照明が、点いていないことに気付き、調べたのですが。吹き上げ設計になっている、非常階段から上を見上げてみると、壁一面にずらっと二列、屋上のガラス天井まで続く照明の中に、チラホラ切れているものを発見しました。 館内の照明には、人感で作動するものや、タイマーで点灯時間が設定されているものがあるので、まず、単純に管球切れなのかどうか分からないという問題がありました。

片方の列は全部点いていないので、チラホラ点いていないものは管球切れだろうと推測できましたが、さて交換するには、と思った時、照明と階段の手摺にはかなりの隙間があり、上階までは相当高さがあるので、これはどうやって作業をすれば・・と疑問に思いました。

専門業者さんの点検時に、別件で指摘がありました。この電球は非常用照明なので、万一の停電の際に点灯できるよう、照明一つ一つにバッテリーが搭載されているとのこと。バッテリー切れの確認が必要と言われましたが、それにもやはり管球切れを確かめなければならないのです。

メンテナンスを担当している業者さんに聞いてみたところ、足場を組まないと交換は無理とのこと。しかも、一度に全部交換しないと、後々バラバラと管球切れが続くことになるため、大がかりな対応になるそうです。

外見が豪華で新しくても、中身はこんなふうに、徐々に傷んできます。こういったことは、実際管理をしてみないと、分からないものだな、と思います。

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