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猫の歴史(下)

すっかり人の世界に溶け込んでいる猫たちですが、愛しい猫達が人とどう関わってきたか知りたいと思いませんか?時代と共に、人と猫の関係は少しずつ変わってきています。昔は猫にとって苦難の時代もありましたが、今は猫にとって暮らしやすい時代であると思います。

今までの、人と猫との関わりを見てみましょう。



日本における猫の近代史

現代では、猫は日本の文化や社会に深く根付いています。猫は多くの人々に愛されるペットとして飼われており、インターネットやメディアでも人気があるのは周知の事実でしょう。猫は日本の伝統や風俗にも関わっており、例えば七夕や節分などの行事にも登場します。また、猫は日本の観光資源としても注目されており、例えば猫島やねこ鉄道などのスポットが認知されるようになりました。

猫の役割の変化

明治時代初期には、猫はまだ農村や寺院で鼠を捕る役割を果たしていましたが、都市部ではペットとして飼われるようになりました。西洋から輸入された品種の猫も人気が出て、猫展や猫雑誌が登場しています。

明治中期には、猫は芸術や文学の題材としても注目されるようになりました。浮世絵や錦絵に描かれた猫は、当時の人々の生活や風俗を反映しています。夏目漱石の「吾輩は猫である」が有名です。「吾輩は猫である。名前はまだない」というように、猫が主役の小説がはじまった時期でもあります。

明治末期には都市化や工業化に伴い、野良猫の数が増えて衛生的に問題になりました。一方で、動物愛護運動も始まり、猫を保護する団体や施設が設立されています。明治時代の猫事情は、日本の近代化と西洋化の影響を受けた多様で複雑なものでした。

昭和の時代は動物福祉は未熟

猫は自由に生きているように見えますが、同時に多くの苦難がありました。食べ物や水を見つけるのは困難であり、病気や寄生虫にかかるリスクも高かったのです。また、人間からの虐待や迫害も受けていました。特に戦時中や戦後は、猫は食用や毛皮用に捕まえられたり、不吉なものとして殺されたりすることもあったのです。また猫嫌いから、猫の餌場に毒の餌を置かれて殺されることもあったのです。

しかし、昭和時代の猫事情は、一様に暗いものではありませんでした。猫は、人間の文化や社会にも影響を与えています。例えば、猫は多くの作家や芸術家にインスピレーションを与えたり、作品に登場したりしました。太宰治や三島由紀夫などの文豪は、猫を愛したことで知られています。

戦後の生活で猫は文化で貢献

戦後は人間の生活が裕福になるにつれ、動物も安心して暮らせるようになりました。文学や芸術面でも、猫が活躍することになります。赤川次郎氏が書いた「三毛猫ホームズシリーズ」という小説が人気になりました。当時の猫は、ほとんどが野良猫であり、人間との関わりは少なかったのです。

猫は、漫画やアニメにも登場しました。手塚治虫の「ジャングル大帝」や宮崎駿の「魔女の宅急便」などの作品には、個性的な猫が登場します。さらに、猫は日本の伝統文化にも深く関わっています。招き猫や猫神社などの例があります。


『ネコノミクス』という経済効果

平成には猫マンガ雑誌「ねこぱんち」が流行り、今でも継続して販売されています。猫の飼育数は徐々に増加し、猫カフェや保護猫カフェも徐々に増えてきました。さらに、猫島などの新しいスポットが登場しました。

NPO法人の愛護団体の活動の恩恵もあり、猫の保護活動や避妊去勢の普及も進み、猫の福祉に関する意識が高まっています。さらに、猫の遺伝子や行動に関する研究も発展し、猫の理解が深まりました。平成の猫の歴史は、日本社会の変化とともに歩みすすめた、猫と人間の関係を深めてきた歴史でもあります。


まとめ

人と猫は世界でも日本でも長い歴史を持ち、多様な役割を果たしながら共存してきました。昔はペストを流行らしていたネズミを駆除に使われたり、日本文学にでたり、日本絵画のモデルになったりと、時代時代によって猫との関係性は変わっても、伴侶動物であることには変わりありません。

時代は変わった今でも人と猫は共存しており、猫は伴侶動物として人を癒しています。猫好きさんがいる限り、人が癒しを求めている限り、猫は人と共存してくれます。猫は人に良い影響を与えてきた動物であり、今後も世界の文化や社会に欠かせない存在でしょう。お互いに幸せになれるように、猫との時間を大切にしていきたいものです。



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