見出し画像

咆えさせていただきますわ

こんにちは。

ちょっとこのまま家に帰るなんてできないな、これで今日が終わりなんてあんまりだ、一旦全てを忘れたいっていう一日だったので、思い立った0.5秒後には行き先を自宅から映画館方向へすぐさま切り替え、「ゴジラ−1.0」を観てきた。
結果、最高な気分で一日を終えられたので良し。



わたしはゴジラのような無差別超破壊怪獣でなく、理性を持った非力なヒトなので、理不尽なことや納得いかないことがあったり敵意を向けられたりしても、公共の場でいきなりうなり声をあげて咆哮したりしないし、大口を開けて熱線を発射したりはしないし、でかい足で踏み潰したりしないし、尻尾を振り回したりしない。
でもヒトだって咆えたい日もあるよね。


以下、重大なネタバレはしないように感想を綴りましたが多分ネタバレしちゃってる。でも全部肯定的。
あと私は今までゴジラを3本くらいしか観たことがない初心者。




観終わった後、「−1.0」の意味がよくわかった。
ポスターにも書かれているように
「戦後、日本。無(ゼロ)から負(マイナス)へ。」
そんな状況でも抗い続ける日本人の強さよ。

終戦時の瓦礫の山から徐々に徐々に街が復興し、画面にうつる人たちの暮らしぶりが少しずつ上向いてきたころにゴジラが襲来する。
復興途中の街を無慈悲に容赦なく破壊して歩く奴が最恐で最強の悪だった。
物資も武力も最新技術もほぼない中で、頭を使ってあるものでなんとかしよう、今生きている我々、戦争を生き抜いた我らで奴と戦おう、生きているのだから抗え、戦えという姿勢が良かった。
色々な組織の内情が絡み合って...どこがどこを裏切って...とかでなく、単純にゴジラVS人間というわかりやすい構図になっている

◯ ◯ ◯

神木くんと浜辺美波という、朝ドラを観ていた人なら興奮してしまうキャスティングだったな。順番的にはこちらの方が先みたいだったけど。
これまでの作品で、妖怪や剣心や当麻紗綾など名だたる強敵たちとバトルを繰り広げてきた神木くんがゴジラと戦っている姿は胸熱だった。
神木くんのいろいろな表情がみられてよかったです。

◯ ◯ ◯

あと、今まであまり思ったことが無かったけどゴジラってわりとスタイルいいのな。
頭そんなに大きくなくて、首太くて、体のわりに長くて、下肢が立派で、その下肢に比べるとおててはちぃちゃくて可愛いけど爪が付いてて、尻尾もしなやかで立派でさ。それと特大ビームを放つ前の、仰け反って力をためる所作とかかっこよかったよね。
あれ、もしかしてあたし、ゴジラのこと気になっちゃってる...?

◯ ◯ ◯

音楽が良い、メインテーマの使い方が良い、というような感想をちらほら見かけていたけど本当に素晴らしかった。
メインテーマが流れたタイミングが最高すぎて、「(きたぁあぁああああぁぁぁぁぁああああぁぁぁあぁぁぁぁぁぁあああああぁぁぁあああ!!!!!!!!!!!!!!)」って、思わず下唇を軽く噛んで空を仰いでしまった。良すぎて。
そこからは背もたれに体重を預けていられなくて身を乗り出して見た。
コイツ、映画館で大きく動きすぎ〜って思うかもしれないけど私が行くところはさびれた地方都市の映画館で、しかも平日夜のレイトショーだったので人が少なく、最後列には私ひとり以外誰もいなかったので許してほしい。
ほかに人がいたらそりゃ静かにお利口に座ってるよ。

私の中の感情の昂りの頂点と、無音→音楽が流れるタイミングが完全に合致していてとても気持ちよかった。
私の場合、音楽が流れ始めるタイミングより感情の昂りがちょっと遅れてやってくることが比較的多くて、「ちょっと待って待って、あたし、まだそこまでいけてないから〜〜」という状態のうちに感動的なテーマが流れ始め、乗り遅れてしまう作品もある。
まあそれはそれぞれ個々の感性の違いなのでどうにもならないけど、ほんと、そのタイミングがびったりハマった時の気持ちよさというのはたまらない。みんなもそんな気持ちを味わったことがあるかい?

◯ ◯ ◯

安藤サクラが演じる喜怒哀楽の表現が好きなのだけれど、今作の安藤サクラもとても好きだった。ただの4種には振り分けられない感情のグラデーションみたいなのを感じる。

◯ ◯ ◯

やはり青木崇高の荒くれ者は良いな。

◯ ◯ ◯

吉岡秀隆のふにゃふにゃもじゃ頭博士も良かった。




終わります。
あの信号待ちの間に映画館に行くことにして良かったです。

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?