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No.93 1981年~2020年 日本私立小学校連合会での公開授業、研究発表

 上記の写真には「令和元年度 第63回 日私小連 全国教員夏季研修会」のプレートが見えます。2019年8月に開催された研修会の初日の懇親会に掲げられていたものです。日私小連とは日本私立小学校連合会の略で、私が私立小学校教師として勤務した39年間所属していた研究団体です。令和元年の大会(2019年8月に新横浜プリンスホテルで開催)は私が参加した最後の大会になりました。私は昭和・平成・令和の3つの元号の時代に私立小学校の教師をすると共に、日本私立小学校連合会の一員であったことになります。
 2023年10月現在、日本私立小学校連合会に加盟している学校は195校です。日本の私立小学校数はおよそ242校とされています。加盟率はおよそ80%ですので、全ての私立小学校が加盟しているわけではないのです。京都の立命館小学校、軽井沢風越学園、和歌山県橋本市のきのくにこどもの村学園と系列のこどもの村小学校4校などは加盟していません。私立小学校の中でもさらにユニークな方針で比較的最近設立した学校は加盟することが少ないようです。
 
日本私立小学校連合会加盟校では、次の5つの地域別の組織に分かれ、研修活動を実施しています。
北海道・東北地区私立小学校連合会(10校)
関東地区私立小学校連合会(54校)
東京私立初等学校協会(56校)
西日本私立小学校連合会(60校)
九州地区私立小学校連合会(15校)
 
 私は日常の研究活動は東京私立初等学校協会に所属して行っていました。また、毎年8月には日本私立小学校連合会全国教員夏期研修会を開催され、全国の私立小学校の先生方が集まり3日間の研修を行っています。会場は東京、横浜、関西でローテーションを組んで実施しています。それぞれ3年に1回開催地になります。私が教員になった頃から十数年は横浜ではなく西熱海で開催されていました。関西と西熱海で開催されるときは2泊の宿泊をしていました。思い出に残っている開催地は奈良県の天理市です。天理小学校があり、宿泊場所も天理教の施設でした。貴重な経験ができました。
私は教師1年目の1982年2月に東京私立初等学校協会の社会科部会の研修で質問をすることにより、先輩の先生方から声をかけていただき、その後39年間実践・研究の基盤を私立小学校に置くことになりました。声をかけていただいた先輩の先生はその後ある私立小学校の校長先生になり日本私立小学校連合会の会長に就任されました。また、ある私立小学校の教頭先生から声をかけていただき社会科の研究グループで一緒に学ばせて頂くとともに、後に社会科の教科書執筆のメンバーに入れていただきました。
  そのころの私立小学校の先生方は実にユニークな実践をされていました。私立小学校の教師の授業は学習指導要領に捉われることなく、創造的で子どもたちが生き生きとしているというのが私の実践・研究の目標になりました。
 私は社会科が教科の専門でしたので、社会科部会に所属して東京や全国の先生方と多様な研究交流をさせていただきました。日本私立小学校連合会には大変お世話になりました。
 東京私立初等学校協会は2004年に、日本私立小学校連合会は2011年に70周年を迎えました。それぞれ、翌年に記念誌が発行されました(非売品)。

 私が携わった研究発表や公開授業は以下です。いくつかの研究発表、公開授業については後のエッセーでご紹介致します。(3)の公開授業「バレンタインデーってなに」はすでにエッセーNo.8でご紹介しました。それぞれの研究発表と公開授業について簡単なコメントを付けました。
 
(1)研究発表 日本私立小学校連合会 東京地区教員研修会
  「私学における地域学習の一試案―3年生の全体計画・学習書・具体的践・児童の資料―」
  1982.6.4 成城学園初等学校

 1982年の2月にその年の6月の成城学園初等学校での1日研修(日本私立小学校連合会東京地区教員研修で東京の私立小学校教師が1つの学校に集まり公開授業・授業検討会、研究発表などを行う)で午後3時間ぐらいの研究発表・質疑応答の依頼がありました。学院で検討して頂き了承され引き受けることになりました。1年目の3年生社会科で実践した私立小学校独自の地域学習を提案することになりました。授業の合間に63時間の実践を2か月ぐらいでB4版17ページにまとめました。学院の教師が研究発表をすることは初めてのことで、私の原稿を事務の方が当時の和文タイプで打って下さいました。
 
(2)研究発表 日本私立小学校連合会 全国教員夏季研修会
  「『人間と社会』授業実践―自主教材と多様な方法による社会認識の形成―」
  1982.8.20 西熱海ホテル

