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ペーパームーンってこんなだっけ?

9月の下旬、キャンプに行く予定でしたが、台風が来てしまい、泣く泣くキャンセルをしました。
その代わりに、急遽福島県の高湯温泉に行く事にしました。
ここは白濁したいいお湯の温泉で、昔から好きな温泉の一つです。

台風の中とあって、雨の中車を走らせていたのですが、温泉に向かう山道に入ったところで、昔あった出来事を思い出しました。

ある年の冬、会社の有志で民宿に一泊してスキーに行く事になりました。
その時の民宿が、高湯温泉にあったのです。
家族も連れてきていいし、取引先にまで声を掛けたので、総勢20人ほどが参加しました。
で、僕もスキーをしたかというと、スキーはしませんでした。

参加者のうち僕を含めた4名は、当日の朝から福島競馬場へ直行!
1レースから最終12レースまで競馬三昧の別行動組でした。日中は競馬、夜は民宿で温泉に入って、そのメンバーで麻雀という、ギャンブル温泉ツアーでした。

まぁ、当然のごとく競馬はマイナスでした。最終レースが終わって、車で宿に向かいました。競馬場からは小一時間といったところです。車中では、競走馬しりとりなどをして盛り上がっていました。

やがてあたりが薄暗くなり、道も少しずつ上りになり始めたあたりで、道路に雪が出てきました。最初こそ圧雪だったのですが、気温がみるみる下がってきて、圧雪が凍り始めました。スタッドレスタイヤを履いていましたが、時折タイヤがスリップし始めました。
僕が車を出していたので、この先はチェーンを装着しないと無理かもしれないとみんなに告げました。

すると間もなく、長い上り坂の前方に一台の車が見えました。なんだかやけに遅く、みるみる近づいて行きます。
その時、助手席の友人が「ブレーキランプが点いていないから、スリップして登れないんじゃないか?」と言い出しました。
確かに近づくと、立ち往生しているのがわかりました。

仕方ないので路肩に車を寄せて、みんなで降りて行きました。「大丈夫ですかー」声を掛けるとおじさん(というか初老ぐらいの感じ)が3人降りてきました。
「いやぁ、この先の温泉に来たんだけど、凍っちゃって登れなくなっちゃったよ」という群馬ナンバーのその車は、なんとノーマルタイヤでした。
「この時期の東北でノーマルタイヤは自殺行為ですよ。チェーンあるなら着けてあげましょうか」と聞くと、持ってないとの答え。

去年もこの時期に来て、少し雪があったけど宿に着けたなんて呑気な事を言っています。試しに押してくれというので、こっちの4人で押したのですが、下がツルツルなので、足が滑って押せないどころか、転ぶ始末です。
さすがに四駆でもない乗用車で牽引もできないし、置いて行ったら凍死しちゃうかもと困っていると、宿には連絡済みで、宿から牽引できる車が来る事になっていると言われ安心しました。

間もなく宿から車(はっきり覚えてないけれど、トラクターのような、ブルドーザーのような特殊な車だったと思います)が来て、おじさん達は手を振りながら坂道を小さくなって行ったのです。
この時、理由はわかりませんが、おじさんたちは車内に入らずに、後ろのトランクを開けて、そこに三人並んでお尻を入れて、こっちを向いて座っていたのです。ひょっとしたら、レッカーみたいに前輪を持ち上げていたのかもしれません。

で、本題はここからです。

この時のこっちを向いて座ったおじさんたちが、車に揺られながら小さくなって、暗闇に消えて行くシーンが、映画のペーパームーンのラストシーンと被ってしまい、人騒がせなおじさん達だったなぁ、ペーパームーンとは大違いだと思ったのですが、何となくペーパームーンのラストシーンをググってみたら、後ろ向きに車になんか乗っておらず、緩い下り坂を勝手に下り始めた車を、ライアン・オニールとテイタム・オニールが、走って追いかけるというところで終わっていました。

無理矢理合成したのですが、本当はこんなシーンなのに、

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こんな風に覚えていました。

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きっと、ポスターの三日月に座っているシーンと混ざってしまったのだと思いますが、またしても自分の脳の捏造力にびっくりです。
ゲレンデではロマンスの神様がガンガンかかっていた頃のお話でした。

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