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ドラマ「生きるとか死ぬとか父親とか」雑感(今さら)

2021年4-6月期の春ドラで、『大豆田とわ子』と並ぶ面白さだった(私はね)、大人のドラマ。
ただ、毎日スワローズ戦を見るのに忙しいのでドラマ録画が溜まる一方なんですよ(<お前の勝手じゃ)。やっと最終話を鑑賞。

シリーズ構成とメインの演出は映画監督の山戸結希。私は『溺れるナイフ』(16年)で見初め、『ホットギミック ガールミーツボーイ』(19年)辺りから「おんな大林宣彦」と呼んでいます。細かいカット割りを繋いだ独特の語り口が似ている気がするんですよね。美少女好きだし。

なので、このドラマの第1話を観た時は本当にドキドキハラハラした。
まごうことなき山戸結希節。ドキドキするくらい(私好みの)細かいカットの積み重ね。でも、テレビドラマでそんなことやってたらスタッフに嫌われますぜ。ハラハラ。2話目は少し落ち着いたけどね。最終話は少し再燃。なに?そのピン送り。そーゆー頭オカシイ演出も大林宣彦的なんだよな。

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そもそも美少女好き(思春期の少女好き)の山戸結希好みの話じゃないだろーと思ってたんですが、そこはそれ、吉田羊の若い頃役の松岡茉優ちゃんで留飲を下げるんですね。そういや同時期のドラマ『きれいのくに』の吉田羊の若い頃役は蓮佛美沙子だったな。松岡茉優に蓮佛美沙子か。妙に納得できる。なんか吉田羊すごいな。

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このドラマの第1話、私が先に述べたドキドキハラハラしたカット割りですが、ラジオ放送に耳を傾ける女性達が描写されるんですね。この描写に、同じ空の下で生きる様々な女性達の姿が垣間見える。それぞれにそれぞれの人生がある。
このドラマは、吉田羊演じる主人公はもちろん、母親、友人諸々、女性達の「人生物語」が全編通して描かれるのです。
そして最終話も、第1話同様、街の描写がインサートされ、街の片隅でリスナーの一人が涙を流す。若い女性が汚い中華料理屋で一人でラーメンすすりながら泣いている。そこに「人生」がある。この広い空の下、どこかに誰かの「人生」がある。大きな物語に隠れがちな小さな物語だけど、確実に、一人ひとりに人生の物語がある。大人のドラマ。

このドラマは(泣きそうな気持ちを抱えて頑張っている)全ての女性に向けたエールだと思う。本当にいいドラマだった。山戸結希、いい仕事したなあ。

余談
中村優子とか石橋けいとか大好物。垂涎もの。鼻血も出そう。

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