 1982年2月に実はもう1つの依頼もありました。1年目3年生の総合学習での実践「人間と社会」を夏の全国教員夏季研修会で発表して頂けないかというものです。B4版で10のテーマをおよそ20時間かけた実践を夏休みにB4版で40ページにまとめました。こちらは手書きでした。この年の開催は西熱海ホテルで少し広い部屋に座椅子がおかれての会場での発表でした。珍しいことなので記憶に残っています。
 
(3)公開授業 東京私立初等学校協会研修会 
  6年社会科「バレンタインデーってなに」
   1990.2.14 聖心女子学院初等科
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 この時のようすはエッセーNo.8でご紹介していますので、ご覧いただけますか。
 
(4)研究発表 日本私立小学校連合会 全国教員夏季研修会
 「NIEにおける国際理解の授業-新聞の読み方を学ばせながら国際理解を図る1つの試み-」
 1990.8.21 私学会館

 この実践は私がNIE(Newspaper in Education)に本格的に取り組むようになった原点の授業です。1989年5年生で24時間の授業に取り組んだものです。これから先の5回の日本私立小学校連合会での公開授業や研究発表はすべてNIEに関するものです。公開授業、研究発表だけでなく書籍やインターネット、講演、取材、外国での研究などにも繋がっていく私にとって忘れることができない実践でした。
 
(5)研究発表 日本私立小学校連合会 全国教員夏期研修会
 「世界のNIEと日本の課題」
 1996.8.ホテル神戸オークラ                        
 
 NIE実践・研究に本格的に取り組み、1990年代に米国(3回)、オーストラリア、スウェーデン、ノルウェー、イギリスの学校や家庭、新聞社を訪問したりサンフランシスコ、ストックホルムでのNIE国際会議に参加したりしたことを基に日本でのNIEをどのように進めたらいいのかについて研究発表しました。
 
(6)公開授業 東京私立初等学校協会研修会 
 聖心女子学院初等科5年生家族 成城学園初等学校4年生家族 昭和女子大学附属昭和小学校4年生家族 19家族「家族で新聞から学ぶ-五感でニュースのキャッチ-」
2005.7.5 聖心女子学院初等科

「朝日新聞」2005.9.4朝刊

 「五感を生かした教育」は1年目から実践してきましたが、NIEでもただ読み自分の意見をもつという行為だけでなく、五感をいかした読み方・意見の持ち方も意識してきました。また、NIEも学校だけでなく家庭や地域社会でも取り組まれることが大切であると考えてきました。家族と取り組むファミリーフォーカスは1992年サンフランシスコでのNIE国際会議でも取り上げられずっと関心を持ってきました。今回の授業は、「五感」と「ファミリーフォーカス」を結び付けた実践でした。「朝日新聞」の取材がありました。
 
(7)公開授業 日本私立小学校連合会 全国教員夏季研修会 
 6年社会科「世界のニュースを読み解く-新聞で歴史と世界の国々をつなぐ試み-」「世界のニュースを家族でコミュニケーション」 
 2006.8.23 聖心女子学院初等科

 夏休み中の全国夏季研修会で国語と算数の部会では研修会場や学校で子どもたちが集まり公開授業が行われていました。今回、社会科部会での初めての試みで私が勤務していた39年間で1回だけのことでした。中・高等科の広い図書室をお借りして、6年生の子どもが確か30人ぐらい参加してくれました。また、多くの家族も参加して下さり家族での学びについても考えることができました。
 
(8)公開授業 東京私立初等学校協会研修会 
 4年社会科「これからのエネルギーはどうするの 討論する」
 2011.7.5 聖心女子学院初等科

 2011年3月11日の東日本大震災は戦後最大の自然災害で、未曾有の事態を引き起こしました。4年生社会科の「人々のくらしとエネルギー」で顕在化したエネルギー問題に関心をもち、現状と課題を通してエネルギーの在り方を考える試みの公開授業でした。
 
(9)研究発表 日本私立小学校連合会 全国教員夏季研修会
 「グループ討議 資料の活用の仕方 新聞を活用した授業」
 2019.8.21 新横浜プリンスホテル

 資料の活用として「新聞」の側面から提案しましたが、「デジタル」の側面についても私の2017年度からの初等科でのタブレットを活用した授業についても提案しました。  東京や全国の先生方から貴重なご意見をいただき実践や研究に大いに役立ちました。新型コロナ禍で全国夏季研修会も十分に活動できなかったのではないでしょうか。来年は東京での開催と思われます。社会科部会の懇親会にOBの仲間と共に参加できたらと考えています。

参考
日本私立小学校連合会
https://nichishishoren.com/

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