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「プロの写真なんていらない」


プロが写真を撮る必要はあるんだろうか?


あなたは真剣にそれに向き合ったことはありますか?


今回の記事は商業写真、広告写真を中心とした内容になります。
普段書いている写真ブログとは違って、noteでは初めましての人にもある程度理解しやすい内容になるよう心がけて書いていきたいと思っています。


ということで、初めまして。建築フォトグラファーの藤川です。
Xでは建築写真キャット🐈というアカウントで活動しています。
建築写真撮影を生業としており、普段は住宅や店舗の竣工写真や不動産物件写真など関東を中心に建築を撮って生きております。



さてここから本題なのですが、なぜプロのフォトグラファーに撮影の依頼がくるのでしょうか?

  • 製品を美しく魅力的に見せたい

  • お店をおしゃれに見せたい

  • イベントの記録をきれいに残しておきたい

  • それらの写真を使って集客したい


様々な理由があると思います。
でも実は多くの分野では「プロに撮ってもらうのが昔から当たり前だから」という惰性で依頼されていたりしないでしょうか?
つまり顧客が本当のプロの撮る写真の価値を理解できていないのにそういうものだから、とずっと依頼してくれている。
え、そんなことはない?


最近言われませんか?
「スマホやカメラの性能が良くなったから素人でも十分綺麗に撮れる」
って。

この仕事していたら誰しも一度は言われたことがあると思います。
この言葉にプロの写真の価値が理解できていないことが集約されています。

それは
「今のカメラは適当に撮っても失敗なくブレたりせずに高画質に撮れる」
という意味であって、それはもちろん正しくてなんの否定もありません。
私も「便利な時代ですよねぇ〜」と同調することが多いです。


しかし、
プロの写真の価値の本質は”高画質”ではないんです。

”その写真が果たすべき目的を達成できるかどうかをどこまで追求できているか”

  • 製品写真であれば、その商品が売れること

  • 店舗写真であれば、お店にお客さんが来ること

  • コーポレートサイトの写真であれば、その会社の印象を正しく伝えること

あげればキリがないですが写真には本来果たすべき役割がきちんとあります。
これがプロの撮る写真の評価基準であり、高画質かどうかは直接的には関係ないんです。
ここを勘違いしていると何が起きるか…

「スマホでも綺麗に撮れるからプロに頼む必要ないよね!」

これです。
しかもこの勘違いはクライアントだけでなくフォトグラファー側にも起きています。
「カメラを始めてちょっといい感じの写真撮れるようになった!仕事にできるかも!」
そう思うのも気持ちはわかります。自分もそういう時期もあったと思います。


でも本質は違っていた。


プロのフォトグラファーの私が書いているわけですから当然ポジショントークではあるのですが、最近こんな感じでどんどんフォトグラファーの価値は矮小化し、報酬も下がり、挙げ句の果てにはプロに依頼する必要がないという認識まで広がりつつあります。



ちなみにこの現象は写真の需要が圧倒的に拡大したことにも起因しています。
需要が増えたなら仕事が増えるのでは?
たしかに増えています。でも一部間違った方向で増えてしまっていたりします。


例えば飲食店。
日々のSNS更新に新しい写真が必要となります。当然毎日プロフォトグラファーに来てもらうなんてコストがかかりすぎる。そのためスタッフが少し勉強してなんかそれっぽい写真を撮る。
これは正直仕方のないことです。
むしろどんどん勉強してもらって、いい写真を撮ってもらえればと思います。

それを心から応援しているので私も素人でも物件写真が撮れるようになるハウツー動画を出したり↓

Xでも日々撮影知識・技術について発信をしています↓



話を戻しますが、
それではその飲食店がめでたく新店舗をオープンすることになりました。
もちろん前回はオープン前にメニューや店舗写真をプロにお願いしていた。
でも今回は「SNS用の写真撮れるスタッフがいるからそれでいいや!」
予算も限られてるし、そうしたいですよね。

ここで注意したいのはその写真は”目的を果たす本質をどこまで捉えられているのか”です。

  • 「なんかいい感じ!」

  • 「おしゃれ!」

  • 「きれい!」

そんな写真止まりじゃないですか?

  • 集客できる写真がなんたるか

  • どのように撮れば無駄な情報を省けるか

  • 本当に伝えたいことを正しく伝えられるか

写真でこれらを達成する方法を理解できており、
かつ、それを実現する技術を持っていますか?

そう、それを満たした写真こそがプロが撮る写真

もちろんこれ以外にもたくさんの価値はあるのですが、
これこそがプロに写真撮影を依頼する最大価値であると私は考えます。



これを読んでもまだプロの写真が不要だと思いますか?

そしてプロのあなた、そんな写真をきちんと提供できていますか?

なんだか随分偉そうなことを綴ってきましたが、
そういう私自身も気を引き締め直して引き続き活動していきたいと思います。



実はこの記事を書くに至ったのには経緯がございまして、
「物件写真はプロに撮ってもらう価値がない」
というアンケート結果がきっかけでした。

私のフォロワーさんに不動産業界の方が少ないので「答えだけ見る」が大多数となっていますが、それ以外で見ると「必要ない(それほど価値がない)」が最多となっています。


果たして本当にそうだろうか?
改めてこれについてじっくり考えましたのでそれについては次回の記事で!
結構ぶっ飛んだことを考えちゃってるので、ぜひフォローしてお待ちいただければ幸いです。


それではまた!
フォローしてね!いいねも押してね!笑


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