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『セックス・エデュケーション』シーズン3 E2 挿入歌

Episodo2

1、『Perhaps, Perhaps, Perhaps』(1964) / Doris Day

オープニングの一曲。アダムに化粧をするエリック。盛り上がった二人はついに肉体的なつながりを持とうとするが、どうもうまくいかない。そうこうしているうちにアダムの母親がやってきて、2人はまた進展しないままになる。

 原曲はスペイン語で歌われる『キサス・キサス・キサス』(1947)。英語バージョンは1948年に制作されている。そのほか、カバーは数多く、このドリス・デイのバージョンもそのうちの一つである。日本においてもカバーは多い。
いつも相手にはぐらかされる心情を歌っていて、停滞の続く2人の関係をそのまま表していると言えそう。

2、『Fantastic Man』(1979) / William Onyeabor

オーティスの自宅にて、ルビーがオーティスのファッション大改造に手をつける。服から小物までとっかえひっかえし、ルビーは自分の横に立つのにふさわしい男として、オーティスを仕立て上げようとする。

 歌詞内容は、男が女に向かって、「君のことをよく知るうちに褒めてきたけど、君には僕がどう見えるのか言ってくれない?」と求めるもの。それに対して、「You look so good, Fantastic man」と女性が答えるのである。
 ルビーのファッションがそもそも60〜70年代っぽく見えるので、そのあたりもかかってきているのかも。

3、『Piddily Patter Patter』(1955)/ Nappy Brown

オーティスがルビーとともにレトロな佇まいで登校。いつもと違いすぎるオーティスの格好は注目を集める。そんな中、学校の新しい決まりごとがあらわになり、ロッカーは地味な色に塗りつぶされていく。
 歌詞内容は、君をみるたびにドキドキしちゃう的なことだと思う(たぶん)。

番外 『Fuck the Pain Away』

合唱部がアレンジして歌っている曲。
原曲は、wikiによると、セックス・ポジティブ・フェミニストとしてカナダで活動するバンド、Peaches が2000年に出した曲。日本だとネット記事すらなかなか見つからないが、影響力を強く持ち、なおかつ映画やドラマで象徴的に使用されることも多いようだ。

4、『Dancing in Heaven』(1982) / Q-Feel

オーティスの部屋でこの曲のレコードがかけられている。オーティスとルビーのベッドシーン。完全にルビーに主導を握られているが、それでも二人の関係は順調そう。

 Q-Feelの唯一のヒット曲である『Dancing in Heaven』。映画『Girls just want to have fun』(1985)で使用され有名になった曲だそうだ。80年代全開という雰囲気。オーティスとルビーの「Yes」「No」の掛け合いが、イントロの「Quick」「Slow」の掛け合いに重なる。

5、『Can I Sleep in Your Brain』(2015)/ Ezra Furman

アダムがエリックに、自分がしたいことをやっとの想いで伝える。エリックはそれを笑顔とともに受け入れ、2人は肉体的につながる。

 セックスエデュケーションの劇伴と挿入歌の数多くを担当するEzra Furmanのナンバー。休める場所を他人に見出すこの曲が、アダムとエリックを祝福する。アルバムに収録されているバージョンだとイントロはドラムからはじまる。ドラマ内で使用されているのは別バージョンなのか、このために書き足したのか?

6、『Save a Prayer』(1982)/ Duran Duran

「私の彼氏になる?」とルビーに問われたオーティスがうなずき、二人の交際がはじまる。アイザックから電話のことを告白されたメイヴは、オーティスへの気持ちを無視できなくなっている。

 歌詞はこちら参照(オレの歌詞和訳)。いわゆるワンナイトラブについての曲だが、それが切実なものだと訴えるような。昨夜、いい雰囲気から一転、険悪なムードになったアイザックとメイヴは、仲違いしたまま朝を迎えてしまう。

7、『Sound of da Police』(1993)/ KRS-One

ジャクソンは校長により生徒会長の座を降ろされる。校則改革は進み、校内放送にて「制服の着用の義務付け」が告知される。それを聞いて唖然とする生徒たち。

 繰り返される「Woop-woop!」のサイレンだけで、この場面に使われた意味合いがなんとなくつかめる。本来はもう少し社会的な意味が強いというか、ぜひ歌詞全文を読んでほしいが、ここのシーンでも、「正しさのようなもの」が暴力として生活に介入してくる。

ep-3に続く。

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