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どうしたら救えるのか

このごろMIU 404というドラマを見ている。機動捜査隊に配属されたはぐれもの刑事と、変り者刑事が相棒となって様々な事件に関わっていく。大きな人気を博した「アンナチュラル」のスタッフが作成している。

最新話の第8話は、主人公の恩師が妻をひき逃げした相手を殺す。辛く悲しい話だった。善意で生きてきた恩師が、面倒を見た窃盗犯に逆恨みをされて、妻をひき逃げされるのだ。

このひきにげ犯の性格の特徴は「人懐っこく、悪い奴じゃないが、かっとなりやすい。窃盗、傷害と犯罪を繰り返している。」「初犯のときは泣いて泣いて反省していた。でもその後また職場で問題を起こして。」

これらの特徴を聞いて、私はある本を思い出した。

宮口幸治著 「ケーキの切れない非行少年たち」
非行を繰り返す少年たちの中で、精神科医として働いてきた著者が記した本で、非行少年の中には、発達に問題があるケースが多いのではないかと述べている。発達に問題があれば、反省も難しい。認知行動療法も、認知がきちんとできるということが前提にあるため、もっと根本的な問題にアプローチする必要がある。

この、認知が難しいため反省もできない。被害者や遺族の気持ちを想像するのが難しいという点は、今回のMIUのひきにげ犯につながるところがあるのではないかと感じた。

特性なのか、性格なのか、障害なのか

その境目は難しい。また、現行行われている知能検査では見逃してしまう障害もある。

しかし、今回のMIUでは遺族の感情が丁寧に描き出されていた。いくら障害があったとはいえ(もちろんドラマ内でそのような描写はないが)許されるものではなく、また許す必要もない。制裁を自らの手で加えたいという感情も、否定されるべきものではない。実際に行うことは許されないとしても。

幼少期の段階で必要な支援や学習環境を整えることができれば、こういった悲しい事件も減るのではないか。

言うは易い。

しかし、知ること、意識することは自身の人生にこういった問題を組み込むことであると思う。
実際に解決に向けた行動を起こすことはできずとも、知ること。
自分の中に生まれたとっかかりを追求すること。
点と点を繋げて、記憶すること。

どうしたら救えるのか。
考えながら、点を拾っていこう。


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