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2024年新入生向け・ICT機器の選び方(中高生向け)

割引あり

はじめに

中学・高校の入学が決まって、パソコンやタブレットなどのICT機器を購入するお宅もあるでしょう。多くの場合、学校で指定されるため、それを買うことになります。ただ学校の中には、自分で選ぶところもあります。
また、学校指定の機械は学校に置きっぱなしで、家用のICT機器が欲しくなることもあると思います。eスポーツやAIをやってみたいという人もいるでしょう。
そこで、私が使ってみた感想を踏まえて、それぞれの機械の善し悪しと、どのような場合に購入すべきかを書いていきたいと思います。
この記事は「お子さんが中学・高校に入学した親御さん」向けです。大学生向けには少し事情が変わりますので、別記事をご覧ください。この記事も大いに役立つと思いますので、大学生もまずこの記事を読むことをおすすめします。
なお、この記事に書かれたことは、2024年3月中旬の状況をもとにしています。

1 iPadとタブレット

タブレットの利点は次の通りです。
・好きなときにさっと持ち出せ、電車の中など移動中でも使える
・キーボードを接続すれば、「準パソコン」としても使える
・動画や電子書籍を見る機械として優秀
・対応ペン(iPadならApplePencil)を使えば、お絵かきやメモ帳代わりに使える
・パソコンの「2枚目のモニター」として使える

機械の性質上、「タブレットですべての仕事をこなす」ことは難しいです。ですので、1台目の情報機器としては向いていません。用意するなら「フル機能のパソコン+タブレット」という形が理想的です。
ではどれを選べばよいのでしょうか。私が使ってみた経験から言うと、iPad一択です。正直iPadがあれば、Androidタブレット、Windowsタブレットを買う必要はありません。使いやすさ、堅牢性、画面の美しさは一番ですし、音楽、画像、動画、マンガなど、「創造するためのソフト」も充実しています。
マイナス点はペンシルまで買うといい値段になること、キーボードを常用しないので、別の方法でキーボードリテラシーを高める必要があること、ぐらいかと思います。
選び方は次の通りです。
ガチで創造に使いたいならPro(でも高い)
・Proまではいらないが、性能が必要ならAir
・小ささが必要ならmini
・それ以外は無印(第10世代)

無印第9世代も安く売っていますが、コネクタが古いLightningなので、避けるべきだと思います。ProとAirは2024年3月末に新製品が出ると予想されていますので、買うなら出てからがよいと思います。

2 Windowsノートパソコン

特に指定がない場合は、Windowsノートパソコンが第一選択になります。
Windowsの利点は次の通りです。
・Word、Excel、PowerPointなど「大学に入学したら/社会に出たら必ず使うソフト」がフル機能で使える
・Zoom、Teamsなどテレワーク用ソフトもフル機能で使える
・GoogleやiPadの教育ソフトもブラウザ経由で使える
・イラスト、マンガ、動画、音楽などを「創造するためのソフト」が揃っている
・「情報」の授業の学習に対応しやすい

パソコンを使って「何かを作りたい」なら、まずWindowsのノートパソコンを入手すべきでしょう。とにかく汎用性が高いのが最大の魅力です。
一方Windowsのデメリットは、次の通りです。
・ウイルスやマルウェアの攻撃を受けやすいため、常時セキュリティ対策を万全にしておく必要がある
・危ないところに近づかない、変なリンクを踏まない、変なソフトをインストールしないなど、使い手側に知識が必要

このようにWindowsは、管理の面ではちょっと面倒で、身につけなければならないリテラシーが多いです。これはお家の方や大人が、きちんと教える必要があると思います。
それではWindowsノートの選び方を見てみましょう。
ノートパソコンは大きく、14インチ以上の「置きっぱなし」を前提としたものと、13.3インチ以下の持ち運びを前提とした「モバイルパソコン」に分かれます。大学生になったら、パソコンを持ち歩くことはほぼ必須になります。ですから中高生の段階でも、モバイルパソコンを購入することをおすすめします。
モバイルパソコンを選ぶ際、次の点を基準にするとよいでしょう。
・重さは1㎏程度、できれば1㎏を下回るもの。
・CPUはi5かRyzen。
・メモリは16GB以上。
・ストレージは256GB、できれば512GB

国内メーカーだと15万円くらいになるでしょうか。家電量販店だと20万円を超えるでしょう。ですが通販限定などで10万円を切るものもあります。いいものを買っておけば長く使えます。故障したときに備えて、サポートがしっかりしている会社のものを選ぶと良いでしょう。
あとOffice(Word、Excel)の有無については、学校の情報環境を確認する必要があります。学校がMicrosoft365に入っている場合は、無料でWord、Excelが使えることがあります。あらかじめ調べた上で、Officeのあるなしを選択しましょう。
今だったら下のマシンがおすすめかな、と思います。なお、記事を購入していただけると、より詳しい選び方を読むことができます。

