bule spots(未編集版)

足場を組んだ外壁工事のビルから鉄パイプが落ちた。真下を歩いていた男性に当たり、男性は即死。
テレビから流れるニュースに、良いなと呟いていた。
死の恐怖を感じることもなく、何が起きたかわからないままに。もしかしたら楽しい気分のまま、一瞬で終わったかも知れない。やはり良いな、と思う。

死に行く努力と覚悟、もしくは敗北感。死のうと思ったらどれだけの情熱を持たねばならぬのか。死にたい人にそこまでの情熱はない。明日のゴミの日を理由にだらりと生きてしまう。そりゃそうだろう。

今僕の目の前には、綺麗な青い玉がある。昨日からずっと眺めて朝を迎えている。小指の先ほどの大きさ。サラダ油のようなゼラチンの中に、青い液体が見える。青白い沈殿物が浮遊していて、錠剤の中は雲間のよう。

飲むと苦しますに終える事ができる薬だ。

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