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選ばれし写真の価値


棚倉町逆川にある「昭和軒」は、味噌ラーメンが人気の店だ。たっぷりのモヤシとおろしニンニクがこれでもかというほど入っている。
土曜日の仕事は午前中で終わり、仲間とそちらへ昼食をいただきに来店した。外観はラーメン屋と言うより普通の民家に見える。暖簾をくぐると味噌ラーメンのいい匂いが鼻を刺激してきた。店内はカウンターのみで10席ほどしかない。一応メニューに目を通すが、ターゲットは決まっている。味噌ラーメン。並盛は無く、中盛りと大盛りの2通り。少し迷って大盛りを注文した。

モヤシの上にのせたニンニクの量が半端ない。

ニンニクを混ぜる前にひと口スープをいただく。パンチが半端ない。ちょい辛なスープは濃口で、薬味のネギの代わりに玉ねぎのみじん切りが入っている。それからおもむろにニンニクをスープに混ぜ、丼の中で麺と絡める。多めに胡椒をふりかけ、パンチ力を増強し、その太麺を口いっぱいに頬張る。
「美味い!」
かなり高齢の御夫婦が営んでるラーメン屋。いつまでも元気で長くお店を続けてほしい。

満たされた腹を抱えて車に乗り、食後の一服を堪能する。何度もやめては再開の繰り返しの煙。もう、やめることをやめにした。吸い終わる前に車を走らせ、今日の目的地に向かう。JR水郡線、磐城塙駅。はなわの花・紅葉フォトコンテスト入賞者の写真が駅併設の塙町コミュニティプラザに展示されている。ダリアの部で優秀賞に選ばれたと知らせがあり、ウキウキ気分でそれを見に行くのである。
福島県塙町で毎年開催されるフォトコンテストで、桜の部、ダリアの部、紅葉の部、スマホの部などがあり、去年ダリアの部に応募していた写真が選ばれていた。

フォトコンテストで選ばれるのは大変嬉しい。反面、落選すれば落ち込み、劣等感に苛まれる。ただ撮った写真を応募するのではなく、そのコンテストの趣旨にそった作品でなければ入賞は難しい。分かり切ったことだ。私の作品はダリアのアップ。本当に、はなわダリア園で撮影した写真なのか分からない。それが最優秀賞を逃した一因と聞く。

写真の価値は人それぞれ。撮った本人と、見る側では捉え方も違ってくる。本当なら撮った側が見る側へと、作品から真意を届けられればいいのだか、私にはまだその力は無い。

選ばれる写真とは、どんな写真なのだろう
選ばれた写真には、どんな価値があるのだろう。

初心を思い出す。撮ることが楽しかった。シャッターを押すのが楽しかった。それは今も変わらないけど、なにか付加価値を求めてしまっている。SNSのいいねだったり、コンテスト入賞だったり‥。

撮ることのみ楽しめばいいのだけれど、カメラ歴13年で培った知識や経験が、それに邪魔をする。

撮ったら見てほしい。だからSNSに投稿する。自信作ならコンテストにも応募する。だけどもうそれらもいいかな‥と感じるようになってきた。見せたい気持ちは変わらない。ただ今の見せ方に少々疑問を抱いてきている。これからの見せ方については、今後の私の課題だ。

~Today's gear ~
    FUJIFILM X-E4
    XF18mmF2 R


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