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No.142 2012年~2019年 5・6年生社会科 世界の国名・首都名何も見ないでここまで白地図に書き込めるよ

 初等科の子どもたちの集中力には素晴らしいものがあります。
 2012年度から4・4・4制の施行に伴い、私は5・6年生の社会科を担当することになりました。いくつかの実践については本エッセーの中でも執筆していますので、ご覧いただければと思います。
 社会科は決して覚えることが学習の中心ではなく、いろいろな社会の出来事について考えていくことが最も大切な事です。知識は考えるための道具になるよう位置付けてきました。地理・歴史・政治などでそれぞれ覚えることが必要なことがあります。今回は、国際的な出来事を考えるための基礎知識として、国名や首都名を何も見ないで白地図に書き込む実践をご紹介します。
 「5年生は国名を80以上、首都名を60以上。6年生は国名を100以上、首都名を80以上。何も見ないで世界の白地図に書き込める」。これが初等科で設定した「地図のマイスター(ドイツ語で名人の意味)」になる条件です。この「地図のマイスター」は4・4・4制以前から行っており、国際理解にとって、国・首都の位置を白地図に書き込めることは、ニュースなど世界に関心をもつ最初の一歩になります。もちろん、全ての子どもが達成することを強制するのではなく、できるだけ目標に近づけるように促します。年に2回ほど50分のテストをするのですが、6年生の2回目にはほとんどの子どもが達成できるようになっていました。国名、首都名を150以上書き込める子どもが多くいて、海外領土を含むと200ぐらい書き込んだ子どももいました。これには驚きました。50分で国名、首都名両方を書き込むのです。書き込むときの子どもたちの集中力はものすごいです。基礎知識の習得で集中力が育成される場面を見ているようでした。自己採点ですが、不正確なことはなく真面目に取り組んでいました。こんな子どもたちの書き込みを、6年生にコピーさせてもらったものからご紹介致します。
 まずは何も見ずに国名を書き込んだ作品(この表現が相応しい)です。

 ある時期には、子どもたちから「ヨーロッパとアフリカを拡大した地図があれば書きやすい」というリクエストがありましたので、それに応え実施したこともありました。ヨーロッパとアフリカだけこの白地図に書き込み、後の地域は別の世界の白地図に記入してもらいました。

 次に、何も見ずに首都名を書き込んだ作品(この表現が相応しい)です。

 初等科の子どもたちの記憶力には驚かされますが、この記憶力から世界の出来事への関心力はさらに素晴らしいものでした。

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