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【漫画・アニメ感想】ダンジョン飯

仕事場の子に教えてもらってまずアニメを12話までみた。
※12話はわりと血生臭いのですが、迂闊にもミートソーススパゲッティを食べながら見てしまって鬱でした。

そして続きが気になってその先…漫画の5巻から完結までを購入、読了!
感想とても良かった!

主人公ライオスのパーティーはレッドドラゴンとの戦いで全滅寸前まで追い込まれたところを、妹ファリンの魔法でなんとかダンジョンから脱出する。
が、その際ファリンは兄の盾となりドラゴンに喰われてしまう。  

冒険者で命を落としても蘇生が可能な世界。
だが、ダンジョン内の特殊な環境であっても残った体の状態如何では蘇生の成功率は下がる。

地上に戻ったライオスは装備もろくに整えないまま、さらには脱退者により人数を欠いた状態のパーティーで妹救出のため間をおかず再びダンジョンに挑む。
竜の腹の中でファリンが消化されてしまう前に救い出すため。
食料問題を魔物狩りで補いながら…。

食材が魔物。
決して真似のできない料理漫画。

なんだけど。

この漫画の主人公ライオスが…変。
全然主人公っぽくない。
アニメの公式HPのキャラクター紹介で
『優秀な剣士で、迷宮についての豊富な知識を持つパーティーの頼れるリーダー』
とか書かれてるけど、いやいやいや。
頼れる……?
んーーー、いやーーーーーー。

見た目はそれなりに頼り甲斐ありそうだし、剣術もうん……でも。
迷宮に詳しいというか、魔物オタクで、一応パーティーのリーダーなんだけど、リーダーの素質というと……怪しい。
空気も読めないし、悪人ではないのだけれど考え方がズレている。
そして、雑。 
シェイプシフターに出会ったときも、ライオスの思考によって作られた仲間たちの幻影は細部を欠いた雑なイメージだった。

なんというか……自らに突き刺さるナイフ。(唐突に)
そう、若干そういうところが…自分には、ある。
あそこまであからさまではないし、こんなことはしない…と思うこともあるけど、ナイフのほうが多い気がする(泣)
なのでライオスを見ていて突っ込みたくなる時は、自らの行動や言動に後から自己嫌悪に陥ってるような気持ちと重なっているのではと自己分析。

違うのは、ライオスは全くそういう他人の目を気にしてないことだ。
わー、と言われて『えっ』となって、例えその場で反省しても、その事で自己嫌悪したりはしない。

良いのか悪いのか。
でも、面白いし、ライオスのことも嫌いじゃない。
(わたしも自分は嫌いじゃない。なんの話)

出てくる魔物飯は普通に美味しそうで、でも実際にはないものだから味も食感も普通の料理漫画よりぐっと想像が広がる。
そして、『食べる』ことの大切さを何度も訴える。
しっかり三食たべて、寝る!
これ、うんうん。大事なことだよね。

主人公ライオスと妹ファリンの種族は『トールマン』
センシ♂は『ドワーフ』
マルシル♀は『エルフ』
チルチャック♂は『ハーフフット』
他にもノームやオーク、オーガなど多種族が出てくる。
平気寿命も種族によって全然違う。
そしてこの世界にも、それぞれの種族への差別や偏見があったりする。
それを冒険の中で出会い、意見をぶつけ合ったりしながら理解していく。

チェンジリングというきのこを踏んで互いの種族が変わってしまうシーンがあるが、それによっても互いへの理解が深まるシーンがある。
チルチャックは見た目は少年のようだが立派な成人だ。
この時彼はトールマンに変身してしまう。
普段子供のような扱いをしたりしてそれを嫌がるシーンは何度もあるが、トールマンになった彼を見てこれまでの扱いが適当ではなかったと気まずさを感じるシーンもある。
ライオスはドワーフに変身するが、力が増した反面、疲れやすくなり、何故センシがよく腰を下ろしていたか、ナマリが軽装だったのかに気がつく。


