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「私はカモメ」

1963年6月、一人の宇宙飛行士が地球の周りを周回する。
宇宙に人類が第一歩を踏み出して2年、それは初めて女性が宇宙を飛んだ歴史的な一日だった。
世界初の女性宇宙飛行士を乗せた宇宙船はボストーク6号、彼女のコールサインは「チャイカ」、すなわちカモメであった。

「こちらはカモメ」(ヤーチャイカ)という応答が宇宙で初めて女性が発した言葉となる。これはチェーホフの「カモメ」でいつか飛び立つことを夢見るヒロインのセリフでもあり、それに引き付けて紹介されたが実際には彼女はどう感じたのだろう。悠々と高く空を舞うカモメのように地球を眺めたのだろうか。それを見て、何を思ったのだろう。

私はカモメ / ミツマチヨシコ

いつか、あなたが、私が宇宙から地球を見る時、いったい自分をどんな生き物に例えて眼下の光景を眺めるだろうか。春に向かうこの季節、そんなことを想ってみるのも悪くないかもしれない。

※今月は1月28日より公開の「宇宙の話をしよう~Tales of the Cosmic Voyage~」より、追加超特急で制作した切り絵からの一枚。元絵は実際に見るとそんなに変じゃないのに、データにしたら「この人絶対 課長 島〇作にいたわー!!!」という漫画チックな絵になってしまい、頭を抱えつつだいぶ修正しました。そんな労作も一瞬登場する「宇宙の話をしよう」をぜひご覧いただければと思います。

プラネタリウム版「宇宙の話をしよう」制作秘話 vol.3 ミツマチヨシコ
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ミツマチヨシコ
2002年から活動中の切り絵作家。水彩、漫画、動画なども作る。
作風はノスタルジック。ファンタジーとバンプオブチキンをこよなく愛している。
内なる宇宙をこの世界に持ち出し、未知なる外宇宙に思いをはせる日々。

2023年2月号より

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