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ベースのスライド奏法を打ち込む

SCARBEE RICKENBACKER® BASS

エレキベースを打ち込む時に、Studio One Professional に付属の音源だと低音の伸びがいまいちな感じがします。私がよく使うベース音源は KOMPLETE14 STANDARD に入っている SCARBEE RICKENBACKER® BASS です。

NIの紹介ページには「60年代に多くのロックやポップレコードで聞くことができた明瞭なサウンド」と表現されています。低音の伸びとクリアな中音域はロック系によく合った音です。

今回は、この音源を使ったスライド奏法のやり方を紹介します。最初に成功するまでに結構ジタバタしました。また、私の記憶力のせいかもしれませんが、忘れがちなのです。なお、SCARBEE の他のベース音源も同じやり方でスライドできるのではないかと思います。

スライドしたい

ベースといえば低音でボヨンボヨンと弾くだけでもそれっぽい音が出るわけですが、個人的に比較的使いたくなるのがスライド奏法です。これは音を出した後に弦を押さえた指をそのまま移動して、鳴っている音を滑らかに変化させる奏法です。

変化させたい範囲を細かい時間で区切って半音ずつ上げたり下げたりしていけばスライドに聞こえるのではないか。と思うかもしれませんが、実際、聞こえます(笑)。まあちょっと違うかな、程度の感じになります。

ベースの音源によっては、スライドの音を出すための独自コントロールが用意されています。今回紹介した音源もそうです。最終的には次の例のような状態にします。

(fig.1) スライドを打ち込んだ例

ポイントは、sustain pedal を on にすること。音を重ねること、弦を指定すること。この3つです。

sustain pedal

Studio One のデフォルトのオートメーションの選択肢に sustain pedal は含まれていません。個人的にギターやピアノの打ち込みに sustain はよく使います(sustain も含まれていません)。ただし、今回追加するのは sustain pedal です。fig.1 は既に追加された状態です。

追加の手順は、まずオートメーションの項目を編集するための「…」(Add/Remove button)をクリックします。

(fig.2)  Add/Remove button

すると、オートメーションに使う項目の追加・削除をするダイアログが表示されます。

(fig.3) Sustain Pedal を選択

今回は項目を追加したいので、右のリストから Sustain Pedal を選びます。ただ、実際にやってみると鬼のように大量の項目が出てきます。困ったものです。fig.3 の右端のスクロールバーが、どのあたりにこの項目があるのかの目安になると思います。CC 63 の次、という判断でもいいでしょう。

Sustain Pedal もたくさん並んでいて、どこが違うのかよく分かっていないのですが、いつも先頭の項目を選んでいます。いつもこれでうまくいっています。

Sustain Pedal を fig.3 のようにクリックで選んでから「<<Add」を押すと、項目が左のリストに追加されます。

(fig.4) 左リストに Sustain Pedal が追加された

項目の最後に Sustain Pedal が追加されています。これで Close を押せばokです。オートメーションの選択肢にも Sustain Padal が追加されているはずです。

指定した Sustain Pedal は、スライド後の音が始まる前に on にします。

(fig.5) Sustain Pedal を on にするタイミング

fig.5 は、上の音から下の音へスライドさせる例です。下の音が始まるタイミングは 1.475 で、その前の 1.45 のところで Sustain Pedal を on にしています。

音を重ねる

fig.4 を見ると、上の音 (E3) と下の音 (D3) は 1.475から1.5の範囲で重なっていることが分かります。この重なりがないとスライドしないようです。

Velocity は音の出方に影響します。よく理解していないので説明できないのですが、いろいろ変えて試してみてください。

弦を指定する

スライド奏法は、実際のベースだと、弦の上で指を滑らせて、離れた音を連続的に出す演奏法です。従って、実行するためには最初の音と最後の音が同じ弦から出ている必要があります。

弦を特に指定しない場合、SCARBEE のシリーズはどの弦の音を出すかを自動的に判定します。その結果、弦が変わってしまったら、スライドの指定をしても無視されてしまいます。

この失敗を避けるには、音を指定するときに同時にどの弦を使うかを指定します。具体的には、E0、A0、D0、G0がそれぞれ4弦、3弦、2弦、1弦を使う指定になります。実際のベースの開放弦は低い方から E、A、D、Gでチューニングするので、覚えやすいと思います。

(fig.5) 2弦を使うように指示

fig.5 はまず D3 の音と同時に D0 を指定しています。D3の音は2弦で弾くことになります。さらに E3の音も D0 を指定しているので、2弦を使います。これは実際のベースでは14フレットを押さえることに相当します。そこからスライドした先は E2 なので、2フレットまで指を滑らせて音を下げるような演奏になるわけです。

余談

Chord Slide

スライド奏法ができるようになると、次にやってみたくなるのが複数の弦を同時にスライドさせるという技です。この音源は同時スライドにも対応していて、マニュアルには Chord Slide という項目があるのですが、まだうまくコントロールできていません。

Pitch Bend

Studio One に付属の音源 Presence にもベースの音があります。Presence はスライドを指定する方法がないので(多分)、Pitch Bend を使ってスライドに近い音を出すのが簡単だと思います。

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