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Shazamが3秒で用意した、23年前の音楽室の最前列

Shazamってアプリご存知ですか?ご存知ですよね。

Shazamは、アップルが保有するアプリケーションソフトウェアである。このアプリケーションは、機器に装備されているマイクを使い、短時間のサンプル音から音楽、映画、広告、テレビ番組を特定することができる。
Wikipediaより

Shazamは、スペクトログラムと呼ばれる時間-周波数グラフに基づいた音響指紋を元に曲を特定する。演奏されている曲の一部を聴き取る為に、スマートフォンやパソコンの組み込みマイクを使う。Shazamは音響指紋のカタログをデータベースとして持っている。使用者がある曲を10秒間聞かせることで、このアプリケーションは音響指紋を作成する。Shazamは、取得した音を解析し、数百万曲の音響指紋データベースの中から一致するものを検索することでをの機能を果たす[6]。一致するデータが検出された場合には、アーティスト名、曲名、アルバム名などの情報を使用者に送り返す。
Wikipediaより

ようするに、今流れてる音楽をスマホに聴かせると楽曲を特定してくれるってアプリです。神ですね。


17才かな、高校の文化祭。僕は同級生が組むバンドを見るべく、音楽室に用意されたステージの最前列に何組も前から友達と張り付いていた。

そいつらはJUDY AND MARYのコピーバンド。もちろんボーカルは女の子。

Youtubeでたまに出てくるけど、令和の文化祭の花形はダンスかクラブDJらしいですね。僕らの頃は寝ても冷めてもバンド。バンドやってるヤツがモテた時代でしたね。


もうタイムテーブルは確認せず行ったし、最前列にいるクセに前座(みんなメインなんだけど僕にとっては前座)では軽ノリで済ませて申し訳ない。


若干疲れて、気を抜いていたその時でした。ひとつ上の学年の先輩たちが入場してきた。ほとんどが部活(サッカー部)の先輩だったから、一応ちゃんと見ようと体制を前に向ける(ここらへんが古き良き体育会系)。

イントロが始まってもボーカルが出てこない。なんのこっちゃいと軽ノリで済ましていると、お前誰やねん、な奇抜なヤツが出てきた。

ポッキーみたいにほっそい黒パンツに、ジャラジャラと鎖が垂れてて、髪の毛は金に近いイエローアッシュのショートモヒカン。今はなきアイウェア「BRICOのZEN(しかも白赤青のトリコロールモデル)」を身につけて、ベロをベロベロしながら登場。

目の前に来て、初めて分かった。我がサッカー部の副キャプテン!ウソやん!昨日の練習で普通の髪やったやん!黒やったやん!いつ剃ったんや!うおー!英語で歌うんか!わからん!わからんけどかっこよすぎる!うおーーーーー!!!


正直自分の同級生のバンドのことはまったく記憶にない。

MC無しでグワーッと英語で歌いまくって、何も言わずに去っていったモヒカンがかっこよすぎてそれしか覚えてない。


先日車をひとり運転していて、ラジオからその時のイントロが流れてきたから、Shazamを起動した。

その間約3秒。


僕の車の運転席は、あの日の音楽室にタイムスリップしてました。


初期のShazamからインストールしてるけど、失われていく記憶を繋ぐ神アプリだった。

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