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感想文Vol.1~死の淵を見た男~

 読書好きな飲み友達から「映画公開されてるけど、まずは原作を読んでみるといいよ。涙がボロボロ出てくる」と、いつものように飲んだ別れ際に渡され、時間ができたので一気に読んだ。

 物語は2011年の東日本大震災時に起きた福島第一原発事故当時の様子が描かれている。危険だと分かっていながら奮闘する原発の職員達、現場で犠牲になった方と遺族、避難した人々、首相や官僚の当時の様子が取材を元に描かれている。

 まず、思ったのは自分だったらどうするだろう?だった。危険と分かっているところへ自ら名乗り出て向かうことができるだろうか、落ち着いて行動できるだろうかなどである。現場の様子を想像しながら読み進め、国を守る為に名乗り出るシーンでは涙を流していた。

 そして、登場人物へは全員ではないが、フォーカスしている方もおり、生い立ちや人柄も書かれている為、イメージしながら読み進めていくことができた。その人の性格、残されている家族のこと、同期との関係性などである。命の危険があるかもしれない、その瞬間にも自分以外の大切な人を思う気持ちは熱いものを感じた。

 もはや災害とまで言われている昨今の状況。自分や大切な人の命を守ること、たくさんの情報が行きかう中で、よく考えて行動すること、そして何より医療従事者や生活必需品を扱うお店で働く方々への感謝の気持ちを忘れぬようにしなくてはいけないと思う。※感想文とは離れてしまいましたが…

 自粛前は頻繁に会っていた友人(本を貸してくれた人)には、電話で連絡を取ったくらいで会えてはいない。また本の内容を語ったりしながら、一緒にお酒を飲める日が早く戻ってくることを願う。

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