サービスレベルの設定

先日、あるご入居者から、車の鍵とシャッターリモコンをお預かりしました。

“車のディーラーさんが、点検のため車をピックアップに来るので、鍵を渡して駐車場を案内してあげて欲しい。終了後にまた戻しに来るので、納車の後鍵を預かっておいて欲しい”というご依頼でした。

いつものことなので、通常通り対応したところ、ディーラーさんとの雑談で、鍵を預かってこういう対応をしてくれるフロントは、意外にないということを知り、ビックリしました。

常駐でコンシェルジュがいても、鍵を預かったりするのは、「何かあった時に責任が取れないので、できない」と断られることが多いそうです。確かに、分譲マンションに移られたご入居者からも、今の物件のフロントは融通が効かない、というお話を聞いたことがあるので、そういうものなんだ、と改めて驚きました。

フロントが夕方6時くらいで閉まってしまうところもあって、対応してくれることと言えば、宅配物とクリーニングくらいみたいですよ、と聞いて、いろんな人から話を聞かないと、世の中のことは分からないものだな、と改めて感じました。

確かに、高額な家賃を払っているのに、サービスが悪いという気持ちも分かりますが、運営側からすると、厳格にラインを引いておかないと後々困る、というのもよく分かります。この間こういうリクエストは聞いてくれた。じゃあこれも・・・と、どんどん際限なくリクエストの領域が広がっていってしまうからです。

私は、ここの物件の設立以来のスタッフではないので、最初のメンバーは大変だっただろうな、と推測します。マネージャーから、設立当時の話を聞いたところ、ベルボーイみたいに荷物を運ぶといったことまでするのか?と、いろいろ線引きが難しかったそうです。

ここまでは受けるけれど、それ以上は断る、どうしてもというリクエストがあった時だけ、こっそり対応する、などなど、スタッフ間で、またご入居者側からの理解が定着するまで、コントロールが大変だっただろうな、と想像し、管理・運営の難しさを、実感しています。

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