そして種類豊富なモンスター達。
ロールプレイングゲームをしたことのある人なら馴染みのある世界観だろう。
モンスターたちの特性の説明、その食べ方(!)の描写は本当に楽しい。
漫画飯を再現できないのは残念。


ダンジョンには、迷宮の主となる存在が居て、その主の思い(欲望)によって迷宮の形が作られている。
つまり、どんな人間が迷宮を支配するかでその在り方は変わっていくということだろう。

じゃあ、主人公たちの誰かが主になれば平和な世界が造られる??
そうは問屋が卸さない。 
ここらもちょっと哲学的な問いかけを感じたり。

と、アニメはちょうど2クールに突入し、13話を迎えましたが、ここまでで少し気になることがありました。

まず、アニメのほうが分かりづらいシーンが何箇所かあった。
兼ねてより魔物食に興味のあったライオスはとにかく何でも食べてみたい。
レッドドラゴンも例外ではないのだが、レッドドラゴンはファリン(妹)を喰った竜である。
その竜を食べることはすなわち…。
野菜だっていろんなものを肥料にして作られる。けれどあまりにも直接的なこの件に関して、仲間達が戸惑いをみせるシーン。
ここ、漫画だとすごくスムーズに理解できたが、アニメは分かりづらかった。
あと…思い出せないけど1、2かあったはず。(鳥頭)

そして、風呂のシーン。 

わたしがこの作品でいいなぁと思ったのは、この冒険譚で女の子キャラクターが読者にとって性的に消費されうる描写がかなり抑えられていること。 
青年誌でありながら、この作品はそれが自然になされており、ストーリーの邪魔をするものがなかったこと。

冒険者であるわけなので、服だってやたら露出が多い非現実的なものではない。
ゲームだと水着みたいな装備もあるけど。
ファンタジーでありながら、その世界のなかでリアルに寄せてたと思うのだ。

唯一、訳あってドロドロ状態のファリンとマルシルが一緒にお風呂に入るシーンがあって、明らかな露出で肌が見えるのはそこくらいだった。(モンスターで裸体の人間に擬態した?やつはいたけども)

わたしはこのシーンを最初にアニメで見たのだが、なんだかそれまでの雰囲気とそぐわないなぁと感じた。 
浮いてるというか。
続きを漫画で読んで……最後まで読んでその違和感は確信に変わった。

風呂のシーン、原作にあるのか?

で、実際漫画ではどうなんだと、1から4巻まで入手して(最初アニメ以降の5巻からしか買ってなかったから)読んでみた。 

風呂のシーンは確かにあった。
あったのだけど、案の定ここは原作より肌色度が増していた。

サービス??
いやいやいや。それってサービスではない。
そうやって何でもかんでも色気に持っていくのが……本当に……。

いいんですよ、肌色系のアニメがあっても。それはそれだからいいの。
BL漫画読んでる身ですし、それ自体が嫌いとかじゃない。
ファリンだってむしろ推しですよ。

でも。
肌色を増やさないといけない理由ってなに。
こういうところの匙加減、作家の意向に沿うべきなのでは?
それに視聴者を馬鹿にしてないか。
ターゲットを何故そっちに絞るんだ。

はっきり言って作品を通して読んで、何故ここまでがっつりと風呂のシーンを入れたのかすらわたしには分からなかった。
他にライオスだって風呂に入るシーンはあるが、なんだか…。
それまでにマルシルが身体を拭きたいというシーンもあったが、そこからはリアルな冒険を思わせたのに。

風呂シーンを作者自らの意思で積極的に描いたならそれはそれだが、とりあえずアニメ。
なんか……もやもや。
大袈裟だといえばそれまで。
でもわたしは楽しんでたんですよ。
作品から受ける世界観を。

だって。
反対に男性キャラの局部が半分見えるようなシーンがどのアニメにも入ってたらどうですか。
今回なら、ライオスの風呂シーンで局部が半分見えてたらどうですか。  
違和感ないですか。

んーー、なんだかなーーー。

ちょっと荒ぶってしまいましたが、作品はすごく面白いです。
どのキャラクターも大好き。

電子書籍で今、3巻までなら無料で読めます。面白さが加速するのはその後からですけどね!


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