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No.146 2016年~ 出口治明氏の生き方、著書から学ぶ

 出口治明氏の最新作を読んだのが、2022年7月20日発行の『復活への底力 運命を受け入れ、前向きに生きる』(講談社現代新書)でした。それまでに何冊かの書籍を読ませて頂きましたが、本書を読んで出口治明氏の「底力」に感動しました。

 表紙の写真と文字を見ただけでも出口氏のメッセージが伝わります。「復活への底力」「運命を受け入れ、前向きに生きる」「74歳 APU学長 完全復帰。」「復帰第一作」「障害は不自由です。でも落ち込む時間はありません。」「人生は楽しまなければ損です。」「やっぱり大事なのは『運と適応の力』『第2の開学』に全力を尽くす…ほか」
 
 本書に出口氏の略歴が掲載されています。
 出口治明(でぐち はるあき)
1948年、三重県に生まれる。立命館アジア太平洋大学(APU)学長。ライフネット生命保険株式会社創業者。京都大学法学部を卒業後、1972年日本生命保険相互会社に入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当する。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2006年に退職。同年ネットライフ企画株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。2008年生命保険業面免許所得に伴いライフネット生命保険株式会社に社名を変更。2012年上場。社長、会長を10年務めたのち、2018年より現職。2021年1月に脳卒中を発症、約1年の休職ののち、校務に復帰を果たす。おもな著書に『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『全世界史(上・下)』『働き方の教科書』(ともに新潮文庫)、『哲学と宗教全史』(ダイヤモンド社)、『座右の書「貞観政要」』(角川新書)、『人類5000年史(Ⅰ~Ⅳ)』(ちくま新書)、『自分の頭で考える日本の論点』(幻冬舎新書)、『還暦からの底力』(講談社現代新書)などがある。
 京都大学法学部卒業→日本生命に入社→ロンドン現地法人社長→ライフネット生命保険社長・会長→立命館アジア太平洋大学学長と多様な職業に付き、その間に多くの書籍を出版するなど豊かな人生を歩まれています。
 
 私が出口氏の書籍を初めて読んだのは『人生を面白くする 本物の教養』(幻冬舎新書、2015年)でした。丁度還暦を過ぎた頃、自分史を作成しながら私の人生を「学び続ける、働き続ける、遊び続ける」の視点から振り返っている時でした。「遊び続ける」ことが教養を身につけることに繋がるという考えを持っていたことにより本書に強く惹かれました。

 出口氏は教養とは「人生を面白くするためのツール」と捉えています。「教養とは何でしょうか?どうして人間には教養が必要なのでしょうか?もし、そう質問されたら私の答えは『教養とは、人生におけるワクワクすること、面白いことや楽しいことを増やすためのツールです』という一言に尽きると思います。よりワクワクするする人生、より面白い人生、より楽しい人生を送って、悔いなく生涯を終えるためのツール、それが教養の本質であり核心であると私は考えています。」と本書に書かれています。私はこの考えに賛同しました。教養の持つ意味を私の中に明確に位置付けて下さったのです。本書の中の次の言葉は私を勇気づけて下さいました。
 「知識は手段、教養が目的」「面白さの源は『ボキャブラリー』」「決定的に重要なのは『自分の意見』を持っていること」「『タテ』と『ヨコ』で考える」「他人を巻き込んで自分のやる気を引き出す」「旅こそ最高の遊びにして、教養の源」などなど。
 私は定年前数年間校務部分掌で研究委員長を務めていましたので、初等科の研修に出口氏をお呼びしようかと考えましたが、2018年に立命館アジア太平洋大学(APU)学長に就任されたことを知り断念した経緯がありました、
 
 その後も次のような書籍から学ばせて頂きました。
『還暦からの底力 歴史・人・旅に学ぶ生き方』(講談社現代新書、2020年5月)
『自分の頭で考える日本の論点』(幻冬舎新書、2020年11月)
『哲学と宗教 全史』(ダイヤモンド社、2019年8月)
『一気読み世界史』(日経BP、2022年11月)

 冒頭で紹介せて頂いた『復活への底力 運命を受け入れ、前向きに生きる』の発行を知った時の私の驚きはすごく大きなものでした。「そこまでして任された仕事に打ち込むことができるのか」という言葉が思わず出てしまいました。
 
 本書の冒頭に次のような写真と文章が掲載されていました。

「APUの学長の校務に復帰できて本当に嬉しいかぎりです。脳卒中を発症し、右手右足が動かず、ほとんど話すこともできない状態でしたが、電動車いすで自由に移動でき、ゆっくりですが、話せるようになりました。『迷ったらやる』の精神でリハビリを続けています。」涙なく読むことはできませんでした。
 出口氏の生きる力から多くのことを学びました。本書の帯の裏には次の言葉が書かれていました。
 
復活へのポイント
脳卒中になっても人生観は変わらない
折れない姿勢と楽観主義が大切
74歳の僕が完全復帰を目指した理由
最後に悔いを残さないことが最大の幸福
身体が完全に元には戻らないと知ったとき
流れ着いた場所で一生懸命頑張るだけ
人生は古希をすぎたら後は「神様次第」
リハビリで歌った『恋の予感』
何かを選べば何かをあきらめなくてはならない
「病気」というピンチから得られるものもある
ものごとにはすべてダークサイドがある
あらゆる人が生きやすい社会づくりを
 
 これからも出口氏からたくさんのことが学んでいく意向です。

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