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ちょっとだけ働いてわかったシンクタンク(一年目冬で見えてきたこと)

こんにちは将来を愁うとある元物理学徒です。
昨年書いた内定者目線のシンクタンクに関する記事に対して、最近スキをいただけることが増えていて非常に嬉しいです。
↓こちらの記事です。(シンクタンク業界について関心のある方は是非)

今これを書いているのは2023/12/23,24(土日)なのですが、この時期は就活をされている人は結構大きな決断を迫られる時期なのではないでしょうか。
なので、皆さんの参考情報を少しでも増やすために、本記事を書こうと思います。(クリスマスに予定がなくてよかったです)
そんなことはどうでもいいので、さっさと本題に行きましょうか。
本記事では、主にシンクタンクの実務と入社前後のギャップに注目してきます。


(要確認!!)本記事に関する留意点

  • あくまで私の所属する企業&分野での話ですので、一般性は少し低いかもです。
    同じ企業でも分野による差や上司・先輩による差は当然生まれます。仕事をイメージするための補助的な資料としてお使いください。

  • 私の専門(にしたい)分野は「科学技術・イノベーション」ですので、そっちに引っ張られている可能性もあります。

  • もし私の所属や個人を特定できたら、お会いした時に教えてください。

シンクタンクの実務って結局なに?

前回の記事で「受託調査、研究」「自主研究」の二つに分かれるというお話をしました。
企業によって大きく違うことも前回記事で触れましたが、新卒採用が積極的な企業では「受託調査、研究」が中心になっていると思います。

(企業によるけど)多いのは「受託調査、研究」

これが実は非常に広いです。
マネタイズをやろうとすると、どうしても基本は受託調査なんですよね。
自主研究をするところは割と小規模で、受託調査をやるところは比較的大規模であるといえると思います。
小規模だから受託調査をしない、大規模だから自主調査がないという訳ではないですけどね。(ややこしい)

我々の分野で多い仕事の内容

基本的には調査の中で対象となるキーワードが決まっており、そのキーワードに対して以下のような調査をすることが多いです。

  • 日本国内の状況整理(国策、民間の動き)

  • 海外のいくつかの国に関しても状況整理(国策や成功例中心)

  • 課題点の抽出や目指すべき方向性について、専門家の方と議論するなど

  • それらを取りまとめて、報告書として提出(だいたい公開される)

それ以外の仕事内容

上記の仕事内容は、皆さんがイメージするシンクタンクっぽくないですか?
でも、意外とそれ以外の仕事もあります。あくまで自分の知っている範囲で列挙しておきます。とはいえ、何らかの調査をすることが多いとは思います。
結局は皆さんが関心をお持ちの領域の省庁なり関係機関が、どういった調査公募を出しているかを確認するのが一番わかりやすいです(自分の分野だと経産省関連が多いです)。

  • 委員会の運営支援(結構多い、調査とも一緒にやる)

  • データ整理、分析(+なんかの提案をすることが多い)

  • ガイドブック案などの作成(珍しいけどたまにあります)

入社前後のシンクタンク業務に関するギャップ

正直に言うと、大きなところでは特にギャップはありませんでした。
ただ、細かいところでギャップや想定外なことがあったので、それをご紹します。

委託調査はあくまで委託

大きくとらえれば結局これに収束するかもしれません。
これは事前にわかっていたことですが、委託調査はあくまで委託調査です。
委託調査の中では自由に議論はできますが、委託内容を超えた調査なんかは基本的にできません。(ちょっと寂しいですよね)
最終の政策決定者はシンクタンクではなく、行政官です。助言をする立場ではありますが、決定者ではありません。
とはいえ、定期的に議論をしながら調査を進めるので、クライアントと我々で考えに大きな差があることは少ないとは思いますが。

公共セクターの組織構造

これも知っていましたが、目の前にしてみると大きな壁だなと感じます。
私は分野的に中央省庁(いわゆる霞が関)関連の仕事が多いのですが、その構造の問題で上手くいかないこともあります。
それは我々が調査の中で対応できる領域ではないので、正直どうしようもないです。(結局、民間でも一緒という話も聞きますがね)
縦割り業務や頻繁な異動なんかはひしひし感じています。担当者はやる気でも上司が許可しないなんてこともありました。
これはその上司が悪いという話ではなく、組織構造上できないことがたくさんあるということです。

(補足)社員の雰囲気について

シンクタンク研究員ってどんな人?

