こんがりチーズのポテトグラタン

朝、仕事に行く夫を玄関で送り出す時、夫の吐く息が白く宙を舞う日が増えてきました。

仕事を休んでから日付感覚が鈍くなっています。気づけばもう11月も終わり。冬は確実に近づいています。

こんな日は、ほっこり美味しいじゃがいもを使ってグラタンを焼きたい気分になります。

家にはちょうど、中くらいのサイズのメークイーンが3つほど残っていました。小ぶりな玉ねぎもいくつかあるし、牛乳パックを振れば半分くらい残っていそうな感じ。グラタンを作るのにぴったりなメンツが勢揃い。

もちろんこれだけでは材料は足りません。その日の献立を考えるときは、なんとなく栄養バランスも気にしています。できればタンパク質を取れる食材を追加したい。近くのスーパーまで歩いて、追加する材料を検討しにいきます。

私はスーパーに行くときは、事前に買うものを決めません。その日の品揃えと価格を見て、できるだけ安い食材で作れる献立を考えます。

その日は鶏胸肉が安かった。いや、鶏胸肉はいつでも私たち庶民の味方なんですが、そこからさらに10%割引のシールを貼られています。これは買うしかない。今日は「チキンポテトグラタン」で決定。

ここで迷うのが、もう一品追加するか否か。私一人の食事であれば、グラタンとサラダがあれば晩御飯としては十分すぎる品数ですが、今は食べ盛り・働き盛りの夫がいます。

少し考えながら海鮮類のコーナーを物色。ふと目に止まった鮭を見ると、これまた割引シールが。ついつい嬉しくて手に取ります。

うーん、今日はポテトグラタンと鮭のムニエル、レタスたっぷりのサラダにしよう。

出来上がった料理を並べた食卓を想像すると、ウキウキ、ワクワクした気分になります。こんがり焼けたグラタンに、鮭の優しいオレンジの色と、レタスの鮮やかな緑が映えます。食卓を見た夫はきっと喜ぶだろう。今日は腕によりをかけて作るぞ!

意気込んで帰宅し、早速準備を始めます。「グラタンの素」を使わず、自分の手でホワイトソースを作るのは、ちょっとドキドキ。

じゃがいもと玉ねぎ、鶏肉を切ったらお鍋に入れ、いい感じに火が通ったら小麦粉を追加。少し炒めたら、牛乳を注いでとろみがつくまでかき混ぜながら火を通していきます。ゆるくも固くもない、いい塩梅になるかドキドキしながら混ぜ続けると、とろみがついて鍋底が見えるようになる。

実家でもらったちょっといい野菜だしのパックを破り、中身を投入。塩胡椒とハーブソルトで味を整えたら、グラタン皿にとろりと移していきます。

自分で作るから、自分の好きなようにできるのが自炊の醍醐味。ピザ用チーズをちょっと贅沢に、端っこの方までたっぷりとかけて、こんがり焦げ目がつくようにパン粉を散らして準備完了。

さて、ここからが本番です。私はこれまでグラタンを作っても、チーズにこんがり焼き目をつけることができず失敗してきました。だけど今日は「腕によりをかけて」仕上げたい日。焦げ目のついていないグラタンだと気分が上がらないので、今日は絶対に成功させたい。

しばらくオーブンレンジと向き合っていると、「グラタン」の設定を見つけます(オーブンレンジは結婚前に夫が使っていたものなので、まだ私はあまり使いこなせていないんですよね・・・)。これを使えばいい感じの焦げ目ができるかも。頼むぞオーブンレンジ。君に全てを任せた!

ドキドキしながら「グラタン」に設定を合わせ、スタート。焦げ目が綺麗につくか気になるけど、途中で様子を見ちゃうと絶対変に設定を変えてしまうので、時間になるまで確認しないと決め込んで、サラダと鮭の支度に移ります。

ささっと2品準備を終えて、盛り付け・配膳まで終えたところでちょうど良く焼き上がりの音。こんがりと焼けたチーズの匂いが部屋に立ち込めていて、期待に胸が膨らみます。

ドキドキしながら、オーブンの扉を開く。贅沢に隅の方まで広がったチーズが、しっかりと茶色く色づき、こんがりとした香りが一層強く感じられます。これは大成功!

ちょうど良く、夫が帰宅してきました。「いい匂いがする〜」と言いながらキッチンに入ってきた夫に、ドヤ顔でこんがり焼けたグラタンを見せます。

夫がいそいそと着替えを済ませ、食卓に二人で並んで「いただきます」。まずは夫がグラタンを一口。「え、これすごい美味しい。最近食べたものの中で一番美味しいかも。」

嬉しくなって、私も一口。初めてこんがり焼けたチーズは、旨味がぎゅっと凝縮されていて最高。手作りのホワイトソースは、少しだけ緩めだけど、具材がゴロゴロ入っているのでそこまで気にならない。野菜だしがよく効いていて、優しい味がポテトにマッチしていて、それでいてチーズの塩味と組み合わさるとちょうど良い味になって、これはもう本当に美味しい。

二人で夢中になって食べ進めます。次の日のお昼ご飯にするつもりでちょっと多めに焼いておいたグラタンは、あっという間に夫の胃のなかに入っていきました。「本当に美味しかった、ここ最近の料理の中で一番好き。俺グラタンあんまり得意じゃないんだけど、今日のグラタンはめちゃくちゃ美味しかった」。

夫に褒められ、嬉しくて得意げな顔になってしまう。誰かの苦手だったものを、自分の料理で「好きなもの」にできた時。この時ほど「してやったり!」と思うことはありません。

オーブンレンジの使い方もわかったので、他のこんがりチーズレシピにも挑戦したいなと目論見中。寒くなってきたから、今年の冬はたくさんグラタンを食べたいな。ミートドリアでもいいかも・・・

冬の料理の楽しみが、またひとつ増えました。


また読んでくれると嬉しいです🌷

はる

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