会社に置き換えて考えてみた。

とある会社のとある部署。
ここでは、発足から完了まで4年かかる大規模な高難度プロジェクトが進行していた。完了まであと2ヶ月、大詰めを迎えている。

~登場人物~
・上司
・プロジェクトリーダー
  過去に他社で類似プロジェクトを成功させている経験のある人物。このプロジェクトのためにヘッドハンティングされてきた。
・プロジェクトリーダー補佐
  平社員たちの能力、人となりをよく知る人物。
・平社員たち

~ストーリー~
計画遅延などの不安材料はありつつも、適宜行われる上司によるプロジェクト進捗レビューを通過してここまできたプロジェクトリーダー。
しかし、あと2ヶ月で最後の追い込みの真っ最中、上司から解任を告げられた。その理由は、「平社員たちとの信頼関係が薄らいできたから」。一部平社員たちから業務の進め方に不満の声が挙がっていたらしい。
そして上司が「1%でもプロジェクトの成功確率を上げるため」として後任に指名したのが、10年以上現場から遠ざかっており類似プロジェクトを成功させた経験もないが、昔からこの会社でキャリアを積み上げてきたベテラン管理職だった。

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Q1.
この上司の決断は「プロジェクトの成功確率を上げる」ことになるか?

Q2.
他に選択肢はなかったのか?

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A1.
目的は「プロジェクトを成功させる」こと。
それに対してメリットデメリットを考えると、ギャンブル要素が大きいように思う。
プロジェクトリーダーとベテラン管理職の経験の差もある。
ギャンブルな分、針が上にふれれば確率は上がるが、期待値で見たときに「プロジェクトの成功確率を上げる」選択かというと疑問。

・解任した場合のメリット
全員が「やるしかない」状態に追い込まれる。
プロジェクトリーダーに不満のある平社員たちの不満は取り除かれる。
・解任した場合のデメリット
時間がない中で引き継ぎと再計画を行うので、プロジェクトの難易度はさらに上がる。
プロジェクトリーダーを信頼していた平社員たちには不満が生まれる。

A2.
早い段階であれば、
1. 上司が、プロジェクトリーダーを解任してさらに優秀なリーダーを連れてくる。
2. プロジェクトリーダーが、不満のある平社員たちと対話して妥協点を見つける。
3. プロジェクトリーダー補佐が、不満のある平社員たちとプロジェクトリーダーとの間を取り持つ。

時間のない段階であれば、
4. 上司もしくはプロジェクトリーダーが、不満のある平社員たちをプロジェクトから外す。
5. なにもしない。
6. 今回の上司の決断。

1~3の選択肢を取れずに4~6の選択肢に至った時点で、管理職たる上司の責任。

さて、時間のない段階に至ったとして、あなたが上司ならどうしますか?

~あとがき~
何の話かというと日本サッカー協会の話です。
置き換えてはみたものの、わかりやすくなったのかどうかはわからない。

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