いい人が多いです(結構マジで)。
なんか気のいい人が多くて、気難しい人というのは珍しい印象です。
(変わった人も多いかもですが、有害な人は少ないです)
この時代にわざわざ公共性が高い仕事に就こうとする時点で、ちょっといい人な気もします。
その意味では、この記事に関心をもってくださる皆さんもそうかもですね。

年次や経験にかかわらず、割と対等に扱ってくれます。
私は思いついたことを他人と議論したがる傾向があるのですが、皆さん議論に付き合ってくれます。(若手だけでなく、ベテランの方もです)
仕事に関係することはもちろん、直接は関係ないことでも割と話しています。

知識量やばい人います(特にベテラン)
もうただの専門家です。(有識者として呼ばれることもありますし、クライアントから異常に信頼されている人が普通にいてビビります)
いろんな分野の大学教授レベルがその辺にごろごろしていると思うと、一周回って恐ろしいですね。
でも、大学の先生程気難しくないですよ。(冗談です)

同期 is すごい
私が特に実感した事としては、新卒の同期はいい人が多くてびっくりしました。(みんな賢いし)
私は幸いにもこれまでも悪い環境にいたことはないですが、シンクタンク同期にはストレートな”いい人”ばっかりでした。(伝われ!)
日頃から同期の皆さんに支えてもらってることを、ひしひしと実感しています(美談)。(シンクタンクに限らないかもですけどね)

悪いとこないの?
残念ながら、仕事量や発言内容に配慮が少ない先輩がいるとか、社員間で仲が悪いとかそういう話は噂レベルでは聞きます。
それは悲しいかなどこの企業でもそうなのかもしれないですね。
ただ、少なくとも私のいる会社ではそれが蔓延しているという感じではないです。

明確な注意点があるとすれば、”普通の会社”ではないと思います。
ほかの企業よりも、相性を重要視されてもいいのではないでしょうか?
個人的にはシンクタンクの中では、「やりたい仕事ど真ん中だけど、チーム相性は普通」と「仕事内容はまあまあだけど、チームとの相性は最高」の二択なら後者を選んでいいと思います。
仕事内容は社会の需要によって変わりますし、アプローチも多種多様なので

中で評価される人って?
自分の知る限りの狭い話ですが、評価が低い若手というのは聞いたことがありません。(ベテランで悪い噂を聞く人はいますが、、、)
戦略コンサルなんかはup or outであるという噂だけを聞きますが、あまりそういう感じではないと思います。
ただ、クライアントワークの宿命なのかベテランはハードワーカーの方が多いです。
最近だとそれを若手に強要することは少なくなっているようですが、超ホワイトではないかもしれません。(特に年度末は繁忙期なので、、)
この辺りはチームによって育成方針は違うようなので、逆質問なんかで聞いてみるのがいいかもですね。
残業時間なんかを聞いても人や時期によって大きく異なって答えにくいので、若手の育成方針みたいなものを実例ベースで聞くのがいいかもです。

まとめ

  • 会社によるがある程度以上の規模になると「受託調査」が中心が多い。受託はあくまで受託で、クライアントの組織構造なんかはどうしようもない。

  • 社員はいい人が多い、特に同期最高。でも、どこの会社でもあるようにいろんな人はいます。

  • ベテランはいろんな意味ですごい。なんかいろいろ相談を受けているらしい。

  • 変わった仕事ですが、唯一無二感あるのでハマる人はハマる仕事っぽい。

その他何か気になることがあれば、お気軽にご連絡ください。

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