バルベナジントシル酸塩(営業名ジスバル)

(結論)

ジスバルカプセルの海外治験において、現場の先生の評価では、プラセボにもある程度の効果があった。そして、ジスバルカプセルは、無治療状態との対比では少なくともプラセボと同等の効果はあることがわかった。
現場の先生の評価からは、プラセボとの対比では有意な差は得られなかった。(二重盲検ではあったが、暴露の前後は盲検化しておらず、プラセボの効果を高く評価してしまった可能性がある)

いずれにせよ、治療の現場ではプラセボとの対比ではなく無治療との対比になるので、効果が目に見えることは期待できる。
また、参加者と接しない特定の評価者が参加者の状態を暴露前後を盲検化したうえでビデオ判定するとプラセボとの対比でも有意な差が得られた。(国内の治験でもこの方法で有効性を認められた。)

以上を勘案すると、ジスバルカプセルの活用は患者の利益につながる可能性が高い。

なお、想定患者数が少なく、かつ超高額品にも関わらず、最小包装が100カプセルになっており、適切な流通形態とは言えない。最小包装を10カプセル程度にするなど改善を働きかけていく必要がある。改善がなければ、不適正流通関与企業として流通適正化活動の対象とすべき。

(整理)

ジスバルカプセル40㎎が発売されました。

遅発性ジスキネジアは有効な治療が少なく、生活の質に大きな影響を及ぼす病態を示すので、ジスバルの効果に大いに期待したいところです。

そこで効果について関連資料にざっと目を通していくと、気になる記載がありました。

PMDAが開示している審議結果報告書の以下の記載です。
「海外1201試験の結果、プラセボ群と本剤群との間で統計学的な有意差が示されなかった」(審議結果報告書56頁)


海外1201試験は以下に詳述されています。
https://www.accessdata.fda.gov/scripts/cder/daf/index.cfm?event=overview.process&varApplNo=209241

このURLにある209241は米国での承認申請番号です。
このページのMedical Review(s) (PDF)に試験の詳細が記載されています。

以下は、おいおい書いていきます。

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