いつからか知らないが、勉強は競争の糧と思うようになっていた。そこから俺の学問への見る目が変わっていった。自分で成績が上がるのを見るたび、喜びの反面、俺の心は擦り減っていった。だから、学校出てからは人と競り合わない、世界に憧れてきた。競争の高度抽象化が確かに心を蝕んでいたのさ。

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