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【フランス映画】Tout s'est bien passé

こんにちは。あるいはこんばんは。おしゃま図書です。

マイヤ・イソラよりもすこし前、フランソワ・オゾン監督作品「すべてうまくいきますように」を観てきました。

おそらく日本で、今もコンスタントに新作が公開される監督って、フランソワ・オゾンと、パトリス・ルコントくらいじゃないでしょうか。
ジャック・ドワイヨン(ジェーン・バーキンの元夫)の映画すら公開されない。あと、フランス人ではないけれどグザビエ・ドランですかね。で結局、フランス好きな人にしか、フランス映画はささらないのが残念です。
そして、以前も言いましたが、私含め「フランス好き」の高齢化は由々しき事態ではないかと思っています。
ミニシアターブームの終焉とも無縁ではないかもしれません。
公開作品数を厳密に調べてもいいかな。

ところで。オゾンの「すべてうまくいきますように」ですが。
何故、原題は「すべてうまくいった(Tout s'est bien passé)」なのに、日本のタイトルは「祈り」みたいになっているんでしょうね。

ちょうど、ゴダールが尊厳死を選んだ後のタイミングだったし、親の介護的な内容も、高齢化したフランス好きの私にはとってもタイムリーな話題。
それにソフィー・マルソーといえば、ちょうど大ヒットした(当時はアイドル映画だったけれど)「ラ・ブーム」「ラ・ブーム2」のデジタルリマスター版が公開された後でもあり(体調不良で、カジ君がゲスト出演した試写会に行けなかった(>_<)、いろんな意味で感慨深い映画でした。
意志の強い父親役のアンドレ・デュソリエも、母親役をしていたシャーロット・ランプリングもいい味出してましたね。

こういう映画を観ると、やっぱりフランス映画って(というか、オゾンの映画って、と言った方がいいかもしれませんが)好きだなって思います。
たとえば父の見舞いから帰ってきたソフィー演じるエマニュエルが、荷物の中に父親が一口だけ食べた、食べかけのサンドイッチを見つけて、それをタッパーに入れて冷蔵庫にしまったり、また取り出して捨てたり、というシーンとか。病室で誰にも言えないままウンコをもらしてしまった父親が、体を洗ってもらっているシーンで、日本ならお風呂だけど、フランスはシャワーなんだなって思ったり。

ときおりジョークを飛ばしながら、最後は結局、父の望みを叶えようと奮闘する姉妹。すごく重たいテーマだけれど、よい映画でした。

というか。オゾンってどうしてこんなにコンスタントに映画をつくれるのでしょう。次の作品もすごく気になる!!!

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