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ひとりで会いにいく旅

国内なら色々なところに行った。でも一人旅はしたことがなかった。
私にとっては誰といくかが大切で、つまりひとりで行ってもなぁ・・・と及び腰になってしまうのが一人旅だった。

今回も、決して一人旅をしに行ったわけではなく、海にいる恋人へ奇跡的に訪れた休暇に会いにいくべく旅を決行したのだ。
(恋人は船に乗っていて、3ヶ月くらい海の上にいる。承知で付き合ったもののまあ寂しい。)

場所は尾道。何度か行ったものの、「猫が多かったな」「お店の雰囲気が素敵だったな」「高いところから見る景色が綺麗だったな」という感想しか残っていなかった。

旅の下調べは大嫌いな私だが、見知らぬ場所で途方に暮れるのも好きではないので、下調べと予約をしていくことにした。怖がりの出不精なりの一人旅の始まり。

それで。
その旅が存外これまでで一番素敵だったのでは?と思われる旅だったので、久しぶりに文章と写真で残しておきたくなった。良い2日間だったの。よかったら聞いてください。

尾道駅にお昼前に到着。何度か見た景色だけど、やっぱり新鮮に素敵な景色。

尾道駅から見える、向島のドック

ひとりなので、行きたいなとリサーチしておいたところに全部いく。
まずは商店街の入り口近く、自転車屋さんをリノベーションした「うずしお雑貨店」に入る。外国のコインを使ってつくられたリングやヴィンテージのボタンを使ったアクセサリーが並ぶ。イヤリングひとつ買って、旅の間ずっとつけていた。


お昼ご飯は海鮮丼が食べたくて予約しておいた「あかとら」へ。海鮮丼とっても美味しかったものの、人気店であり忙しない店内に少し落ち着かず、30分程度で退店。天ぷら丼も捨てがたかったな。

あかとらの海鮮丼。たこぷりっぷり、温泉卵付き。

その後は腹ごなしに商店街をうろうろ。

パティスリー汽笛」さんで焼き菓子をいくつか。長期間の保存がきき、船乗りのお菓子として楽しまれていたというガトーナンテも一緒に。ホテルで恋人と一緒に食べました。汽笛の店員さんは元は神戸にいらっしゃったのだとか。汽笛のある「新開」という町の成り立ちを教えてくださいました。

包み紙の上に広げたガトーナンテ。大人の甘さ。

行きたかった文房具屋さんの「綴る。」へ。万年筆用のカートリッジ(店主のお姉さんおすすめの紫)と素敵な便箋を買いました。便箋はホテルで自分の気持ちの書き留めとして、早速1枚使ってしまった。緑茶レモネードをいただく。暑い日だったので最高にさっぱりと、でも緑茶の旨味が口に広がる。お腹いっぱいじゃなかったら豆花も食べたかったな。綴る。の店主さんは雰囲気たっぷりで、初めましてなのにたくさんお話してくださってファンになってしまった。あんな素敵なお姉さんになりたいぜ。

綴る。の緑茶レモネード 文具も喫茶も魅力的

一旦胃は休息していただいて、本屋さんへ。
本好きは絶対に行ってほしい「紙片」へ。絶対とか強い言葉を使ってしまったけど、それくらい踏み入れた時の感動は強かった。
言葉の海、詩も歴史も文学も漫画もある。そして心地いい音楽が流れている。初めて出会った本を2冊と言葉が溢れるハンカチを買った。

ここを通ったら紙片にたどり着く。もう胸が高鳴るね。

山手の方に向かって、雑貨屋さん「monolom」へ。いるだけで楽しい、そこにある全てをじっくり見たい。そう思わせてくれる雑貨屋さん。インドの布の特別展をされていて、素敵な風合いの布を買った。ソファにかけるんだ。

坂を登ったらこんな素敵な雑貨屋さんがある。尾道って素敵だ。

暑い暑い日だったので、一旦降りて「TEA STAND GEN」で冷たいお茶を。おすすめされた浜茶をテイクアウトで頂いたんですが、これがもう香り豊かで美味しくて。喉が渇いてぐびぐび飲んでしまうのが悔しいくらい。もう一度行こうと思っていたのに行けなかったな。

お茶に明るくはないけど、本当に美味しい。
知識がいらない、物理で勝つタイプの美味しさでした。


そうこうしているうちに夜が近づいてくるので、一旦ホテルで体勢を整えて、どこかのお店でおすすめしていただいた「pino」へ。ワインと料理のお店。
ひとりでも快く迎えてくださって、カウンター前にはお料理にまつわるエッセイ本などなどが。大好きな高山なおみさんの本を読みながら、カウンター越しにお店のご夫婦が程よい距離感で話しかけてくださって、ひとりなのに心温かな、最高のディナーでした。ワイン美味しくて酔っ払ってしまった。

鯛のポワレ、ふんわりしているのに旨味はぎゅっとした間違いないやつ。


大人のチーズケーキ。甘くないやつ。添えられているのはオリーブオイルと蜂蜜のジェラート。最高。


この辺りで恋人と合流。ひとり旅はおしまい。
ひとりの旅って悪くないな。私にそう思わせてくれたのは尾道だったからだと思う。
もう一回全く同じルートでも後悔しないなってくらいの満足感。
ありがとうございました。

(あと1つだけ!
洋服と酒場の「kado」。置いている服が素敵で恋人にお願いして一緒に行った。普段お店に来られる方とは年齢層が違う私たちにどう声をかけようか戸惑った、と言われた店長さん。本当にたくさんお話ししてくださって、全く知らなかったフランクリーダーというデザイナーを知ることができた。
興味を持ったすべての品に丁寧な解説をしてくださって、それらが一層良いものに思えた。背景があるものって憧れる。恋人は素敵な服を一着買っていた。)

またいこう。
長い日記を読んでくださってありがとう。

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