3 Windowsデスクトップパソコン

2022年までは、据え置き式のデスクトップパソコンを積極的に選ぶ理由はありませんでした。実際家電量販店でも、デスクトップパソコンは少数しか扱っていません。
ですが2023年以降、選ぶ必要が急速に上がりました。eスポーツと生成AIです。これらには、高性能なグラフィックボードが必要なのです。
グラフィックボードを積んだ、「ゲーミングノート」もあります。ですが現状では、ゲーミングノートの多くが持ち運びを考慮していません。またグラフィックボードのアップグレードもできません。本格的にeスポーツ・生成AIを使いたいなら、デスクトップパソコンを選んだ方がよいのです。
私はパソコンでゲームはしないので、eスポーツに関してはアドバイスはできません。一方生成AIはかなり試したので、次のようなパソコンをおすすめします。
・CPUはそれほど関係ない(最高のものでなくてもよい)
・パソコンのメモリーは32GB以上
・グラフィックボードのVRAMは12GB以上、将来を考えれば16GB
・ストレージはM.2のSSDが2TB以上

決定的に重要なのがグラフィックボードの性能とVRAMの容量です。ネット上の情報はNVIDIA製のチップに関するものが最も多いので、素直にNVIDIAチップを搭載した次の製品を選ぶとよいでしょう。ちなみに値段はグラフィックボードだけのものです。これにパソコン本体の値段が加わります。
・前世代で安いが将来性が不安なRTX3060Ti(VRAM12GB、5万円程度)
・最新世代で最低ランクのRTX4060Ti(16GB、7.5万円程度)
・2ランク上だがVRAMが12GBのRTX4070Ti(12GB、12万円程度)
・バランスがよいが高いRTX4070Ti SUPER(16GB、15万円程度)

もちろん予算があればこの上のRTX4080シリーズでもよいです。他にゲームをするか、どれぐらいAIを積極的に使うかによって選び方は変わってきます。ちなみに4070Ti SUPERを搭載したパソコンは、だいたい40万円ぐらいになります。どれだけAIに先行投資するかが、考えどころとなります。

4 Mac

Macのメリットは、「創造するためのソフト」が揃っているところにあります。またWord、Excelは、微妙な違いはありますが、ほぼWindowsと同じ機能が使えます。最大のメリットは、画面や文字が見やすいことです。この点はWindows機に大きく勝っています。
デメリットは、「Windowsと操作性が違うので、周囲から教えてもらいにくい」ことです。最初に使うパソコンとしては、やはりWindowsの方が圧倒的に無難です。Macを買うなら、それなりの覚悟と親のサポートが必要です。
現在Macを買うなら、M3チップを積んだ最新のMacBook Air13インチ一択です。Windowsより格好良く美しいですが、1.2㎏あるので、持ち運びは少し厳しめです。15インチは1.5㎏あり、持ち運びには向きません。

5 Chromebook

2022年頃はChromebookがGIGAスクールで注目され、家電量販店でも大きなスペースをとって展開されていました。
Chromebookには、起動が速い、ブラウザを使ったサービスはWindows同様利用できるというメリットがあります。パソコンを使う作業のうち、簡単なもの、基礎的なものについては、十分こなすことができます。
ですが、それは「簡単・基礎的な作業しかできない」ことを示します。また高機能なアプリの数も少ないです。なんといっても、Word、Excelのフル機能が使えないのです。「パソコンの形をした機械」でありながら、できることは数少ないのです。ですから積極的に選ぶ必要はまったくありません。

まとめ

タブレットを買うならiPad一択です。1台目の情報機器としては向きません。パソコンを持った上で、セカンドの情報機器として使うのが望ましいです。
第一選択はWindowsモバイルノートです。仕事にも勉強にも創造にも使えるのが強みです。ただしセキュリティ対策などの管理は多少めんどうで、大人のサポートが必要です。
eスポーツや生成AIの経験を積みたいなら、Windowsデスクトップが選択肢になります。ただし30~40万円の出費を覚悟しなければなりません。
Macもよいですが、Windowsより大人のサポートが多く必要になります。
Chromebookは、積極的に選ぶ理由がありません。

2024年、AIの普及により、Windowsデスクトップも選択肢に入ってきました。お子さんの情報環境は、お子さんの今後に大きく影響します。なるべく将来につながるものを用意しておくのがよいと思います。

記事をお買上げいただくと、詳しいWindowsモバイルノートの選び方を読むことができます。どれを買えばよいか迷っている方には、有益な情報かと思います。よろしくお願いします。

より詳しいWindowsモバイルノートの選び方

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